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日曜日のクルーメイト#0052 祝・ほぼ一周年!

ハロー、クルーメイト!
なんとおかげさまで当記事がもうすぐ一周年を迎えんとしております。
こうした記事がまったく長続きしなかった自分でも、意外にやれるものだという不思議な自信が芽生えてしまいそうです。
とはいえ、素直に「めでたい」という言葉を連発できないこのご時世。

以前、『第1回のSF作家会議#2』で、個人的に不安に思っていた「アフターコロナの戦争」が、現実に起こってしまいました。
暗澹たる気分にさせられては日常に支障をきたすため、冷静に、どう受け止めるべきか、じっくり考えたいところ。
また、今回のウクライナ侵攻の根底には、「事態をコントロール出来るはず」という幻想を、権力者をはじめ多くの人々が抱いていることが影響しているのではないか、という点について、いずれ独立した記事を書きたいと思っております。

さて。
山積する世界の諸問題に思いを馳せつつも、楽しく素晴らしいことは常に未来にあるという人間としての基本姿勢を貫くべく、本日も元気に参りたいと思います!

本日の宣伝① 『マルドゥック・アノニマス』第41回 掲載!& 第7巻 刊行決定!

今回はこちらをご紹介! 相変わらず超カッコイイ扉絵です!!
都市を手中に収めんとするハンターの存在感のすごさが大スケールで描かれております。犬はナイトメアでしょうか。凶猛な何かが迫っていることを感じさせます。

それにしてもすごいのは、背景の町並みが、まさに今執筆している舞台、マルセル島そのものであるということ。
おかげさまで脳内のビジョンが、より鮮明かつ豊かになりました。すごい。寺田克也さん、ありがとうございます!

惹句のコピーは、ちょっと気が早いことを告げておりますが、現時点でのハンター陣営は、いまやバリバリの闘争状態。

ちなみに、今回の掲載は珍しく、雑誌の大トリの手前です。これまでは後ろの方に掲載されることが少なかったため、おっ、巨匠枠だぞ、などと、おこがましくも喜んでしまいました。

来月発売の7巻のカバーもいよいよ出来上がったとのことで、担当の塩さんが、こんなツイートをしております。

今はまだ御覧頂くことは出来ませんが、確かに、冲方もちら見した限り、シリーズ最高峰に超絶カッコイイ、素晴らしいカバーイラストとなるでしょう! ぜひ発売をお楽しみに!

もう一つ、ハヤカワ文庫について、こんな記事が。

実はこれ、特殊な技術でわざと施しているとのこと。
冲方も改めて文庫の上部を撫でてみたりしましたが、これをあえてやっていると思うと、なんとまあ素敵なこだわりだろうと思ってしまいます。
電子では味わえない「本の手触り」を、ぜひ楽しんで下さい。

本日の宣伝② 猫耳たちが大活躍の『ばいばい、アース』!!

365日、いろんな日があるものですが、これは知りませんでした!
ちなみに冲方は猫派ですが、宇宙には連れて行きません。大型化してこちらが食われるに違いないからです。ちなみに、SF作家会議の第3回で最後の方に出たお題です。

さておき『ばいばい、アース』本編はまさに佳境! 多数のキャラが入り乱れる素晴らしいアクションを、ぜひお楽しみに!

本日の宣伝③

はてさて。
もうそろそろ、あれやこれや発表されるかと思ったのですが、このご時世のため、時期が大きく後ろ倒しになった様子。
年内にも色々とお話できるよう、引き続き執筆に励みたいと思います。

コメント・トーク!

さて、今週もたくさんのコメントありがとうございます。
先週のお題は、「元気になる方法」でした。
さっそくクルーメイトの様々な元気力をご紹介したいと思います。

れねねねさんからのコメントです!
何かを、設計図通りに組み立てる。そしてその成果をしっかり味わう。
これ、確かに良い方法ではないでしょうか。
考えてみれば、冲方も、マイクラの建物をネットで拾った設計図通り作ったり、家具を組み立てたりすることが無性に楽しい。

自分に合った「組み立てキット」を見つけて、心が疲れたときに取り組むのはとても良いかも。

これも確かに……。ときには自分を閉ざすことも、心のバランスを取る上では大事なことだと思います。悩まず寝るにしくはなし。

ホイテロートさんからのコメントです!
ひとまずいろいろ試してみる。これまた大事。何かと試すうちに、複合的な効果が出るかもしれません。
冲方も、ランニングマシンで走りながら、面白い本を読みつつ、楽しい音楽をかけ、そのあと熱々の風呂に入れば、きっと元気になると信じて試していたことがあります。
とはいえ、そうして上手く力がつけばいいのですが、辛いことがぶり返すこともあるのが人間。
元気がないときは、あまりに急激に楽しいひとときを味わってしまわないよう、注意すべきかもしれませんね。

森人さんからのコメントです!

これは冲方もかつてやらかしていた手段。パフェとかキットカットとか大好きで、肉と並ぶ、まさにリアル多幸剤。
糖質制限という言葉が一般化したこの世の中ですが、だからこそより良い、元気になるための砂糖の使い方を心得るべきかもしれません。

シシオリシンシさんからのコメントです!

これも確かに。ただアルコールで気を紛らわすのではなく、おのれの心に元気を注いでくれる物語を摂取するのは、辛いときに大変良い武器になります。
物語とは、人の中にあるものを浮かび上がらせる装置。常に自分に元気を与えてくれる物語を、座右の銘ならぬ座右のメイトにすべきなのでしょう。
「スクール・オブ・ロック」は冲方も好き。
ヘドバンは首痛と酩酊に気をつけ、反吐バンにならぬようご注意を。

まりんすのーさんからのコメントです!

余計なことを考えずに楽しむ手段を、自宅でも外でも、一揃い確保しているのが素晴らしい。
冲方は一時期、趣味がない、映画を観ても勉強気分、外食しても資料を読み続け、寝ても覚めてもプロットについての試行錯誤をやめられない、というひどい有様になって、どんどん元気が失われていったものです。
「考えずに楽しむ」ということを、もっと取り戻さねばならないと思わされました。

Kei.さんからのコメントです!

「笑い」も最強の癒し手段。
そういえば冲方も、「笑える」「腹筋崩壊」などのキーワードでやたらと検索を繰り返したことがあります。
そしてもちろん、「ともに笑い合える」相手がいることは、とても大切。
強力な特効薬を手放さぬよう大事にしたいものですね。

てらにしさんからのコメントです!

なんと! 元気をゲットするための、儀式とその道具を自ら用意してのけるとは。これは、相当な信心というべきではないでしょうか。
自分のスイッチを押すためのキーを、自ら編み出すという発想が素晴らしい。
空間までもが整っていくとは、まさに神話学者ジョーゼフ・キャンベルのいう、全てのしがらみから解放される「精神の孵化場」ではないですか。
冲方も、パソコンのキーボードにしがみついてばかりではなく、自分自身のキーとなる何かを手に入れねばなりません。

tiger88さんからのコメントです!

確かに皮膚感覚は、自分と世界の境界という、大変重要な実感をもたらしてくれます。心地好い感覚は自分が「大きく」なり、不快な感覚は自分が「小さく」なるような気分を味合わせるもの。
自慰という言葉は、何かと性的で後ろめたいものとして扱われがちですが、精神的な治癒のために自身の肉体を感覚することは、とても大事だと思います。
何しろ、「自分の形」そのものなのですから。

新条拓那さんからのコメントです!

ありがとうございます! そう仰って頂けると、厳しい物語を生き抜いた登場人物たちが報われますし、冲方もこの上なく嬉しい気持ちになります。
彼ら/彼女らのように、冲方も打ち克っていきたいもの!

引き続き、新条拓那さんからのコメントです!

こちらは先週の話題、「改行」はどんな塩梅が良いのか、ということで、ある形式についてご紹介を頂きました。
確かに、今よりずっと不便なモニターだった頃の名残かも知れません。
雑誌も、判型によって「こう改行せよ」という主張がだいぶ違った気がしますね。
いまは新たなルールの模索が始まったばかりなのかも。引き続き、試行錯誤してゆきたいものです。

再び森人さんからのコメントです!

チャレンジの逸品! 確かに塩さんがえらく好んでおりました。
そしてカクヨムに自分のアドレスが登録されていないことに今気づきました……。

クランチ文体のきっかけは、「せっかくキーボードにいっぱい記号があるのに全然使ってなくてもったいないなあ」という素朴な気持ちからだったりします。
そうそう。
それで、ヴェロシティのときに、やってみたらいいですよ、と塩さんに勧められたんでした。
それから、はやウン年が過ぎましたが、まだまだ言葉と記号の世界の豊かさを味わい切れておりません。今後も精進あるのみです。

あとがきとお題:どれを一緒に作りたいですか?

今週は、何かとニュース記事に心騒がせられる一週間でした。
きっと次の一週間もだいぶ落ち着かないものになるでしょう。
しかし。
震災のときもそうでしたが、そうしたときこそ自分の務めを忘れず、粛々とそれに励みながら、自分に出来ることを出来る範囲で考えてゆきたいもの。

そんなわけで。
この記事もいよいよ一周年を迎えるにあたり、何か企画を立てられないかと思案いたしました。
執筆の時間をあまり奪われることなく、クルーメイトとの交流の成果を残し、かつ今後につなげられる企画はないものだろうか。
そう考え、はたと、そういえばクルーメイトから頂いた「過去の没企画の墓場企画」を思い出し、いっそ葬るのではなく、大真面目にやってしまうのも良いかもしれない、と思った次第。

すなわち、発表の目処も経っておらず、物語の骨組みすらできていない企画をいくつかクルーメイトに御覧頂き、投票を通して、当記事で実際に組み立てていく企画を決める。
企画の詳細についても、クルーメイトの感想や意見を参考にしつつ、構築していく。自分の心から生まれる自発のものだけで構築せず、けっこうな「他発」を取り込んだ企画に仕立て上げる。
そうしてクルーメイトとともに仕上て上げた企画を、いつかはわかりませんが、一冊の作品として書き上げる
こういうことを真面目にやってみたくなりました。ある種の、企画・執筆大公開です。

さて。
そのためには、まず根幹となるアイディアを選ばねばなりません。
ただ、冲方がストックしているアイディアのファイルを見たところ、何十とあるため、何度かツイートなどで投票を行いたいと思います

というわけで、いきなりですが、クルーメイトに質問です!

下記のアイディアのうち、どれを、ともに作りたいと思いますか?
今週は、「歴史ものVSファンタジー」、タイトルは全てまだ仮題です。

1)硬派な歴史もの:『伊奈忠次(仮)』
戦国から江戸時代にかけて、三代にわたって活躍した伊奈家の男たち。
父子そろって家康に抱えられては「むかついて出奔する」ということを繰り返した末に、本能寺の変で、たまたま再会した家康の伊賀越えに尽力。
豊臣政権時代には徳川家の名代官として活躍。
関ヶ原の合戦を経つつ、「荒廃した関東の再興」という一大難事業に、親子三代の人生を懸けて立ち向かうことに。
「関東を作った伊奈家」の熱血な労働者であり経営者である男たちの三代記となります。

2)ゆるふわ歴史もの:『頼光と四天王 棟梁はおれのはずなんだが日記(仮)』
妖怪退治に夷賊討伐と大活躍の源頼光と四天王
だが頼光は、いざというときに病に伏せったり、自分がいないところで四天王が活躍したりと、このところ肩身が狭い気がしてなりません。
今日も、頼光が用事を命じた渡辺綱が、一条戻橋を渡るついでに軽く鬼女の腕を斬ってきたと聞き、このままでは自分より四天王のほうが目立ってしまうのでは、と心中穏やかでない様子……。
伝説や史実をネタにした、古文を交えての、歴史コメディ連作ものとなります。

3)ファンタジーもの:『トラッシュバスター(仮)
ある月曜日の朝、おれたち兄弟は燃やすゴミに出された
ゴミ捨て場で発見された幼い兄弟。
二人を拾ったのは特殊清掃局員、通称トラッシュバスターの親方。
その頃、人類の最大の敵は、人類が捨てるおびただしいゴミの山から生まれ出る、ツクモと呼ばれる謎の何かだった。
トラッシュバスターとして育てられた兄弟は、やがてツクモの正体や自分たちの出自について意見が分かれ、対立しつつも、絆を深めていく。
ゴミにされ、ゴミと戦う兄弟たちの、ゴミを巡る兄弟げんかと絆の物語
少年漫画的、かつ欧米のファンタジーを意識した物語となります。
兄弟が対立したり、また一緒になったり、また片方出て行ったりといったことを繰り返す、ブラザーフッドものを軸に、それがNetflixの『アーケイン』のように、社会基盤の存続と崩壊にかかわってくると面白いかも。

4)ファンタジーもの:『ドラゴン・ヴァンパイア(仮)』
吸血鬼の始祖ドラキュラの名の意味は「竜の子」。
父子ともに「竜公(ドラクル)」と称されたように、そもそもドラキュラを吸血鬼に変えたのは「竜の血」であった、という新説ヴァンパイア物語
ドラゴンもヴァンパイアも大好きなので、両方いっぺんに書けないものかと思案した結果の設定。
ドラキュラの時代ののち、大航海時代となり、世界各地で発見された竜の血や爪や心臓の化石や鱗といったものが収集されたことで、系統の異なる吸血鬼たちが生まれていった。
不死となり様々な力を身に備えた彼らは、現代にいたるまで「夜の覇権」を争い続けている。
そして現代において、あるときアルバイトの学生の主人公が、遺跡の発掘調査でたまたま「世界最古と思われる竜の心臓」を見つけてしまったことで、世界中の「不死の王」たちから狙われることに。
吸血鬼×特殊能力×世界中のドラゴン」の陰謀やアクションやドラマなど、スケールが大きいものも小さいものも適応できるので、汎用性も高く、いろいろやれるアイディアなのではと思っております。
ドラゴンによっては、大干魃をもたらす炎を放ったり、大洪水を起こしたり、時空をねじ曲げたり、虹の橋を架けたりするのです。ひゅう楽しそう!


他にも、SF、ホラー、ミステリー、現代ものなど、色んなジャンルのアイディアがありますが、ひとまず今週はこの四つ!
後日、投票用のツイートを投稿しますので、ぜひご参加下さい!

さて。
ここ数年、落ち着かないことが日常となってしまった感がありますが、それでも自分の務めを忘れぬよう、日々邁進したいもの。

皆様におかれましては、ぜひ動揺動乱に負けず、健やかな日曜日をお送り下さい。
冲方丁でした。





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