宇津保物語を読む2 藤原の君#10
三春高基の紹介。その徹底した吝嗇生活その2 三春大臣のお住まいになるところは、七条大路のあたりに2町の広さで、4面に蔵を建てて並べている。住んでいらっしゃる建物は、3間の茅葺きで、片方は崩れており、蔀は編んで作っている。周囲は檜垣がめぐらしてあり、長屋が一つ。侍所、小舎人所、ちょう店、酒殿がある。御殿のあたりは、蔀の近くまで畑を作っている。殿に仕える者は、上下の区別無く鋤、鍬を持って畑を作る。大臣自身が畑仕事をしないだけである。こんな様子を見てある人が、
「蔀の近くまで畑を作