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もう六月中旬! インプットしたものまとめ~小説~

今年ももう半分になったので、インプットしたものを記録の意味も込めて記事にしていきたいと思います。前回の記事はこちら▼

1月の読書

・伝え合う言葉中学国語 2
・神道概説
・人生が変わる 感情のクリアリング

一月は主に自身の知識の幅を広げるために読んだものでした。
国語の教科書を読んだ理由は、文章を書く人間の端くれとして基礎をもう一度振り返りたいと思ったからです。
神道の本は単純に神道について興味があったからです。熱心に勉強しているわけではりませんが、図書館で目に付いた本をパラパラとめくって、為になりそうな箇所はメモしたりしました。
「感情のコントロールができるようになりたいな」と考えて購入した本でした。この本を読んで私が感じたことは、「心を抑圧して育ってしまうと、本当に自分がやりたかったことがなんなのか、わからなくなってしまう」ということでした。

2月の読書

稀色の仮面後宮 海神の贄姫は謎に挑む

著者:松藤かるり 文庫:富士見L文庫
二月は忙しかったのか、「稀色の仮面後宮」しか読んでいませんでした。あまり後宮モノは読まないので、楽しめるのか不安でしたが、杞憂に終わりました。とても面白かったです。仮面を被る文化を根付かせた不死帝の設定と主人公である珠蘭の色覚異常瞬間記憶能力の設定に惹き込まれ、読む手が止まらない一冊になりました。

3月の読書

茜色の記憶

著者:みのりfrom三月のパンタシア 文庫:スターツ出版文庫
ずっと積読の状態だった一冊です。スターツさんから出ている作品は甘酸っぱい青春恋愛小説が多いので、こちらもそういった要素が含まれているといいなと思いながら読みました。今作品は、どこにでもいる普通の女の子とちょっと不思議な能力を持っている男の子の恋愛小説でした。
手紙に触れるとその手紙を書いた人の記憶を見る(想いを汲み取る)ことができるけれど、触れた張本人は自分の記憶を一つ失くしてしまうというデメリットが存在する能力で、面白いなと思いながら読みました。号泣してしまうこと間違いなしの感動作です。

恋になるまで、あと1センチ

著者:六つ花えいこ 文庫:宝島社文庫
小さくて可愛い先輩と不器用な後輩……身長差がある男女のピュアラブストーリーでした。まるで少女漫画を読んでいるかのような作りをしていて、漫画になっても楽しめそうだなと思いました。とにかく糖分高めの物語なので、甘い話を摂取したい方にはオススメの一冊かなと思います。たった1センチ、されど1センチ。近くて遠い恋物語。

九度目の十八歳を迎えた君と

著者:浅倉秋成 文庫:創元推理文庫
いやぁ~、衝撃的な物語でしたね。これはフォロワーさんにオススメされていた作品だったんですが、読めてよかったなと思えた一作でした。冒頭から興味を持たせてくれる設定が飛び込んでくるのは最高ですね。タイトルにもある通り、主人公の男性は高校を卒業して働く大人になっているのに、ヒロインの女の子は十八才の頃の姿のままだった。
どうして彼女は年をとらないのか? どうして周囲はそのことになんの疑問も持たないのか? どうしたら十八歳を脱却できるか? 物語を読めば読むほど、頭に「?」が増えていきます。謎が明かされるまで時間はかかりますが、わかった時の納得感や爽快感、驚きは相当なものです。気になった方はぜひ、青春の中に隠された謎を追い求めてみてください。

君が、僕に教えてくれたこと

著者:水瀬さら 文庫:ことのは文庫
幽霊が見える主人公の男の子が、悔いが残っている女の子の幽霊の願いを叶えるために頑張る物語です。水瀬さんの作品は何作品か読んだことがあるのですが、相変わらず世界観が優しいなと思いました。読んでいて安心できるといいますか、心に温かいものが広がっていく感覚になれます。主人公である天君が、家族や友人……周囲の人達と関わって成長していく流れがとても良かったです。

4月の読書

僕と彼女の、繰り返される夏

著者:木立花音 文庫:BookBase
4月は一冊だけでした。沢山読める時と読めない時の差が激しいですね(笑)
著者は私の師匠である木立花音先生です。もともとアルファポリスさんを筆頭にWeb小説投稿サイトに出されていた作品だったのですが、BookBaseさんで開催された下剋上コンテストという公募で受賞され、電子書籍化という運びになりました。青春×恋×謎という3つの要素が掛け算のように組み合わさった今作。最初から最後まで面白くないシーンが一つもないので、とても好きな作品です。「僕と彼女の、繰り返される夏」 このタイトルの意味がわかった時の興奮は物凄いですよ。オススメです。

5月の読書

琥珀の秋、0秒の旅

著者:八目迷 文庫:ガガガ文庫
夏トンを鑑賞して、八目先生の小説に興味を持ちました。函館に訪れた修学旅行中に時間が止まってしまうという冒頭に一気に引き込まれました。情景描写や心理描写も分かりやすく、他人の肌に触れることができない麦野君の変化を楽しむことができました。小説で心理描写を描くのは当たり前のことですが、鬱屈した感情そのものが伏線になっており、非常に驚いたのを覚えています。その為、「地の文と台詞含めて無駄な行が一つもないのではないか?」と思わせられる作りになっているのかなと思います。全部わかった上でもう一度読みたくなる一冊です。

僕らは『読み』を間違える

著者:水鏡月聖 文庫:角川スニーカー文庫
昔の文学作品を基に日常の謎を追い求めていく一風変わった青春小説です。今作は、謎を解く楽しさと、古典を知る楽しさがあると思います。
「名前は知っているけど、読んだことなかった」とか「その著者の人、そんな作品を書いていたんだ」とか、読書をしながら昔の文芸作品に触れる切っ掛けを与えて貰えるので、お得な気分になれます。
高校生の男子にとって日常に転がっている謎とは、殺人事件や盗難事件といった重苦しいものじゃない。「気になっている女の子が好きな人は誰なのか?」という極めて重大な謎です。
この作品の上手いなと思わせてくれた要素として、昔に起きた事件に対して皆で意見を出し合っていく話が最初に展開されている点です。そういった話を冒頭に描くことで、ついついそういった事件の謎に注目してしまいます。しかし、本質はそこではありません。本当に見るべきはヒロインの行動や言動です。読者が主人公と同じ視点に立つよう作者が誘導しているので、視野が狭くなってしまうというわけです。恋は盲目とはこの事を言うのですね。え? 違う?

わたしの嘘つきな神様

著者:三柴ヲト 文庫:スターツ出版文庫
家族や周囲の人間関係に疲れ、主人公である月乃が自殺しようとすると、不意に神様が現れて助けてくれるというびっくりする幕開けからのスタートで一気に引き込まれました。
月乃の可哀想な境遇を見て、彼女に同情してしまい、応援したくなります。最初は絶望感が凄いですが、神様との出会いをきっかけにしてどんどん人生が良い方向に変わっていく流れが好きです。とても素晴らしい家族愛が描かれている作品でもあるので、チェックしてみてくださいね。

視えるのに祓えない~九条尚久の心霊調査ファイル~

著者:橘しづき 文庫:アルファポリス文庫
死者の声が聞こえる九条と死者が視える光。 二人がタッグを組んであちこちで起きる怪奇現象を解決していく話でした。題材はホラーですが、九条と光のやりとりが面白いので、怖さがいい塩梅で中和されており、楽しく読むことができました。

6月の読書

青春ぱんだバンド

著者:瀧上耕 出版社:小学館
名前の通り、これぞ青春って感じの小説でした。描いている時代が少し昔なのもあって学生運動とかそこらへんの話はよく分からない部分があって、そこを楽しめなかったのは残念でした。それでも、戦争を経験した世代の教えの名残が、主人公たちに降り掛かっているのは伺えました。大人たちが敷いたレールから外れたい、この鬱憤を吐き出したい、そんな男たちの叫びがこれでもかと詰まっていて、面白かったです。男たちの不器用な青春、高校最後の夏、とても輝いて見えました。

妹がいじめられて自殺したので復讐にそのクラス全員でデスゲームをして分からせてやることにした

著者:駆威命 文庫:アルファポリス文庫
デスゲームを題材にした作品を久々に見ました。
いじめを苦にして自殺してしまった妹の代わりに、姉が復讐するべく開催したデスゲーム。妹を直接いじめていた者のみならず、いじめを見て見ぬふりをしていた者もデスゲームの対象だった……!! 妹のクラスメイトが全員、慣れ親しんだ学校で殺し合いをしなければいけなくなってしまう。
惨いシーンが多々あるので、他人にオススメしづらい作品ではありますが、デスゲームをクリアしようとする生徒たちの葛藤がよく描かれていたので、ぜひ読んで欲しいです。

ロック・オブ・モーゼス

著者:花村萬月 出版社:KADOKAWA/角川書店
音楽を知らなかった少女が、ギターやバンドに出会い、変わっていく物語でした。主人公、桜は音を聞き分ける耳に優れて誰もが心地よく聴いてしまう声に恵まれた。なんの知識もない彼女は、その恩恵に気が付かぬまま音の魅力に取りつかれていく。 本質とはなにか? 生きるとは? 男と女とは? バンド「モーゼス」のメンバーと過ごしていくうちに様々なことを知り、悩み、考え、大人になっていく。成長していく桜の姿が羨ましいと感じると共に、自分には得難い世界なのだろうと感じさせられもしました。

最後に

ここまで読んでくれてありがとうございました。まとめるのがとても大変でしたが、こうして記事にすることができて良かったです。ジャンルを問わず沢山の物語を読んで、自身の作品作りに活かせていけたらいいなと思いました。今回、私が紹介した作品はどれも面白いので、ぜひこの記事を見てくれた皆さんには読んで欲しいです。
紹介にはなってしまいますが、もしよろしければ、私の作品「瞬間、青く燃ゆ」もチェックしてくれると嬉しいです。人の感情が見える病に冒された主人公が、ストーカー被害に悩む後輩の女の子を助けるために奮闘します。

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