その気力はどこから?
母87歳が元気だ。
一昨年、長年連れ添った父が死去したときには、父より十歳年下で、父に守られ大切にされ、喧嘩一つしないで過ごしてきた母はどうなることかと思うほどやつれたが、あれから約二年、見事に復活している。
部屋にはストレッチポール、ハンドグリップ、マッサージボールなどがあり、自主トレを欠かさず、よく出かけ、よく歩く。
脳トレに編み物がいいと言って、毛糸の帽子をよく編んでいるのだが、編み過ぎて使い切れないからもらって、と言われ、いくつかもらった。
もらったけれど、毛糸の帽子って日よけがないから紫外線対策にならない。ゆえに、私はかぶりたくない。どうしよう。
それに、毛糸の帽子ってなんだかおばあさんみたいだし。
60過ぎたらおばあさんか。
私もおばあさんか?
母と同世代のお友達もみな元気だが、膝が痛かったり、腰が悪かったりして、出かけるのが億劫になっている人も少なくない。
そんな中、母は、
「私はいつまでも背筋をピンと伸ばして、まっすぐな足で歩く!」
「まだしばらくがんばるわ!」と生き生きしている。
確かに、ストレッチポールに毎日のっているせいか、背中はまっすぐだし、どこも湾曲していない。母の努力の賜物だろう。
いったい、その気力はどこから?
近頃の私はため息ばかり。
暗いニュース。嫌なニュース。怖いニュース。憂鬱なニュース。
こんな社会に生きていても楽しくないとすら思う。
肩もゴチゴチだし、首は痛いし、疲れやすい。
母より先にバテてしまうのではないだろうか。
夫が言うには、
「とにかく、人のことは考えないで、自分が楽しい!って思う方向にどんどん行けばいいんだよ」と。
そうなんだろう。
まあそうなんだろうけど。
そうするにも気力はいるよね。
どうすれば湧いてくるんだろう?