外山恒一&藤村修の時事放談2019.12.12「進次郎を総理にしてサミットから追放されよう!」(その4)

 【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】

 「その3」から続く〉
 〈全体の構成は「もくじ」参照〉

 かれこれ4年ほど半年おきに続けている、福岡在住の同い年の天皇主義右翼(でもインテリ!)・藤村修氏との〝時事放談〟シリーズである。
 2019年12月12日におこなわれた。
 年末だし〝今年を振り返る〟的な内容だが、過去の対談を今読んでも滅法面白いように、べつに2030年ぐらいになってから読んでも引き続き面白いだろう。

 第4部は原稿用紙21枚分、うち冒頭7枚分は無料でも読める。ただし料金設定(原稿用紙1枚分10円)にはその7枚分も含む。

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 野間易通、「なごやトリエンナーレ」をディスる

藤村 (年表を見て)「あいちトリエンナーレ」問題というテーマもあったな。でも、オレは「あいちトリエンナーレ」のことも「なごやトリエンナーレ」のことも、あんまりよく把握してないんだよね。「なごトリ」については野間(易通)さんが……。

外山 うん、ディスってた。

藤村 一応、スクショを取ってあるんだけど、えーと……これだ(リンクを張ろうと思ったが、野間っち、また凍結されてるのか!?)、「面白系サブカル糞右翼」って書いてる。
 でもよく考えたらこれは外山君をディスってるわけではなくて、外山君の書いた記事にリンクを張って、「なごトリ」が「面白系サブカル糞右翼」であることが「よくわかる記事」というふうに書いてるから、外山君の記事そのものは〝良い資料〟としてホメてるんだ(笑)。

外山 要は直接には「なごトリ」に関係してた民族の意志同盟のことをディスってるわけでしょ。

藤村 外山君を敵に回すと後で恐ろしい目に遭う、バカがバレてしまうということが(「野間易通徹底批判」という大論文を書かれてまったく反論できず)野間さんにも身に沁みて分かったので、外山君に対する直接の悪口はなるべく書かないようにしてるんじゃないかな(笑)。
 だって野間さんはオレすらブロックしてるんだもん。それだけならまだしも、オレがやってるわけでもない「反核男子部」のアカウントまでブロックしてたからね。どんだけ〝外山君界隈〟にビビってんだ、と(笑)。
 ……でも、さっきのツイートに自分でリプライする形で書かれた〝続篇〟のツイートがまた面白いんだ。「トリエンナーレが権威として機能している場合はいいのですが、今の社会状況だともっと大きな力のアシストにしかなってないのですよ。アート界はいまだにそういうのが多いです」っていう。「非常階段」(野間氏イチオシの80年代アングラ系ノイズ・バンド)を絶賛してた奴がこういうことを云うか?
 オレはノイズというジャンルはまったく好きではないけど、もしそういうものに意義があるとすれば、たぶん〝反音楽〟ってことでしょ。つまり〝反芸術〟だよね。

外山 えーと、その野間っちの〝続篇ツイート〟は何を云ってるのかな?

藤村 つまり「あいちトリエンナーレ」が〝権威〟として受け取られてるような社会状況であれば、それにカウンターというか、嫌がらせをやる「なごやトリエンナーレ」の活動にも意味はあるんだけど、もはや「あいちトリエンナーレ」なんてものはネトウヨの〝電凸〟ぐらいのことで簡単に潰せるような、まったく〝権威〟のないものなんだから、それを攻撃したって意味ないし、「もっと大きな力」つまりネトウヨをつけ上がらせているような〝右傾化状況〟を後押しすることにしかならん、と云ってるんでしょう。

外山 なるほど。分かりやすい(笑)。


 今回は〝野間=BUCK-TICK〟説で

藤村 このツイートは、かつて非常階段なんかに入れ込んでたことについての野間さんの〝云い訳〟でもある。つまり、〝音楽〟というものが「権威として機能している」状況では、非常階段みたいなノイズ、〝反音楽〟には意義があった、と。だから自分がかつて非常階段を絶賛してたことは正しかったと云いたいわけだね。しかし、今は〝音楽〟にも何の権威もない時代だから、もはや非常階段のようなものは〝面白系サブカル糞音楽〟にしかなり得ない、ということにもなります。
 オレはこの野間さんのツイートを読んで、バクチクを思い出しましたよ。昔いたでしょ、バクチクっていう〝耽美系〟のバンド(BUCK-TICK。今も活動中)。そのメンバーの1人が麻薬で捕まったことがあって(89年)、もちろんミュージシャンが麻薬をやることについてとやかく云う気はないけど、バンド自体も〝謹慎〟ということで活動休止して、やがて活動再開する時の音楽雑誌のインタビューを読んだら、「ぼくらは平和な世の中がいいと思ってるんです。平和な世の中だからこそ、こんな耽美的な音楽をやることができるんだから」とか云ってるわけです。

外山 けっ、軟弱ミュージシャンが。

藤村 ね、クソでしょ。反逆的なのか耽美的なのか知らんけど、私はそういう音楽を、社会全体が安定しているという前提でやらしてもらってます、みたいなことを云ってるんだからさ。

外山 どうせその程度のものだよ、ロックだの何だの云ってる連中は。

藤村 野間さんの書いてることもバクチクと一緒じゃん(笑)。

外山 サブカル野郎め。

藤村 前回の〝時事放談〟では〝野間=松本人志〟説を提起しましたが、今回は〝野間=バクチク〟説でいこう、と。

外山 野間はバクチクでも聴いてろ。

藤村 だいぶ前に野間さんを佐野元春に喩えて怒られたし、オレもそのことは謝ったんで、もう佐野元春扱いすることはできない。たしかに佐野元春と野間さんはだいぶ違うし、あれは私の野間さんに対する買いかぶりでした(笑)。
 だって佐野元春が、例えば「オレたちの力で政治を変えようぜ」とか云い出したとしても、そんなに違和感ないでしょ。ハマショーが云っても違和感はない。なぜなら彼らのやってる音楽とそういう政治的なスタンスは合ってるからね。ハマショーがシールズのデモの中にいてもとくに違和感は持たないと思う。その政治的立場の是非はともかく、音楽的なスタイルとの相性の問題として。
 ところがバリバリのアングラ・ノイズ・バンドの非常階段がシールズのデモに参加してたとしたら……じっさい反原連系の音楽イベントに参加しているのをオレは動画で見たんだけどさ。

外山 えーっ!?

藤村 非常階段のリーダーのJOJO広重さんって人が、もちろんかなり照れながらだったし、そりゃ照れるに決まってるけど、「みんなで政治を変えようぜ!」とか云ってたんだよ(笑)。

外山 ほんと、サブカルはどうしようもねえな。

藤村 わざとらしくワルぶって、「野間ーっ、5万人集めたからっていい気になってんじゃねーぞ! この倍は集めろ!」って檄を飛ばしたりしてたし、よっぽど恥ずかしいんだろうと思った。パフォーマンス中は、ゆるキャラの〝もんじゅ君〟と戯れてたし……とまあ、今回は野間さんに関してはこれぐらいです(笑)。

外山 ブロックされてるんじゃ、活動もチェックできないよね。

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