施設の中は、戦いだった。3

弟から聞いた話だと、
男子の中にもいじめはあったようです。
男子は特に暴力的なこと、
パシリに使われることなどで、
目をつけられてしまうと奴隷のような
生活になってしまうようです。
弟は気が弱く、
体も小さい方でしたので、
いつもメソメソと私に助けを
求めてきました。
私は強くなって、弟を守ろうと
心に誓いました。

女子は、一見すると
みんな仲が良いように見えました。
中学3年の子がリーダーで
女子全体を仕切っており、
その下の中学生、小学生と
発言にも年齢が関係していたように思います。

しばらくは、何事もなく
みんな仲良く過ごしていました。
けれども、私の気の強さ、
群れることを避ける行動などが
リーダーの子の怒りに触れたのでしょう。
ある日突然、女子全員から
無視されることになりました。

無視は子供の中だけで行われました。
大人がいると、わざとらしいほど仲良さげに
話しかけてきます。
私はその対応に驚いて無愛想に
してしまうので、
大人から見たら、まるで私が
傍若無人のような態度をとっているように
見えたのでしょう。
いじめを訴えても逆に注意を受ける、
そんな状態でした。

ある時、中学3年の男子が
話しかけてきました。
その男子は、中学生男子のリーダーで
外見はいわゆる不良少年、という感じでした。
誰にも心を許せなかった私は
この男子にも無愛想な態度で接しました。
するとその男子は、私も不良の仲間と
感じたのか、しつこく
交際を迫ってきました。
私は断り続けました。
その男子は、何とか二人きりになろうと
私を呼び出したり、
女子のリーダーに頼んで、女子の部屋に
閉じ込めてきたりして
もう、怖くて怖くて
でも、怖いなんて態度は取れなくて
ますます無愛想になり、
それがまた、突っ張っているように
勘違いさせて、
悪循環になってしまいました。

それから半年、
とにかく頑張りました。
幸い、学校で部活に熱中することが
できたので、
それだけが救いでした。

中学3年生は卒業しました。
怖い日々は終わりました。
当時は、高校に進学する子は少なく、
みんな中卒で就職していました。

その後も新しく入ってきた子たちの
いじめはありましたが、
私は誰もいじめず、無視もしなかったので
いつの間にかそばにいる子達も増えて、
女子はふたつに分裂しましたが、
特に気にすることもなく過ごしました。

子供同士のいじめの戦いも
当時の自分にとっては辛かったですが、
子供たちを守ってくれるはずの職員の方が
恐ろしかったです。

続きます。

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