夫を救ってくれたVIVANT先生
去年の夏は・・と、幾度も振り返ってしまう。
去年の今頃、夫はまだ病院にいた。
膵嚢胞という膵臓にできた良性嚢胞を切除するために、「医者が受けたくない手術」の筆頭に挙げられる膵頭十二指腸切除術を受けたためだ。
とにもかくにも生還した夫は(術中死もしくは術関連死の高さは何度調べても震える)、「これからどんどんよくなるよ」と言われたその日に、膵頭十二指腸切除術の中でも最も恐ろしい、それこそ命の危機につながる合併症、膵液漏れからの動脈損傷→出血を起こし、緊急カテーテル手術を受けることになった。
この時お世話になったのが、野戦病院にいたこともあると噂の腕利きのワイルドなドクター。
ちょうど今放映されているドラマ、VIVANTに出てきそうなので、VIVANT先生と呼ばせてもらう。
そのVIVANT先生の巧みなカテーテル操作により、夫は救われた。
意識下での施術のため、VIVANT先生が相当苦労している様子は、夫にもよくわかったという。
無事に処置が済んだ際には、立ち会った医師たちがみな感動した面持ちで、
「いや、VIVANT先生、すごかったですね!」
「見事でしたね!」
と口々に感嘆していたらしい。
「あの先生がいなかったら、僕は助からなかったかも」
あれから一年経って、夫がぽろっと口にした。
命の恩人・VIVANT先生はどうしているかな?と病院ホームページを確認したところ、中部地方の病院に移っていることがわかり、それを知っての夫の発言である。
「もしかしたら死ぬかもしれないと思った?」と聞くと、
「うーん、そんなに強くは思わなかったけど、でも、手術前にいろいろ説明されるじゃない?万が一、途中で大出血起こしたら、とか、カテーテルが血管を破ってしまったら、とか。だからまあ大変なんだろうなあとは思った」
とのこと。
ああああ、本当に怖かった。
しばらく忘れていたけれど、あの日の恐怖は言葉にし難い。
本当に怖かった。
夫はラッキーだった。
執刀医も恐らく日本で一、二を争う名医だろうし、IVRのVIVANT医師も百戦錬磨のカリスマ医。
病棟で見かけた時、異様なオーラを放っているのには驚いてしまった。
あの強い光で、夫を助けてくれたのだろう。
VIVANT先生、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
一年経って、夫は信じられないぐらい元気になりました。
本当に、本当に、助けてくださってありがとうございました。