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母の日狂想曲

街中の花屋さんはもちろんのこと、ケーキ屋さん、和菓子屋さん、雑貨屋さん、化粧品屋さん・・、ありとあらゆる店が「母の日」「母の日」「母の日」ラッシュ。
そう呼べる対象のいない人たちは、この日をどんな思いで迎えるのだろう。誰もが母親から生まれてくるのだから、母のいない人なんていないというかもしれない。だが、どこかにいても、どこにいるのわからない人だっている。それが現実。そんな人たちにとっては、どんな響きを持つ日になるのだろう。

花屋さんに集まる人たちの目はみな真剣で、やっぱり「母の日には花を贈らなくちゃ・・」なんだろな。しかしまあ高い!カーネーション一本500円も600円もする。こんだけ?というような小さなブーケが2500円とか。
昔、1本100円とかじゃなかった?子供が100円玉一枚握りしめて買いに行けるような。

娘たちには、結婚記念日や私の誕生日(どちらも四月)に気を遣わせているので、予め「母の日は何もしなくていいからね」と言っておいた。にも関わらず、夕方、娘から突然「花を買ったから届けに行っていい?」とLINE。

うわーあんな高いものを・・

「もっと大きいの買いたかったんだけど・・」と言うが、いやいや、どんなものでも十分です。ありがとう。

義母が存命の頃は、母の日は私たち「嫁」にとって一大難関日だった。花を贈った義妹は、義母から「枯れてたんだけど・・」と文句を言われ、「私に言われても困ります。花屋に言ってください!」などとバトルを繰り広げたり。それを聞いてから、私は花を贈るのをやめた。花以外となると、これがまた難しい。
結局、主婦の日常を考えて、新しくなると嬉しいもの、ありふれたものだけどないと困るもの、毎日使うもの、可愛いと嬉しくなるもの・・と考えて、キッチンのスポンジやふきんや・・、そういった細々としたものを(自分のためならそこまで費用をかけないな、というもの)選んで贈っていた。
毎年毎年頭を悩ませながら。後からクレームが入ることをびくびく恐れながら。

今となっては、そんなに肩に力を入れず、もっとフランクに接した方が、それだけで義母は喜んだのかもしれない。だが、無理だった。とにかく怖かった。
明日は、「お義母さん、母の日だね」とお線香をあげながら手を合わせよう。

私の母には、地元のお菓子屋さんのマカロンを・・と思っていたのだが、いかんせん、一昨日大腸内視鏡検査&ポリープ切除をした影響か、あまり動けない。歩くと腸に響く気がするのだ。目当てのお菓子屋さんは家から歩くと20分ぐらい、最寄りのバス停からだと10分弱。ふだんなら余裕で歩ける距離なのだが、今は無理。自転車という手(足?)もあるが、我が家は高台にあるので、帰り道、延々と坂を上るのは、電動自転車といえども不安がある。お腹に力を入れたくないのだ。
そんなわけで、一番美味しいマカロンの店は諦めた。ちょうど駅ナカに有名なパティシェのポップアップショップが来ていたので、そこで妥協した。ここのマカロンは小さくて高い。そのうえ、味は地元の小さなお菓子屋さんの方が断然美味しい。前に娘たちに持たせた時、「ママ!あのマカロン、めっちゃ美味しかったんだけどどこの?!」と食いついてきたもの。
ちょっとごめんなさいだけど、気持ちを受け取ってもらえたら嬉しい。
ついでに・・というか、検査食に入っていたクラッカーを作っている前田製菓のクラッカーを見つけたので、それも一緒に。これなら食欲のない時でも食べられると思うし。あたり前田のクラッカー!食べておくれよ。

そんなわけで、明日は母の日。
みなさま本当にお疲れ様です。
プレゼントせずにはいられない空気を作り出しているのは、主役のおかあさんではなくて、商業主義だと思うんですけどね。
でも、純粋に感謝を伝えたいという気持ちは尊い。
改めて、ありがとう、娘たち。そしてお母さん。

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