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文系人間ほど、プログラミングは向いている件

皆さん、こんばんは。
今日は、最近感動した書籍について、無駄に熱い情念を織り交ぜつつ
皆さんと情報共有したいと思います。

みんなー!文系人間やってるかー?!

これをご覧になっている皆さまは、文系ですか理系ですか。noteはプログラマの方なども数多くされているので、理系の方も多いのでしょうか。この記事を読んでいただけている方は、文系の方かもしれません。

遠山はまごうことなき文系人間です。20数年間、生まれも育ちも文系です。文系・理系の区分は、巷ではなかなか曖昧なところもあるのですが、一般的には数学ができるかどうかで判断しているようです。この記事でも、それを基準として書いています。

さて、文系の方は最近いかがお過ごしですか。肩身の狭い思いはしていませんか。このような奇妙な言い方をするのは、今の日本に蔓延しているこういった風潮のためです。

「理系の人間を増やさなくてはいけない」
「理系の人間が欲しい」
「プログラミングには、理系の人間じゃなくちゃね」

上のセリフは、シーンは異なりますが、実際に聞いたことのあるセリフです。理系の人間を増やす、というのが政府の大綱として発表されて以降、こういった世の風潮はますます強くなってきました。理系偏重の理由としては、科学分野に特化した人間を増やしたいという国の意向があるのでしょう。

ただし、一般的に理系の人間を求める、というのは科学分野の人間が欲しいというよりも、デジタルに強いデータ分析やシステム構築ができる人材が欲しい、というニーズがあるからでしょう。プロダクトやサービスデザインにも、デジタルは避けては通れないところですね。

そこで、3つ目のセリフにあるような、プログラミング技術が広く叫ばれるようになりました。小学校からの義務教育に組み込まれることも決まり、今後は、必修のスキルになることは見えています。

が、このプログラミング、一般的には理系のスキルだとされ、文系=プログラミングには向いていない、ということがまことしやかに囁かれています。

自分も、やりたいな、やらなくちゃなという気持ちはありました。しかし、理系向けのスキルなんだぞ、という奇妙なプレッシャーや自分のコンプレックスも相まって、うまく取り組みづらいところがありました。実際1回、チュートリアルの講義に出たこともありますが、ついていけなかったり、かといって書籍でじっくりやるには中々難しい。そんなところ、こんなツイートが数日前にバズっていました。

元ツイートは、なんと6万いいね!突破。発売前に重版もかかっています。

これ、プログラミングのコード(CPUに作業を依頼するときの命令文)について、翻訳する時のように、日本語として読めるようにふりがなを振ったものです。

これがすばらしい。自分も購入したのですが、するする読めます。

この本の、真実に優れているところは、「ふりがな」という仕組みを用いて、「文系のすでにある知識」の中に、カテゴライズしやすいアプローチを取っているところです。

そもそも、あたらしい知識体系の取得って大変です。「断片的な知識」だけではなくて、体系そのものを新しく脳に入れ込むのは、なかなかに難しい。骨も折れます。まったくとっかかりの無い知識は、その知識のために新しい理論体系を学ばなくてはなりません。これが、プログラミングに親しくない人にとっては、大強敵なのです。純粋に、脳が拒否してしまう

プログラミングを分かりやすく、というアプローチの書籍は他にもいっぱい出ています。しかし、この書籍の最大の違いは、「文系の人がすでに持っている知識」の中に、カテゴライズできるところです。

この本のキーは、コードの意味構造を明らかにするというところです。文法構造は文系の人でも、馴染みの深いものではないでしょうか。特に外国語翻訳をされたことがある方は、とても分かりやすく学べるようになっています。

こういった、既存の知識と似ているところが見つけられると、人は急速に学びやすくなります。たとえば、自転車に乗ったことがある人にとって、バイクの運転はそれほど困難ではなくできるでしょう。または、英語を学んだことのある人は、他の言語も学びやすく感じるものです。

既存の知識に近いところがあれば、脳が拒否せずに学習が進められます。なぜなら、すでにある知識の微修正や追加で、学ぶことができるからです。上記の例で言うと、フランス語を学ぶときに英語を学んだことがある人は、「おっ、英語と同じように主語や目的語は略さないのね」「あー、英語とは違って、目的語は動詞の前に来るのね」という、既存の知識との比較を、我々は自然としています。これにより、新しい体系を無理なく覚えられるようになっています。

いやー、すごいぞ。初心者向け書籍で、分かりやすくという方略は取られてきましたが、「学びやすくする」というアプローチは御見それしました。これだけバズっているのも、同じことを思った人がたくさんいたからでしょう。

・・・というわけで。読もう。買おう。

文系の人はこれを読むと、プログラミングが苦手意識なく学べる、ということの片鱗が、伝わったでしょうか。そして、自分はこれを読んで気づいたことがあります。これ、文系の人の方が向いているんじゃないかしらん。

【理由:】
①関数や計算式を指定するのは、Excelと同じ
②具体的な計算はCPUがやるので、式が正しければよい
③行間を読むなんてしなくていい
④ミスをしていれば、実働できないだけ

いや、数学に強ければそれに越したことはないですが、人間は関数や式を指定してやるだけなので、自分が計算できなくてもいいわけです。これ、Excelと変わりません。関数を指定して、表の数字を計算してもらう作業と変わらない。己が数式を立てて計算する必要はないんだぜ・・・。目的に沿った全体の構造を考えて、ラベリングや式を入力できればいい。

もちろん、統計的手法の計算式は理系的知識に支えられているけれども、具体的な利用シーンでは、「なぜそうなるのか」ではなく「この時はこれを使う」ことだけ知っていれば良い。数学ちんぷんかんぷんの自分に、この本一冊でこう思わせたのは、ほんますごいで。

次、③と④。数学ができないから、文系。でも、文系って何かとんでもないこと処理しなくちゃいけないですよね。言葉に書いていないことを読む、とか前後関係から推測する、感情を読み取る、とか「察する」というやっかいなことを、こなさなさなくてはいけない。文系とは言いつつも、文章に書いてはいないことの読解を求められる。THE理不尽。

しかしながら、プログラミングは!書いたことがすべての世界。
すごい!すごすぎる!!きっちりと書くべきことを書いておけば、ちゃんと理解してくれるのだ・・・、すごいぞ君は・・・。

最強のコミュニケーションがここにある。君のいうことを一言一句、理解してくれるものがあるのだ!もし理解できなかったら、相手がうまく動けないだけ。関係性にひびが入ったり、その後のフォローなんていらない。ああ・・・。

文系の皆もおいでよ。実直なコミニュケーションが、ここにあるぞ。文章の海に身を浸さずとも、コードの波間に答えがあるかもしれない。

文系エージェント、もうちょっと本腰をあげて、プログラミングも学びます。なにか皆さんに共有できそうなことがあれば、また書きますね。

紹介した書籍:スラスラ読める Pythonふりがなプログラミング (ふりがなプログラミングシリーズ) リブロワークス (著), 株式会社ビープラウド (監修)
インプレス (2018/6/22)

(ちなみに弊社プロデュース書籍ではないため、これを書いても1円の利益にもなりません。この記事は、遠山の気持ち悪い情念に支えられています)


記事は基本的に無料公開ですが、もし何か支援したいと思っていただけましたら、頂戴したお金は書籍購入か、進めている企画作業に当てさせて頂きます。