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『さよなら、ブラック』五万年の時を超える男の物語

冲方サミット公式note「日曜日のクルーメイト」の一周年企画「みなさまとともに作る物語」のページです。
4週にわたり投票が行われ、計12企画の中から選ばれたのは、『五万年を旅する男の物語(仮)』。
こちらの記事にてアイディアを練り、物語の骨組みを立て、コンセプト・設定・プロットを少しずつ完成させていきます。

『五万年の時を超える男の物語(仮)』Ver.1.0

更新2022/05/08

【概要】
科学者であり起業家であるブラックは、有人惑星探査プロジェクトへの出資をきっかけに、宇宙への旅を夢見るビーことビアトリクス(ベアトリーチェ)と出会う。
互いに恋に落ちるブラックとビーであったが、あるときビーを乗せて旅立った惑星探査船が、コースを外れて遙か彼方へと消え去ってしまう。
ビーとの再会は絶望的であるかにみえたが、その数ヶ月後、探査船から男性に宛てて、ビーからメッセージが送られていたことが判明する。
メッセージは、
「およそ五万年後、地球上のある地点で待つ」
というもので、具体的な日時と座標が示されていた。

どうして五万年後なのか? ビーにいったい何があったのか? 彼女は何らかの現象に巻き込まれて五万年後の未来に行ってしまったのか?

ブラックは、ビーとの再会を願い、冷凍睡眠などあらゆる手段を講じ、五万年後の地球へと自分を旅立たせることを決意する。

【作品イメージ】


時間を西部劇の開拓地になぞらえ、肉体改造と冷凍睡眠を鞍にたとえ、冷凍睡眠を管理するAIを馬にたとえるなどして、時の旅を表現する。

『ガリバー旅行記』などの異世界旅行ものを、時間旅行ものに置き換え、時代を経るごとにブラックが知る常識とはかけ離れた世界に遭遇する。

五万年後の地球を目指すことが「初の宇宙飛行士」のように英雄的な人類事業と称えられ、国家的な支援がなされる一方で、倫理に反するといった理由で反対する者も現れる。

ブラックは、アクシデントや事件に巻き込まれて目覚めさせられ、そしてまた眠りにつくことで、多くの者たちと出会い、そして別れる、ということを繰り返していく。

【登場人物】

■ジョナサン・ウッドブラック (通称ジョン・ブラック)
科学者でありベンチャー起業家の男性。
様々な技術を使って、五万年後の地球に自分を送り出そうとする。
初期は目覚めるたびに長期リハビリが必要となるが、だんだんと肉体を改造していくにつれ、覚醒後のリハビリが不要となっていく。
彼の肉体のデータは、人工知能バディと、エンデュアランス財団によって管理される。データの参照権を、研究機関や企業に与えることで、ブラックの生命維持システムの運用費がまかなわれる。

■ビアトリクス(ベアトリーチェ)・キャンベル (通称ビー)
科学者であり国際宇宙開発メンバーの女性。
有人惑星探査船クルーとして木星へ向かう途中、船ごと消息を絶つ。
そののちブラックに宛てて謎のメッセージを送るが、本人による送信であるかどうかはわからない。

■バディ AI
ブラックの生命維持システムを管理する自律学習型AI。
システムの頭文字からBADDYと名付けたとブラックは主張するが、実際は昔死んだ愛犬の名である。
ブラックにとっては「時を旅する愛馬(の鞍)であり道連れ」。
知性に目覚めていくが、未来においてAIに代わるシステムが誕生するに伴い、それまでとは異なる存在になっていく。

【組織】

■エンデュアランス財団
北極で長らく眠っていた沈没船の名にちなんだ、ブラックの冷凍睡眠等の維持管理を担う組織。
法的に許可され、紛争等の危険がなく、五万年間は決して地殻変動を起こさないであろう地点に、眠れるブラックを安置する義務を負う。
社会体制の崩壊や、未知の災害などによって、しばしばブラックの体を移動することになる。

■エンデュアランス財団管理者
AIバディが、ブラックから管理権限の多くを委ねられているほか、実務を担う一族が代々職務を受け継ぐ時代もあれば、特定の企業が慈善事業として行う時代もあれば、国家の管理下に置かれる時代もある。

■クローン・ブラック
クローンに労働を肩代わりさせる時代が訪れると、財団の構成員にも、ブラックのクローンが使用されるようになる。

【未来社会】

■超管理社会
今よりずっと個人の管理が進んだ社会。

■超自由主義社会
今よりずっと政府や自治体による制約がなくなった社会。

■後退社会
テクノロジーや文化が、過去よりも後退してしまった社会。

■テクノロジーの発達による常識の変化
倫理観や差別の観念などが、時代を経るごとに変化していく。

■極度の汚染
地球環境が危機的状態にまで汚染されてしまった社会。

■太陽系外からの干渉
未知の知的存在から干渉を受けている社会。


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