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40代で遺言書を初めて書いた。その理由について③

前回の記事はこちら。

<私が遺言書を書いた3つの理由>

①残される家族のため
②自分の人生を大切にするため
③資産運用の戦略を決めるため

の②と③についてです。

②自分の人生を大切にするため

ちょっとこの理由はエモーショナルになりますが(エモくなりますが)、人は必ずいつかは死にます。そして、与えられた1日24時間は誰しも平等ですし、いつ死ぬかについて、誰も分かりません。

一度きりの人生で何をしたいのか、限られた時間をどう使いたいのかを考えることはとても大切です。そして我々には一定の選択の自由があります。誰と過ごすのか、何の仕事をするのか、何の趣味に時間を使うのか、などなど。

私はまだ40代ですが、より人生を長く生きている先輩の話を聞いたり、以下のようなサイトで「人生で後悔したこと」を目にします。以下のサイトでは80代になると実感する人生で後悔すること9選ではこうなっていました。https://sup.wellness-support.net/column/2023/04/29/life-repentance/

  1. 勉強し続けなかったこと

  2. やりたいことに挑戦しなかったこと

  3. 周りの目を気にし過ぎたこと

  4. 健康に気を配らなかったこと

  5. 家族を大切にしなかったこと

  6. 自分の気持ちを素直に伝えられなかったこと

  7. 友人と疎遠になってしまったこと

  8. 旅行できなかったこと

  9. 定年で仕事をやめたこと

後悔しない人生を歩むことが、最善の生き方ではないのかもしれませんが、こうやってみると40歳代で既に当てはまることもあるなぁと思ったりします。私の場合は、3.周りの目を気にしすぎたこと(無意識に気にしていた。人と比べたりすることで不幸になっていたことは多い気がします)、4. 健康に気を配らなかったこと(今は一応は健康ですが、自分の欲望と目標の区別がつかず、欲望のために健康を犠牲にした事が明らかにありました。一度、体を壊すと何らかの後遺症が残ります)は、今でも反省をしています。3と4は、僕目線では割と似ていて、「お金や肩書きや名誉など」分かりやすいもの欲しいという欲望に振り回されていた期間がありました。人と比べられるものに幸せがあると思っていた、自分が幸せになるためには人の承認が必要だった、という点かもしれません。

過去の自分の経験から、5年も経てば価値観ややりたい事は、どんどん変化すると思います。10代や20代の頃から、興味があった仕事、好きな食べ物や、余暇の過ごし方まで、今までもガラッと変わりました。これは今後もそうであろうと思います。

一方で、40代になり、やっと「自分がどういう状態であれば幸せか、不幸せか」、最近の言葉でいうとウェルビーイング(良い状態)が何かは、少しづつ掴んできていると思います。また、自分の体力自体は生物として確実に落ちているし、反面で社会的責任も増えてきています。よって、1日のエネルギーを何に使うのか、1年のエネルギーを何に充てるのかは、より真剣に向き合いたいと思うようになってきています

ハピネス論では、人生の幸せのボトムは30代〜40代という分析が多いです。理由は仕事や子育てなど「とにかく忙しいから」となるようですが、そんなどん底こそ、自分の死を意識することは周囲の環境に降らされず地に足をつけて生きていくための大切な要素に思います。

宗教とは、死について考える学問でもあり、先人たちが生み出したイノベーションです。身近に死を意識する儀式や考え方に触れれば、人生の軸を崩さずに、世辞辛い世の中を生きていくことができるのだと解釈しています。

私は無意識の神道信仰以外は、これといって宗教には深く触れていないのですが、遺言書はそんな自分に死生観の軸を持たせる良い方法だと思います。これが遺言書を書いた二つ目の理由です。

③資産運用の戦略を決めるため

最期は、こちら投資戦略を固めるためです。人生で本当にやりたいことを見つけたとして、そのための制約条件を突き詰めていくと「お金と時間と健康」に行き着くでしょう。

そして、この3つのバランスを考えていくことで、自分がやるべき資産運用の戦略が決定されていき、その行動に迷いが消えていきます。なお、私は一年で億り人とかの無茶な資産運用やギャンブルまがいのこと(極めて能力の高い0.01%の人が達成できる投機)は一才しません。

私にとっての仕事や資産運用は、お金の無限増殖のためにやるものではないです。お金はあればあっただけ良いとも全く思いません。社会的な出世や、より上のソーシャルクラスに属したいとも思いませんし、お金を墓場まで持って行きたいとか子孫に多額の財産を残してあげたい、とも思いません(これは遺書を書くプロセスで固めていったことでもありますが)。

ただし、やりたいことは色々とあります。Die with Zeroという本が世間に大きな影響を与えましたが、自分の人生の幸福度を軸に、必要な資金を得るための資産運用とその取り崩しは確実にしていきたいと思います。

人生の目標が定まらなければ、お金の運用の作戦など立てられないとも思います。遺書を書くことで、人生において大切にすることと目標が決まる、それによって資産運用という長い航海が可能になる。これが遺書を書いた3つめの理由です。

ちなみに、私がやってる資産運用は、、、

長期の国際分散投資がコア部分です。財産権が強く守られている西側の先進国の国債と上場株式によるポートフォリオをコアとします(CML上の線を作るという超セオリー通りで、投資信託でポジションを取れます)。そして、長期的にそれらの世界の国債や株式への分散投資よりも、明らかにリスク・リターンのバランスが魅力的な案件が見つかったときにのみ(それは社会貢献度が高いことが多いのですが)、何らかの個別案件に投資をする可能性があります。これらは、投資のしっかりした基準をもって日々を過ごしていると、ふとした時に出会えるもので、血眼に探すなりしてはむしろ失敗すると思っています。個別企業の株、国内外の不動産、ワインやアートなど様々ですが。

いずれにしても、遺書を通じて自分の人生を固めてこそ、資産運用の戦略も固まっていくと思います。

若いうちから遺書を書くことは、まだまだ一般的ではないと思いますが、あと数十年後にはそれが当たり前になっていると思っています。今回利用した、自筆遺言保管制度はとても良い制度と思うので、皆さんも是非とも検討してみてください。

ではでは。




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