不思議な人々 新田氏を「親中派」と批判する一部のネット右翼

 県知事選に絡んで新田氏を批判する謎の勢力

 告示直前となった富山県知事選。TwitterなどのSNSでは、摩訶不思議な場外乱闘?が起こっている。


 この人物は、新田氏を何度も「親中派」と批判してきたことに、反応がないと文句を言っている。この人物がなぜ新田氏を何度も「親中派」と判断したのか、まとまった意見は述べられていないが、この人物のリツイートやお気に入りの投稿を見てみることで、その思考回路が漠然とだが浮かび上がってきた。

 要するに、新田氏の姉である高橋はるみ氏が「親中派」であるから新田氏も同じ政治思想を持つのだ、という。しかし、なぜ高橋氏が「親中派」と批判されるのか。

 例の北海道土地買収の件である。北海道の土地が中国資本に買収されたことをもとに、当時道知事だった高橋氏が積極的に中国に売り払った、とする陰謀論の類である。北海道は中国で人気の高い観光地であり、土地の買収も投機的な面が強いと考えられるが、一部の保守と名乗る人々の間では中国による侵略だとされている。先のツイートにあった、高橋氏と中国共産党の有力者との写真がその陰謀の根拠の一つらしいが、会談や表敬訪問の際の写真をもとに特別な関係を推測されたとなると、気の毒としか言いようがない。

 またポスターに関しての言いがかりも全くの的外れ。後述するが選挙ポスターに2人で写っているのは、告示前の活動が法に触れないための策。姉が弟を「出馬させた」と断定しているが、どうしてそのような判断に至ったのか、全くもって不明である。新田氏らを「異常」というが、こういう憶測を拡散している方が客観的に見ておかしい。異常なのはいったいどちらなのだろう。

この人物は中国の他国他地域への横暴を、北海道の土地買収という合法的な事業とわざとオーバーラップさせ、悪質な印象操作を行なっている。香港での中国政府の行動は唾棄すべき暴虐であるが、デモ参加者の臓器売買というような怪しいデマを持ち出すのはそもそもメディアリテラシーがあるのか。売られたという情報源は何か。怪しい情報を無責任に拡散するのは、香港での民主主義のために戦っている人々にさえ猜疑の目を招く恐れがある。こういうおどろおどろしい残虐な話と高橋氏を結びつけることで、ネガティブな印象操作を狙っているのならば、悪質というほかない。また、新田氏は高橋氏が「出馬させた」という。これもまた一切根拠がなく、妄想が妄想を呼んでわけのわからない自己完結のデタラメを量産しているのである。


 ある政治家を推している人物の思想が、その政治家本人の思想や信念と関係があるものだろうか。この人物が異様に持ち上げる現職の石井知事は、今回の県知事選挙にあたって公明党や国民民主県連からの推薦を取り付けている。それでは石井隆一氏は公明党と思想が一致しているのであろうか。ご本人は至って本気なのである。

 新田氏が本当に親中派か、という疑問に対して  

一、政策にインバウンドを掲げている

二、姉が親中派で選挙ポスターに一緒に写っている   

 だから新田氏は親中派だ!

 などと意味の通らない主張をしている。インバウンド推進が親中派であるなら、この世はどこもかしこも親中派である。そして選挙ポスター。告示前にはご存知の通り、候補予定者単独のポスターは掲示できない。だからこそ、姉である参議院議員を持ってきて公職選挙法に触れないポスターを制作しているのである。それを知らずに陰謀論に走り、非論理的な結論に至っているのである。

 以上のごとく、高橋氏が首謀者となり中国に土地を売る陰謀に関わっている、という憶測をもとに、弟である新田氏が「親中派」と自動的にレッテル貼りされて、罵られているのである。また、これらのデマにかかわる人々は、告示前には候補予定者単独のポスターを掲示してはならないということを知らないようで、姉と写っているポスターを根拠に、高橋氏を「黒幕」だとしているのである。これは笑えない現実なのである。

 政策を誤読する人々

 こうした危うい推断に基づいて、これらの自称愛国者たちはとんでもない暴論を繰り広げる。




なんと、移住促進を中国からの移民の促進と読み替えて新田氏の政策を批判しているのである。国語能力が問われる問題で、少なくとも初等教育を修了していれば、こんな論理の飛躍が誤りだということは明白であろう。こういう人々が国家や富山県の危機を煽っているのである。愛国者ならば、国語の勉強をまずしてはどうか。他人の意見を聞くこともせずに、なぜこれらの人物は自分の主張が通るのだと思いこむのであろう。根拠のないデマを振りかざし、選挙に関係ない第三者のツイートにまで品のないヤジを入れる。日本を愛するならば、一国民として品格ある行動をしてはどうか。自分の信じ込む正義のために人を傷つけることを何とも思わないこれらのミニ活動家たち。日頃はどのような生活を送っているのであろう。

極左認定の怪

 しかし、まだまだデマは終わらない。

ここに至って、新田氏はもはや「親中派」ではなく、「極左親中派」とされているのである!なんという思想的転回であろうか!なおかつ、地元メディアは印象操作をして新田氏を利しているという。テレビ局を訪れて収録に参加した、という本ツイートに対して言っているのであるが、政見放送というものが何かすら知らないのではないか。再び言おう。これは笑えないが、歴とした現実なのである。  

 そしてこれらの妄想に雁字搦めにされてしまうと、もはや正常にことばを理解することが難しくなる。経済特区の設立が、中国化につながるという。どういう理屈をコネ回したらそうした考えに到るのであろう? 

 経済特区という言葉にかつての中国の改革解放政策を重ね合わせているのであろうか。しかし、特区というものはすでに日本にも富山にも存在しており、中国化などとは関係がない。純粋な経済振興政策までも、中国の大陰謀に結びつけてしまう。思考のスミズミまでに中国が染み込んでいるとは、もはや、中国にメロメロ状態である。

黒幕?

 政治結社の富山支部を標榜しておきながらもこのオソマツ。移民政策など、いったい新田氏のマニフェストのどこから出てくるのか。先に引用したトンチンカンなツイートの発信者の多くはこの結社の支持者のようで、盛んにリツイートやコメントなどを行なっている。ネットという開かれた空間を利用しながら、盲目的にデマを信じることで、かえって閉ざされた言語空間に引きこもる事態に陥っている。こんなテイタラクで政治の何がわかるのであろうか。自分たちの論理の超展開に一瞬たりとも疑問を抱かないのだろうか。

まとめ

 どこからこれらのトンデモ理論が出てくるのか、もはや論理の筋道すら追うことは不可能に近い。こうした人々が訳知り顔で、富山県知事選を好き放題に論評しているのである。ネットは匿名で人々が自由に意見を発表できる場であるが、その匿名性ゆえに過激になりやすい。ここで紹介した人々も、日頃は市井の人として平穏に生活しているのであろうが、何が彼らをこうした反知性的な活動に従事させるのか。いったい誰の意志に従っているのか。これまでにみた憶断はすべて新田氏の名誉を傷つけるものであり、到底表現の自由の範疇と言えぬ中傷だ。平凡な民衆をレイシストや煽動者に変貌させてしまう。政治とは実に恐ろしいものである。

追記

令和2年12月6日現在、ここで取り上げた多くのアカウントが消滅している。ネガティブキャンペーン専用のアカウントだったのであろうか。ただしいくつかのアカウントは名前を多少変えて新規アカウントを運営している。これらのアカウントの活動についても今後また取り上げていきたい。

 




 


 




 

 



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