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探究する探究者 vol.2「問い出し・問いかけ」
「探究する探究者」では、私自身の経験と探究学習に関する書籍を元にして、探究学習に伴走する人に向けた情報をまとめていきます。
探究に関わる中でよく用いられる単語についての解釈や、実践での心構えについてお話していきます。
実際に現場に立っているけれど、探究学習に関わることに少し疑問や不安のある方は必見です!
第2回のテーマは「問い出し・問いかけ」です。
今回はもう少し具体的かつ、良い問いかけってなんなのか?何に気をつければいいかについて書いていきます。
(問い出し・問いかけ、特に2つの言葉の意味の違いは無いものとして考えています。どっちも使うときがあるので)
第1回目に「問い出し」ってなんだ?
ということは以下のようにまとめました。
探究学習を伴走するに当たって、最も重要なのがこの問い出しです。
生徒自身がどこに悩んでいるのか、この先どのように進むべきか分からない。そんな時は頭の中を整理するために質問をします。
探究を進めていく中で、何に困っているかも分からない状況に生徒が陥ることがあります。そういう時に隣で壁打ち相手として話を聞き、丁寧に質問をして行くことで、絡まった紐を解いていくことができます。
伴走者にとってはこの問いかけが唯一の武器といっても過言ではありません。問いかけに始まり、問いかけに終わると思ってます。
そんな問いってなんだ~というところに迫っていきましょう!
よい問いかけとは何か?
よい問いかけと聞いて、みなさんはどんなことを考えるでしょうか?
10秒ほど目を閉じて考えてみてください。
10、9、8、、、、
思いついたでしょうか?
よい問いかけとは何か、僕なりの答えとしては、
手と頭が動くような問いです。
質問されて答えるうちにアイデアが浮かんできたり、
思わず自分の発言をメモしたくなったり、
何か調べたくなったり、
何か作りたくなったり。
手と頭が動けば、それはどんな問もよい問いだと言えます。
そこまでハードルが高い訳ではありません。
逆に悪い問いというのは、手も頭も動かない問いです。
高校生に問いかけてみるものの、「反応が薄かった」というものは悪い問いと言えるでしょう。
とはいえ、人によって同じ質問を受けても感じ方や受け取り方は違うものです。
なので、必ずしも悪い問いが悪い訳ではありません。その人とそのタイミングがマッチしていないために起きたことです。
このミスマッチを減らすにはどうすればいいのでしょうか。
それは問いかけには2種類あることを理解することが大切です。
問いかけには2種類ある
問いかけには
興味を引き立てる問い
掘り下げる問い
の2種類があります。
興味を引き立てる問い
興味を引き立てるというのは、面白そう!やってみたい!なにそれ?どういうこと?を思わせるということです。
イメージとして興味は外にあるものと考えます。
やってみたら面白そうだからやってみよう。
よく分かんないから調べてみよう。
自分で考えるだけでは仕方がないから聞いてみよう。
外への意識を向ける、自分自身にないものを引き出す問いとも言えます。
例えば、
こういうのもあるんじゃない?
こういう考え方もあるよ!
これ知ってる?
他にはどういうのがあるかな?
といった具合に自分自身で思いつかないところへアプローチしたいとき、つまりより広い視点で考えたほうがよい、と感じた時に使いたい問いです。
掘り下げる問い
掘り下げるとは何を掘り下げるのでしょうか。
自身の内に秘めた想い
気づいていない考え
テーマにした理由やきっかけ
本当にしたいこと、やりたくないこと
自身に内在するものを深ぼっていく問いです。
例えば、
このテーマにしたきっかけは?
どういうところに興味があるの?おもしろそう?
これを一生やれって言われたらする?
とりあえずこれやっとけばいい顔されるだろうって思ってない?
自分で例をあげといて、何か生徒を責めるような問いばっかりになってしまった。
とはいえ、掘り下げるということは、自分と向き合うということなので、知らない自分に気づくためや、思考を深めるためにも「ギクっ」となるような問いも時には必要です。
問いは深さも重要
興味を引き立てる問い、掘り下げる問いに共通して言えるのは、問いには深さもあるということ。
浅い質問、ライトな質問は、頭働かせなくても即答できるもの。
りんごは好きですか?は浅い問いですよね。
Yes,Noで答えられるものはだいたいこっちですね。
深い質問、ヘビーな質問は頭を働かせないと思いつかないもの。
りんごの何が好きですか?は深い質問ですね。
5W1Hで答えられるものはこっち寄りです。
(What, Where, When, Why, Who, How)
とはいえ、Yes,Noでも深い問いもあれば、5Wでも浅い質問はあります。
あなたが人生で大切にしたいものは時間ですか?
という質問は、すぐには答えにくいですよね。
反対に、
好きなフルーツは何ですか?
という質問は、簡単ですよね。
なので、イメージではあるものの、答えやすいものから生徒に答えてもらい、情報がある程度出てきたタイミングで深い問いかけをすると考えが深まりやすく、出てきやすいです。
まとめ
問いには
興味を引き立てる
掘り下げる
問いの2種類があり、それぞれに深さがある。
それらを生徒を見ながら、まだ今は掘り下げてから外に意識を持っていってもらおう。
深ぼっても出てこないから、とりあえず調べてもらったほうが進みそうだな。
ということを見極めながら問い出しをしていきます。
最初の話でよい問いとは、
手と頭が動くような問い、だと言いました。
動かしてもらうには、今どういうことを問いかけるべきかを判断しながら声かけをします。
外れることもあるし、混乱させることもあるでしょう。
でもこればっかりは慣れとしか言えないし、その人のタイプにも寄ります。
そのため大切なのは、どういう問いかけをしたときに上手くいったのか、情報を蓄積することです。
外に意識を向けすぎても、話が膨らみすぎたり、調べものが多くなりすぎることもあります。
内に意識を向けすぎると、楽しくなくなってくることだってあります。
バランスが大切!という聞こえのいい言葉を置いて、あとは実践あるのみです!
ちなみに僕もできてないです。
難しい~、ミスった~!って心で叫びながら、とにかく蓄積する日々です。
今回はここまで!最後まで読んでくださってありがとうございました!
次回もお楽しみに~
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