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人間の持つ承認欲求と嘘、そしてAI。

昨年から続くAIブーム。
2023年の「新語・流行語大賞」のトップテンに「生成AI」が入り、
株式市場では関連銘柄筆頭のエヌビディアの時価総額が3兆ドルを突破。
マイクロソフト、アップルに並ぶ巨大企業となりました。

今年は芥川賞を受賞した九段理絵さんが執筆にAIを活用したことも話題になりました。
画像や小説のみならず運用の世界でもAIを使った投資商品が数多く販売されています。


SBIラップ AI投資コース パフォーマンス

上はSBIのAIラップのパフォーマンス。
一般的なロボアドバイザーの+139%に比べてAIラップは+216%とパフォーマンスは好調に見えます。

しかし、注意しなければならないのは実績期間は赤枠で囲ってある2022年4月7日~2024年3月29日の期間。

このパフォーマンスだけを見ると一般的なロボアドバイザーとほぼ変わりません。

それに肝心なベンチマーク(日経平均株価、TOPIX)が表示されていない点が気になりましたので、詳細を調べました。

SBIラップ AI投資コース パフォーマンス

SBIのAIラップの稼働後のリターンは22.27%と、一般的なロボアドバイザーに劣っています。
TOPIXは46.26%ですから、両者を大きく上回っています。

バックテストは良かったのに、いざ稼働するとパフォーマンスが悪化するというのはシストレあるある。

今後、稼働を続けていけばAIラップが逆転する可能性もありますので今の結果だけを切り取るのは良くありませんが、
やはり幾らAIを活用したデータに基づいて運用してもベンチマークを上回るのは難しいということが良く分かります。

生成AIというワードが広まったのは昨年からですが、AIそのものは馴染みのある言葉でした。

私がまだ中学生だった1990年に発売されたゲーム、ドラゴンクエストⅣでも戦闘コマンドにAIが搭載され話題になりました。
ただ、ドラゴンクエストⅣでAIを使ってゲームを楽しんでいる友人は殆どいませんでした。

AIが不可解な選択肢を選ぶことも多かったですし、
やはりRPGゲームは自分で選択肢を決定し、好きに戦うのが醍醐味。

AIにそれを投げてしまっては全く面白くありません。

それは恐らく小説やイラストの制作も似た部分があるでしょう。ただ、運用をゲームとして楽しめる方は多くないようです。

生成AIが話題になるかなり前から自動売買のロボアドバイザーが存在していましたし、
ロボアドバイザーが出る前にもシステムトレードの需要がありました。

私も高パフォーマンスを謳っていた有料のAI売買シグナルを購入して稼働せず実際の成績を確認したこともあります。

・・・しかし、運用成績はさっぱりでした。

AIは今後も学習し続けるでしょうし、可能性を秘めているのは間違いありません。

ただ、現時点での私のAIに対する感想は「過剰反応しすぎじゃねぇか?」です。

上のAIラップの成績もそうですし、昨年弊社の事務にAIを使ってブログを書かせたところ、文法は完全に破綻していました。

そのうえMACDのことをマクダフと解説するなど誤記が多々あり見るに堪えない内容でした。

ご覧頂いた会員の方からクレームを頂戴して私が全部削除したという経緯もあります。

結局、AIを使う人間にリテラシーや感性が備わっていないと、
平凡なもの、或いは平凡以下のものが出来上がるだけで、突出した何かを生み出すことはないのではないかと感じています。

件の九段理絵さん(くだんとかけた訳ではありません)の小説はあくまでもAIを活用としたといっても10%程度の使用ということで、補完、補助レベル。
九段さんは2017年の文學界新人賞の最終候補に残るなど、AIを駆使する以前から力量のある小説家でした。

いま投資界隈では詐欺の話題が盛んですが、AIで負け無しとか誇大広告を謳った詐欺も今後は横向するでしょう。

負け無し、元本保証・・・ありえへんがな。

繰り返します、ウマイ話はありません。

また、何でもかんでも逆張りするつもりはありませんが相場観や銘柄選定も、巷に溢れている意見と全く同じでは何も面白くありません。

そもそも、積立投信やっとけというなら投資顧問いりませんから(笑)

投資顧問やるうえに空売りの助言もする以上、少数派にならなければならない局面は必ずあります。

ですので、時には勇気を持ってAIの判断に向かいたいと思います。

あ、このnoteですが、AIに書かせて「私が書きました」という詐欺はしません。

稚拙な部分もありますが、生の声を書かねば意味がないと考えています。

実直に取り組みますので宜しくお願いします^^







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