見出し画像

『アオアシ』が戦略ファームの話にしか見えない (1/X)

『アオアシ』という漫画にとてもはまっています。

アオアシ
https://amzn.to/2G1GpL9

画像1

このマンガは一見すると、王道スポ根マンガに見えるのですがそういう「よくある」マンガ」とは一線を画しています。というか、ぼくにはこのマンガはファームの話にしか読めません。

ぼくはこのマンガがファームの話にしか見えないのはどうしてだろうと思っていたのですが、それはこの1点に尽きます。

主人公は何らかの「発見」または「理解」をしなければ成長出来ない

ぼくはそんなに漫画に詳しいわけではないのですが、この手の漫画というのは主人公がとんでもなく厳しい訓練にひたすら耐えていたら強くなったとか、伝説的な師匠に出会ったら強くしてもらえたみたいな話が多いと思います。が、このマンガはそういうストーリーにはなっていません。

主人公が成長するタイミングというのは、周りを「観察」して何かを「発見」して「仮説」を立て「試行」した時です。ここが非常にファーム的だなと思ってしまいます。

ファームの仕事では、仮説が非常に喧伝されますしそれはまったく間違っていませんが、個人的には仮説の前に「観察」があると思っています。これはファームというちょっと変わった場所だけではなく、例えば学生でもまったく同じです。ぼくはボランティアで大学受験を教えているのですがいつも思うのは、例えば「英文を読んでいるようで、まったく読んでいない」ということです。単に英文法に正しく則って読んでいないとかそういうことではなくて、「見ているつもりで、まったく見ていない」のです。要は観察出来ていない。これは英語に限らず、数学でも物理でもまったく同じです。「まず見れるようになること」が非常に重要で、ここがすべての起点となります。ぼくが「観察」が「仮説」と同等かそれ以上に重要だと思うのは、それが最初の起点だからなんですね。

といったことがこのマンガでは非常に鮮やかに描かれるので、ぼくに刺さるんですね。どうやったら「見れる」ようになるかって、教えられません。体験的な知性だからです。とにかく見ようとして、見まくるのしかないのですが、そこが描かれるから面白いんですね。

各巻ほんとうに毎回面白いです。観察、基礎理論の理解、劇的な成長の3ステップ がファームでの成長と非常に似ています。どの話においても大抵はこういう流れになっています。

主人公の成長フロー
1.主人公は「発見」をした時に劇的な成長をする
2. そして、「発見」は地獄みたいな特訓ではなく「徹底した他者の観察」をした際にもたらされる 

例えば、5巻で、主人公がチームメイトを「観察」することによって、「発見」をして、「他者のニーズを満たすこと」によって、最終的に劇的に自己のパフォーマンスが上がるシーン。ファームと一緒です。

アオアシ5巻
https://amzn.to/3b01Mtt

画像2

画像3

13巻もいいです。主人公が圧倒的な存在を前に「考えろ」と何度も自分に問いかけるシーン、昔を思い出す。そして思考の重心は自分が活躍するから「他者にニーズを満たす」に移っています。思考が感覚にうつっていく描写もいいです。ぼくもいつも、戦略は「最初は、なんとなく思いつくもの」だと思っています。論理的な部分は他者への説明の為のものでしかない。一気に全部読んでしまいました。

アオアシ13巻
https://amzn.to/2zafFrD

スクリーンショット 2020-05-04 19.31.46

画像5

Digital, digital and digital
https://touya-fujitani.blogspot.com

この記事が参加している募集

私のイチオシ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?