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宇津保物語を読む

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宇津保物語を訳しながら読んでいきます。
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2022年6月の記事一覧

宇津保物語を読む2 藤原の君#16

実忠、兵衛の君を介してあて宮に歌を贈る こうして、例の宰相(実忠)は、兵衛の君を呼んで、…

宇津保物語を読む2 藤原の君#15

真菅、長門を介してあて宮に文を届ける こうして老婆は長門を帥殿の所へと連れて行く。 帥殿…

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宇津保物語を読む2 藤原の君#14

滋野真菅、あて宮を望み、嫗に仲介を頼む 太宰の先の帥、滋野真菅という宰相は、60歳ほどで、…

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宇津保物語を読む2 藤原の君#13

良岑行政、唐より帰国して兵衛佐となる また、亡くなった良岑の四位のひとりっ子、花園という…

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宇津保物語を読む2 藤原の君#12

仲澄、あて宮に歌を贈るが返歌なし こうして四月になった。 侍従の君(仲澄)は、まだあて宮…

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宇津保物語を読む2 藤原の君#11

高基、あて宮を望み、宮内の君を語らう こうして、日々をお過ごしになるうちに、このあて宮の…

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宇津保物語を読む2 藤原の君#10

三春高基の紹介。その徹底した吝嗇生活その2 三春大臣のお住まいになるところは、七条大路のあたりに2町の広さで、4面に蔵を建てて並べている。住んでいらっしゃる建物は、3間の茅葺きで、片方は崩れており、蔀は編んで作っている。周囲は檜垣がめぐらしてあり、長屋が一つ。侍所、小舎人所、ちょう店、酒殿がある。御殿のあたりは、蔀の近くまで畑を作っている。殿に仕える者は、上下の区別無く鋤、鍬を持って畑を作る。大臣自身が畑仕事をしないだけである。こんな様子を見てある人が、 「蔀の近くまで畑を作

宇津保物語を読む2 藤原の君#9

三春高基の紹介。その徹底した吝嗇生活 さて、身分の低い女から生まれた帝の御子で、「三春」…