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Arrow Chart

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図を描きながら、見えないものを見ようとしています。 見えないものが可視化できれば、なにかが変わる!と信じています。
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⑴はじめに

自己満でアローチャートを学ぶための小説を書いてみることにしました。 アローチャートというアセスメント手法を小説を通して学んでいくという本です。 小説に入る前に少しこの本を書こうと思った経緯について自己紹介を合わせてさせていただきますね。 私は介護支援専門員として日々仕事をしています。 介護支援専門員の専門性の一つにアセスメントがあります。 私たちは利用者に対し、困りごとを聞いていきます。情報収集ですね。情報の中には、本人の思いもあります。願いなんて言い方をしたりします。

⑵プロローグ

プロローグ 「ピッピッピッー」     試合終了ーー そして、それは新たな始まりの意味でもあった。 今年の夏も予選リーグ敗退。ここ数年予選突破の記憶がない。 僕はホーヤ高校サッカー部の監督をしている。もうすぐ40歳になる数学を教えている教師。うちのサッカー部はとにかく弱い。 練習は週3回、週末は練習試合がなければオフ。 僕もその方が週末を謳歌できるから助かっている。 以前は毎日のように、遅くまで練習して、週末は練習試合をする。その繰り返しで本当に大変だったけど、充

⑶出会い

「新入部員の府中弓子です!よろしくお願いしまーす!」 俺の名前は竹松。高校で数学を教える傍ら、サッカー部の監督も兼務している。 高校のサッカー部といえば、だいたい高校生生活の花形で、青春を謳歌する、最たるイメージだと思う。 しかしながら、このサッカー部、とにかく弱い。そのため、学校内でもあまり華やかのポジションにいる生徒が少ない印象。逆に野球部は坊主で真面目。硬派な印象があるが、うちの高校の野球部は強く、クラスの中でも中心人物になるような生徒が多い。 こと、うちのサッ

⑷原因と結果

原因と結果 竹松「今年はマネージャーが入ったんだなー!よろしく頼む。最近は人気がなくて、今年は入るかと毎年ヒヤヒヤしていたんだ。」 府中「うちのチーム、毎年予選敗退が続いているんですね。なんでこんなに弱いんですかー?」 竹松「お前、めっちゃ直球だな・・・。原因かー。なんだろうな色々ありすぎて、これというものがすぐにあげられないけど、試合に勝てないから、予選敗退しているんだけど、その理由はたくさんあるってことかな。」 府中「なるほど。要はあまりその辺りの分析をしていない

⑸遡及推論

時間を遡って考えていく      府中「ふむふむ。そうすると点が入らない、失点も多い負けるんですね。では点が入らないのはなんでですか?」      竹松「まずはシュート数が少ないな。打たなきゃ入らない。でも打てたとしても決定力に欠ける。両方が攻めについては課題だなー。」      府中「なるほど。もう少し深掘りしますね。シュート数が少ないのは理由がありますか?」      竹松「攻めきれないんだよ。攻めに人数をかけれない。オーバーラップ(守りが上がって攻めに加わること)がない

⑹悪循環

府中「じゃあ次は守りについてですね! 勝てない理由に守りを上げていましたが守りが弱い原因は何が考えられますか?」 竹松「なんとなく勝手が掴めてきたぞ! まず、サッカーは失点しなければ絶対に負けない。 勝つことはなくても引き分け以上にはなる。 だけど失点することで負ける可能性が出てくる。 失点に関してはさっきも少し出たが、技術がないと連携が上手くいかずに、パスが繋がらない。 そうするとボールを奪われ失点する。 いくら上手い選手でも何度もシュートを打たれれば、失点はしてしまう。

⑺分類思考と関連付け思考

府中「部室は綺麗ですねー!整理整頓が行き届いてる。」 竹松「そうだろ。うちのキャプテンはしっかり者だからな。ユニフォームはユニフォーム、練習着は練習着、スパイク、トレーニングシューズ、シンガード(脛当て)、ソックス、コーン、ビブスなどそれぞれのボックスと場所を決めてそこに入れるようにしている。」 府中「そうなんですね!試合の時には何を使うんですか?」 竹松「試合の時には、ユニフォーム、ソックス、スパイク、シンガードだな。」 府中「練習では何を使うんですか??」 竹松

⑻◯と□と↑とギザギザ

府中「では、ホワイトボードに今までのところの情報同士の関係性を描いてみますね。チーム、選手のモチベーションが下がっている。その原因としては実績がなく、人気がないため選手層が薄い。他にも練習をしないから連携やパスワークにミスが出て、失点に繋がる。点も入らないため試合には勝てない。さらにモチベーションが下がると。点が入らない理由として、練習しないから体力が低く、走り切れずに攻め人数がかけれず、シュートが打てない。そもそも練習していないので技術が上がらずシュートの精度が低い。だいた

⑼目標設定

府中「ここまでは情報収集と課題分析をし、計画に落とし込むための思考過程を可視化するためにアローチャートを作成しました。実際の計画について考えていきましょう。」 竹松「実際に日々の練習に落とし込んでいくんだな?」 府中「はい。まずはサッカー部としてこれからどのようにしていきたいかですね。先ほど全国大会優勝というのが夢とおっしゃっていました。そこに向けて目標を立てていきますか?気になることは今の時点では全国大会優勝は、夢のまた夢であることです。まずは東京都の予選を勝ち抜け、東

⑽会議

竹松「ということでキャプテン、それぞれのポジションのリーダーに集まってもらったので紹介する。キャプテンとリーダーは2年に任せている。今年の1年もやる気があるのが多そうで久しぶりにいいチームができそうな予感がする。キャプテンの上田、FW(フォワード)のリーダー鈴木、MF(ミッドフィルダー)のリーダー齋藤、DF(ディフェンス)のリーダー浅見、 GK(ゴールキーパー)のリーダー佐藤だ。この目標設定についてキャプテンの上田、何か意見や感想はあるか?」 上田「正直、東京都大会優勝はハ

(11)PDCAサイクル

私がサッカー部にマネージャーとして加わり、前回の会議を経てホーヤ高校は原因分析を行い、目標設定をそれを阻害している原因を遡及しながら考えていった。 それをもとにそれぞれのポジションリーダーが今自分達に足りない部分を補うための練習メニューに落とし込んだ。 そして練習をする環境や対外試合を設定し、毎日の練習が始まった。その中で新たな◯があることに選手が気付き、アローチャートに加えていった。(挿図3) 選手達はストレッチやクールダウンを怠って慢性的に怪我をしていた。 そのことで選

もしも高校生サッカー部監督がアローチャートを学んだら

はじめに自己満でアローチャートを学ぶための小説を書いてみることにしました。 アローチャートというアセスメント手法を小説を通して学んでいくという本です。 小説に入る前に少しこの本を書こうと思った経緯について自己紹介を合わせてさせていただきますね。 私は介護支援専門員として日々仕事をしています。 介護支援専門員の専門性の一つにアセスメントがあります。 私たちは利用者に対し、困りごとを聞いていきます。情報収集ですね。情報の中には、本人の思いもあります。願いなんて言い方をしたり

自己紹介をさせていただきます。

ライフストーリー(18歳~67歳) 下関市内の県立高校普通科を卒業 進学校を卒業すると殆どの者は大学に行くとは知らなかった あわてて受験勉強をするが時すでに遅く、二浪する 二浪目は流石に親のすねをかじるわけにはいかず神戸市で新聞配達をする 東京都内の大学に潜り込むが、1年で自主退学 自動車修理の仕事を約1年 北九州市門司港で船会社の人事・経理の仕事を約6年間 損保の代理店等自営業をするがうまくいかず 建築関係、イベント関係、トラックの運転手等のフリーターで食いつなぐ 医

アローチャートがうまく描けない

描けない問題 アローチャートは「描けない問題」との戦いの歴史だといっても過言ではないでしょう。 勉強熱心な人ほど描けないとおっしゃいます。あ、失礼しました。描ける方が勉強熱心ではないと言っているのではありません。 懸命になんとか描こう、何とか理解しようとされる人が描けないないからという理由でアローチャートから離れて行く…そんな場面を数多く見てきましたので、私自身、無力感が募るばかりでした。 伝え方が悪い 「伝え方が悪い」真っ先にそう考えて、試行錯誤を繰り返しました。 お