[ツアーナース]服薬チェックのポイント
最終更新2022年7月7日
数あるツアーナース業の一つ、小学生の内服確認。
私が行う際に気をつけていることや、実際にあったトラブルを紹介し、なんかの役に立てればいいんじゃねえか?という記事です。
TOUR NURSE教本には、服薬確認についての項目はないので、完全にわたしの経験上で語りまくる脳筋ストーリー。
中堅ツアナス個人の経験範囲で、かなり物足りない内容と読み返しても実感するので、今後夢子ちゃんなどリアル知り合いに聴取し、個人情報しながら膨らませていきたい記事。
2022年7月現在の仕上がりは、生ぬるい眼で見て頂けたら幸い。更新状況は、いつものようにTwitterで。
そんな感じでいつも以上にペラっとした内容ですが
活かせそうなところがあったら持って帰ってください。なさそうだな。
書いている人の事
これといった取り柄のない、量産型の地味な中年です。趣味はぬい撮りです。
ついでに最新のクマ旅行↓
ツアー中の内服チェックとは?
対象年齢
主に小学生。
中高生は自己管理できるとされ、まず行いませんが、疾患・処方内容によってはチェックが必要な場合もあります。
でも、すげえしっかりした学校だと高校生でもレスキュー系の薬や飲み忘れるとマズい薬(エピペン、抗てんかん薬とか)は教員・看護師のWチェックを通過しなきゃ参加させねえぞくらいに、厳しくやってくださる。こっちとしてはありがたや。私立の頭いい所は保健関係裏切らない説、私の中で根強い。
※小学生以下の添乗(スポーツ合宿系)は、各班で引率の大人たちが管理してくれるので、一切ノータッチという経験しかなくようわからんです。ごめんなさい。
一方で、そもそも不要と言われる場合も
教育の一環として、わざわざ看護師が声掛けなくても良い。
うちの子どもたちはしっかりしているので大丈夫 などの理由で、確認不要とされることも時々あります。
とてもわかる。尊重したい。
だがしかし、非日常ではしっかりしている子のしっかりが発動せずに、スポンと忘れたりするんだよね。
教育も大事だが、忘れられて体調崩すリスクの方がでかい。
簡単な声かけだけでも不可ですか?と
折衷案を打診し、それでもダメなら諦めますが、なんかあった時に責任押し付けられても困るので、私は事前打ち合わせの内容を書面に残しておきます。
※実際、なんかあっちゃったので後述
チェック表があると便利
本来、学校に作成を依頼するのが正解なのかもしれませんが、気が弱い私はなんか言い出せない。別にそこまでしなくても声かけだけでいいですよーって学校もありますが、後から看護師がチェックしなかったと責任なすりつけられれも困るし、リスト無しで漏れなく全員チェックできる自身もないので自作して書き込んでいます。
サンプル載せておきますね。
ポイントは、組・班・部屋番号の欄かしら。あの子どこいったー!と部屋凸する時、いちいちしおり調べなくてもパッとできる。
3泊以上〜もあるので、その時はその時に合わせて作っています。わたしの小学生添乗経験は、ぶっちぎりで3泊4日が多いんですけれどね。
2泊だとスケジュール詰め詰めで疲れるので、3泊が好き。
重要★保健担当教員と協力する
服薬確認、看護師でなくてもできますよね。
ただ、複数いる引率教員の中で“保健関係の役割を担う“という立場上、看護師が担っているわけで。
後述する事例の通り、業務にも優先順位があるので、服薬チェックの時間に体調不良者が出たらそちらの対応優先。
引率の中で、だいたいは補助(副担、専科、他学年の先生が多い)の先生が保健担当教員を割り当てられているので、その先生と協力。
その際にも、チェックシートが役に立つんですよね。
「残り、この子とこの子なので声かけおねがいします。」と引き継ぎしやすいし、服薬漏れがないか最終チェックもできる。きちんとチェックしましたよの証拠にもなる。
わたしの中では必須。
どんな疾患の子が定時内服しているの?
主なところと上げつつ、心疾患・糖尿病についてはツアーでほぼ対応経験なく、周りのツアナスさんから聞いた話で。
OD(起立性調節障害)っこは多いけれど、定時内服している子は何人かしか対応したことないな。飲むとしてもミドドリンか。
疾患別観察ポイントまで織り交ぜたら記事完成に数ヶ月を要するので、今回はシンプルにどんな薬がある?視点に絞りまして。
どんな薬持ってくる?という予習になればいいかなと。
ADHDの薬以外は、普通に看護師していたら知っている薬ばかりかと思いますので復習がてらって感じかしら。
アレルギー性鼻炎
アレグラは根強い人気を保ちつつ、ここ数年ビラノア多いよねっていう感覚なんですけれど。
とはいえ、小学生はロイコトリエン系が圧倒的に多いですかね。ほんとこれら毎度毎度こんにちは。チュアブル5mg祭り。
ー酔い止めとの併用問題
すみません、わたしみて見ぬふりしちゃうのですが他のツアナスさんはその辺きっちりされているのでしょうか…。抗ヒスタミン定時×酔い止め頓用っこなんて山ほどいるぞ。
参考
アレルギー性鼻炎の治療総論/しだ小児科クリニック
花粉症の薬で眠くなる/辻堂たいへいだい耳鼻咽喉科
喘息
他記事でも書いていますが
オムロンのネブライザーは高確率で登場するので、ざっくり調べておくと気が楽。
てんかん
そうそう、他校(同じ宿舎に複数校)のツアナスさんから、添い寝依頼されたんですけど、そんなもんなんですか?と相談されたことがありました。
学校さんって、私たちツアナスの休養ガン無視で
割と簡単に添い寝依頼してくるところもあるんですが余程の特例がない限り受けなくてOK案件。夜尿やホームシックも然り。
この添い寝問題は、数年前のツアーナース研修や症例検討会でも度々話題になりましたね。
参考サイト
てんかんinfo /USBジャパン(イーケプラ出している製薬会社)
てんかん情報センター/静岡てんかん神経医療センター
ADHD
日本で承認されているのは、この4つ。
他の薬に比べ、臨床で見ることがほぼ無い種類なので、馴染みのない方がほとんどかと思います。
教育旅行に携わる以上、それぞれの薬効は簡単にでも事前学習必須事項かと思っています。
コントロール状況
そもそも学校サイドがそこまで把握していなかったり、別にそこまで看護師さんが…と引かれる場合もあるかもしれませんので、空気を読んで必要時聴取しています。
確実な服薬を
習慣化されているので、きっちり飲める子。
忘れやすい子、途中で紛失する子など様々。
プライバシーと、そもそもの話
嫌がって吐き出したり、飲んだふりしたり。
今の時代、なんでも調べりゃ分かるので薬名検索されて…を配慮してという場合もあり。その辺りも事前確認しておきます。
あとそもそも、発達障害の子は鼻っから囲われる場合もごく稀にあり。
普段を知らぬ者が下手に関わって、変なスイッチ押されても困るって感じなのかなとは思います。その辺、わたし割と上手く立ち回れるのになぁと思いつつ、初見の学校さんだと仕方ないなぁと指示に従います。
片頭痛
トリプタン製剤5種は、HUNTER×HUNTRのゾルディック家に無理やり当てはめて覚えていますというどうでもいい情報。
トリプタン製剤使うまで辛い状態=休養とセットと考えて良いですね。仮に無理して参加しようとしても、先生と相談して引き止めるレベル。
そもそも小学生でトリプタン製剤処方までいっている子は少ないのですが、中高生になるとグンと増えるので、ツアナスやっている限りは高確率で対応すると思って、薬の種類と特性くらいは覚えておいて良いかと。
大体、イブAかバファリンルナJ(アセト)かロキソニン(NSAIDS)持参する子が多いんじゃないですかね。
中高生になると、トリプタン多くなるけれど
小学生でってよほど重度ですからね。下記の要因にも配慮しながら、しつこくない程度に声かけや、声かけ易い空気出してすぐに対応できるようにしています。そんな空気出せていないかもだけど(図体デカイ&顔怖いで人生詰んでる)。
もちろん、イブとかアセト飲んでいる子を軽視している訳ではなく、それぞれに応じて丁寧に対応します。
こうみりゃ、団体旅行は誘発因子だらけですね。
よって、課外活動が多い場合の休養場所の確保は大事。
コンパクト枕とシートは、こちらで書いています。
その他
ーーインスリンポンプ
DM(糖尿病)っ子の、持続皮下インスリン注入療法。
その他項目で括る内容じゃなく、もっと上に取り上げるべきなんですが、なんせわたしツアーのDM対応経験は、ツアー10年目に初めて当たったという浅さで。
中学生のインスイリンポンプっ子しかなく(しかも何故か2021年だけ集中して3人)正直詳しくないというのが本音。
今年も、同じ子の対応があるので改めてこれからしっかり勉強して、この枠は加筆していきます。
参考 インスリンポンプ療法とは/メドトロさん
ーー成長ホルモンの注射
1〜2泊だと、医師許可のもと
宿泊期間中は打たなくてOKと持参しない子もいます。
あと、冷所保存=保健室で看護師管理となる場合が多いので(別に担任の部屋でもいいと思うけれど、先生も忙しいですしね)帰りに忘れないように。
他の団体(複数校合同で同じ宿舎)、看護師が保健室冷蔵庫に忘れた!と帰宅してから発覚して問題になっていたのを横目で見た経験が。
それ以降、出発前に「冷蔵庫確認!中身なし!」と軍隊のように声出し確認するようになりました。
参考サイト
ーー近視治療の点眼
事前打ち合わせの時点で“自力で点眼できるよう練習中ですが厳しそうなら補助を“ってのは時々。
ミドリン散瞳するから、夜中にトイレ起きる時は気をつけてねーまでは別に私が言わんでもわかっとるだろうから、そこまで言わないかな。
ーー歯科矯正
服薬確認ではないので番外編扱いですかね。
実はこんなことがありまして
ちょっと曲がって修復可能そうであれば対応するけれど、何がどうなったらそうなった?というくらい下手に手をつけちゃいけない状態だったので。
保護者に相談しつつ、ガーゼ挟んで歯肉に触れないようにしたようなどうだったけ。。。7〜8年前の事で忘れちまいましたが、この子以外にも矯正中でどうのこうのあったので、下手な事せずサクッと歯科に回せるようなした
[頓用]酔い止め
舐めるタイプのものが圧倒的に人気。
詳しいことはこちらの記事参照。
[頓用]エピペン・喘息発作時・低血糖時の対処薬類
サクッと一括りにしちゃいましたが、これらの所持確認は必ず。
これは、中高生でも!
え?そこまで確認しなくてもうちの児童・生徒は大丈夫ですとか言われがちで。
こっちだって闇雲に過度な心配をしている訳ではなく、実例があるからこそ。「他ナースがこういう経験をしておりまして念の為…。」と前置くと提案しやすいかと思いますので、どうぞ使ってください私の経験。
実際にあった困った事例・解決策
転んで学ぶツアーナース業。
わたしが若かりし頃に経験した、爪甘すぎたエピソードから改善策を導き出し、現状の服薬チェックルーティーンとして活かしていることを公開します。
①忙しくて他の人に対応依頼、そのあと親からクレーム
まぁそもそもそうだよねっていう話で。
服薬チェック=状態悪化の予防という業務も大切ですが、まずは今起こっていることに対応するのが第一優先な訳で。
②現地に着いてから、忘れていたことが発覚
どの家庭でも、フッ軽に車で駆けつけてくれる訳じゃないですから、この子はラッキーでしたよね。
人数多いと、全員やってらんない時があるから
学校と相談しながら、厳選してくことも必要かも。
③途中で紛失
④延泊で足りなくなる
延泊、ツアナス人生で3〜4回あります。
特に、秋の沖縄なんて台風延泊の可能性はあるし。団体旅行でなくとも、外泊時の常備薬は余分に持参は人生のデフォとして叩き込んでおきたい。
海外ですが、整備場で車が飛行機にツッコんでエンジン破損。その日のフライト中止ってのが、ホテル出発5時間前に発覚というトラブルもありました。
マジで世の中、何が起きるかわからん。
⑤服薬拒否
ツアナス1年目の時に、1回しかないですけれどね。
今そういう子に対応することになっても、無理強いせずに先生にお願いすると思います。
⑥逆に飲み過ぎ
これも稀すぎるかしら。
バス移動になると、数十分の移動でも脊髄反射で飲んじゃって帰りの分が足りなくなる子はよくいるので「次の移動は20分くらいだから、必要な子だけ飲んでねー。」とか「帰りの分の薬も残しておいてね、考えて飲むんだよー」などなど、食事の時にウロウロ巡回しながら全体に声かけたりする。
そこまでしなくていいかな(こればっかり)。
⑦薬を児童、生徒同士でシェアしちゃう
酔い止めと鎮痛剤のシェア率の高さたるや。
事前に各学校でも呼びかけはしてくれてはいるもののの、引率教員の中には認識が緩い方もいるので
「自分の風邪薬あげて様子見させています」とか
「看護師さんなのに、薬もくれないんですか?え?親の許可?」など、おいおいマジかよ状態な学校もごくごく稀に。
コロナ禍だと、流石に意識高くなっているだろうと思いきや(これは薬とはちょいとズレるが)、
「昨日39度熱あって、受診してもコロナ陽性じゃなかったし、今日は熱下がっているから合流させます」とか恐ろしい判断を下す学校もありました。
“学校の先生だから正しい知識を持って対応してくれる“という幻想は、一度リセットして臨んだ方が、ストレス少なくツアナス業務できます。とんでもねぇこと、沢山おきます。
以上です。
本来、最後にまとめ項目を設けるべきなんですが
7波始まりつつあり仕事が忙しくなって気力ないので、やる気がある時にシレッとUPしておきます。