安宅和人さんのSFCのData Scienceの授業が公開されている (2/X)
安宅和人さんのSFCのData Scienceの授業が公開されています。
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EMERGENCE OF DATA DRIVEN SOCIETY AND STRATEGY - KEIO SFC Global Campus
http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/class/class_top.cgi?2019_41574+e
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基礎編=not basic but FUNDAMENTAL
毎週見てしまっています。というかちょっとびっくりするくらい素晴らしいです。全人類とはいいませんが、全大学生に受けて欲しい水準です。安宅さんが基礎編の方が重要と仰っていたのですが、これを精緻化すると"基礎編=not basic but FUNDAMENTAL"だからだと思います。最も重要なことを解説しているということで、難易度の低いことを行っているということではないです。英語の教科書を選ぶ時に気をつけなければいけない点ですね。
講義中、安宅さんがあまりに珠玉の一言をバンバン言うのでメモを取りまくっています。
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・気づきとは「新規事項と既存事項の結びつきを見出すこと」
分析とは
・分析とは (*超重要)
1. 分析とは「比較」
2. 比べるべき対象がないと何も言えない
3. 単に定量的に数字を並べているだけか、意味のある比較が出来ているかが、「単なる数字の羅列」と「分析」の違い
4.通常は可視化しないとクリアに比較できない
・分析が機能するには「何に対して答えを出そうとしているか」が極めて重要
・分析設計は、目的設定、条件軸と評価軸の掛け合わせ
・定量分析の基本は、比較・構成・変化の3つ
・分析のコンセプトが明快なら表現の型は簡単に決まる
「データを整理することは分析ではありませんよー」
・綺麗なデータを集めることが出来るのがプロ(解析はある程度誰でも出来る)
・分析設計の要素
1. 特徴についての仮説・視点
2. 条件軸
3. 評価軸
4. グラフ・分析結果のイメージ
5. データの種類・属性の刻み・データ量
分析フローの全体像
データを使う目的は3つ
1. 客観的理解
2. モデル作成
3. 自動化
良い分析の条件
1. 目的がクリア
2. 適切な比較のための軸がある
3. 評価軸の広がりに十分な意味深さがある
4. 比較がフェア
5. 意味合いがクリア
・ドメイン知識がなければ、データ解析は出来ないタンパク質のシーケンスデータを例に説明されますが、これは本当に重要な真実です
分析において一番重要なのはAとBが違うということを見分ける能力
・こういう「本物の定義」にふれる為にぼくらは大量の本を読み、多くの方の話を聞かなければならないのです
データサイエンスとは
データサイエンスは特別な職種の為のものだけじゃない
高速道路の最初の100kmに事故の数が非常に多いのは何故でしょうか?と聞かれて、即答出来ますでしょうか (即答出来るのが大事です)。これは数字に関するセンスの問題なのです。
・Big dataの本質はLong tail・聞いたことがあるとわかっているはまったく違う。わかるとできるは更に違う
・統計数理はデータを理解し、表現し、モデルを組むために不可欠
・アウトプットの価値は意味のある変化を生み出すかで判断出来る
・データは鮮度で価値が変わる
・メッシュの細かさでも価値は変わる
・全量データのもつロングテールからサンプリングでは取れない価値が生まれる
・データは複雑な解析などせずとも可視化するだけで価値がある
・未来といえどもパタンさえ見出しモデルをつくれば予測は可能
・モデル化できれば自動化できる
・ドメイン知識がないとデータは読めない(←コンサルタントはほんと傾聴すべき)
事業での典型的なデータ利用
1. 戦略的な判断を行う
2. マーケティングの実行
3. デジタルサービス
戦略的な判断を行うために行われるデータ利用
1. 状況を定量的に判断する
2. 状況の要因を知る
3. 更に深い洞察を得る
4.戦略的な意思決定をする
マーケティングとは
マーケティングとは何か
マーケティングとは基本的には市場との対話。市場の声を聞いて、適切なサービスをつくって、フィードバックをもとに最適化していくこと。広告はマーケティングの必要要素ですらない。
マーケテイング的な事業の見方と課題
1. 価値の選択(ニーズ、購買要因、ターゲットセグメント、提供価値)
2. 価値の創造(調達・製造、物流・配送、サービス提供、価格最適化)
3. 価値の伝達(需要予測、在庫最適化、広告、販促・PR)
4. 顧客を育成する(正しい顧客育成、顧客価値の把握、ユーザー別の価値と満足度の測定、管理)
名著の『統計で嘘をつく方』が紹介されてました。安宅さんも好きなんだなとか思ったり。
統計で嘘をつく方
https://amzn.to/32FBoSs
しかしSFCってこんな素晴らしい大学だったんですね、と同時に社会人は簡単に大学に行くのも難しいのでMOOCSの活用はホント重要です。MIT/Stanfordばかり見てきましたが、日本からもぶっちぎりのキラーコンテンツが遂に出ました。
応用編もありますが、あまりに素晴らしいので今後blogで書いていきます。
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EMERGENCE OF DATA DRIVEN SOCIETY AND STRATEGY (ADVANCED)
http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/class/class_top.cgi?2019_41847+e
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シンニホンがベストセラーですが、本講座を教科書化するそうです。めちゃくちゃ楽しみですね。日本人の戦略家では安宅さんと濱口さんが二大巨頭ですね。
関連記事
戦略ファーム時代に読んだ700冊のまとめ *随時更新
https://digitaldigital.hatenablog.com/entry/2020/07/07/195838
過去記事
・安宅和人さんのSFCのData Scienceの授業が公開されている (1/X)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2019/10/sfcdata-science.html?q=sfc
・安宅和人さんのSFCのData Scienceの授業が公開されている (3/X)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2019/10/sfcdata-science-3x.html?q=sfc
・安宅和人さんのSFCのData Scienceの授業が公開されている (4/X)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2019/11/sfcdata-science-4x.html?q=sfc
・安宅和人さんのSFCのData Scienceの授業が公開されている (5/X)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2019/11/sfcdata-science-6x.html
・安宅和人さんのSFCのData Scienceの授業が公開されている (6/X)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2019/12/sfcdata-science-6x.html?q=sfc
・安宅和人さんのSFCのData Scienceの授業が公開されている (7/X)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2020/01/sfcdata-science-6x.html?q=sfc
・Shift 濱口秀司 (著) - イノベーションの最高の教科書 (1/)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2019/08/shifthideshihamaguchi.html
・Shift 濱口秀司 (著) - イノベーションの最高の教科書 (2/)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2019/08/shift-2hideshihamaguchi.html
・Shift 濱口秀司 (著) - イノベーションの最高の教科書 (3/)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2019/08/shift-3hideshihamaguchi.html
・Shift 濱口秀司 (著) - イノベーションの最高の教科書 (4/)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2019/10/4hideshihamaguchi.html?q=shift
・Shift 濱口秀司 (著) - イノベーションの最高の教科書 (5/)
https://touya-fujitani.blogspot.com/2020/03/shift-5.html
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