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アル中の父 泊まり客トラウマ

私の記事では、母とのエピソードばかり書いているが、私の実家の惨状を作り出していた大元は、父である。

5年くらい前に亡くなったので、あまり思い出すことはなかったが、いざ思い出してみると、全く家族を顧みないところなど、悪魔的である。

この父という人物、日本の西方のど田舎の高校を卒業後、自衛隊に入隊、数年後に除隊され、その後都内でサラリーマンを定年退職するまで長くやっていた。

働いてはいたのだが、アル中であった。同時に、ヘビースモーカーでもあり、妻子に対してモラハラDVでもあり、ギャンブル中毒でもあった。

ほぼ毎晩、浴びるように酒を飲んで深夜に帰宅していた。母と大喧嘩を繰り返しては、暴力を振るっていた。

私もついでに殴られることがあった。

酩酊し終電に乗り遅れ、1万円以上かけてタクシーで帰って来ることもあった。

酒とタバコとギャンブルでお金を溶かすものだから、うちにはいつも金がなかった。

毎日のように浴びるように酒を飲み、翌日の二日酔いがひどい時は、妻(私の母のこと)に会社に欠勤の電話を入れさせていた(最悪だな)。

これをみて育った私は、夫が欠勤する時には妻が会社に電話するものだと思い込んでしまっていたほどだ。

最もタチが悪いのは、一緒に飲んでいた同僚を、夜中に、何の連絡もなしにうちに連れて来ることが度々あったことだ。そして、うちで酒盛りを始める。

その度に、母は(お客が帰った後で)激昂し、朝目覚めると知らないおじさんがうちで寝ている状況に、子供であった私は恐怖を感じてきた。うちは、狭い狭いマンションの一室なのだった。

あるときは、飲んだ帰りに電車の中で隣の席にたまたま座ったバングラデッシュ人を連れて帰ってきたことがあった。

ど田舎出身で外国人が嫌いな母は、猛烈に怒っていた。

父は、なぜ彼をうちに連れてきたかというと、遠い国から来て、頑張ってるなーと思ったからだ、と言っていた(バカじゃないの?)。

私は、知らない男の人が狭い家の中にいることが、恐怖で仕方なかった。

朝、それら客人に対して「挨拶しろ!」と父に強要されるのも、不愉快で不愉快で仕方なかった。

父は晩年、長年にわたるアルコール摂取が原因と思われる疾患により亡くなった。

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私が結婚する時、夫になる人に一つだけお願いをしておかなくてはならない、と思ったことがある。

それは、「夜中に予告なくお客さんを連れてこないでほしい」ということだった。

私は、真顔でお願いしたのだが、夫はそれを聞くなり、「え?そんなことはしないよ!」と半笑いで答えたのだった。

私は、拍子抜けした。

どうやら、普通の家庭においては、家族に予告なく酔っ払って他人を連れてくる、ということはしないらしいのである。そのことを知ったのは、結婚した時だった。

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私は、いまだに泊まり客を受け入れられない。子供の友達でさえ、ダメなのだ。泊まり客は、絶対に受け付けられないのだ。

泊まり客トラウマ、とでもいうのだろうか。


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