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【投機の流儀】大きな金融危機が起きる3つの条件

【今週号の目次】
(1)この半年の上昇幅はバブル後の最大幅、しかも大半は9月に為した。
まさしく「二日シンポは(上方に)荒れた」
(2)当面の市況
(3)米景気後退の予兆
(4)日銀が長期金利上昇を容認=大規模緩和の後退
(5)FRB、ECBは「正常化」への道を進んだ
(6)9月15日はリーマンショックの日から満10年のその日
(7)安倍総裁3選、安倍派の議員票圧勝の意味するところ
(8)日本株を左右する外部要因の重要な一つ、中国株価
(9)安倍3選で海外の買い安心感を誘う
(10)老年期相場(第三波動)の天井についての一私見
(11)大きな金融危機が起きる3つの条件
(12)資源国とトルコリラの通貨が急反発
(13)活況の最中に正しく事態を観ていた者と活況相場に飲み込まれた者
(14)「株価変動は景気変動に先行する」の命題の含意を汲み取ればリーマンショックの兆候は事前に読めたという事実
(15)景気動向指数——「レベル」でなく「トレンド」こそ重要だ。9月9日号を要約して再現する
(16)「実体経済を自然科学のような目で見れる民間エコノミスト」と「霞ヶ関文学」(既報で既述)との違い、及び「法学部不況」
(17)「投資の右も左も解らない私」と自称する読者Tさんとの交信(9月28日)

(1)この半年の上昇幅はバブル後の最大幅、しかも大半は9月に為した。まさしく「二日シンポは(上方に)荒れた」

8日連騰を為して一日休んで週末・兼・月末は91年10月25,232円以来の27年ぶりの高値を取って引けた。

「(根拠も実証もないが)二日シンポは荒れる、という言い伝えがある」と本稿9日号(1)で書いた。
世界の主要市場の中で最も大幅な上昇の一カ月だったということは、「上に向かって荒れた」というべきか。

この半年の上げ幅は2,665円、そのうちの6割弱の1,515円幅は9月13日以降の連騰幅だった。

①上げ幅は昨年10月以来11カ月ぶりの大きさだった。しかも配当落ちの分160円幅を埋めた上にである。
②売買代金も3月以降の半年ぶりの金額で月平均が約2.6兆円、これは大きい。
③慎重姿勢だった海外投資家が先物中心に買い越してきた。
④日本株は世界標準から見て出遅れていた(本稿で何度も言う通りPERで言えば世界最低圏内であろう)。NYシラーPERの約半分だ。海外投資家を中心にその見直し買いが入った。
⑤従来、最終局面の仕上げは海外投資家だった。
平成バブル大天井38,915円も、35,000円から上はモルガン・S等の品薄株買い煽りでの値幅だった。その証拠には当時生きていた大証平均は大天井は35,000円だった(と記憶している)。

こう言うと、せっかくの活況相場に水を差すとして嫌われるであろう。
しかし、だからとて、筆者自身が中長期にここで何を買うかと問われれば「主力戦力の資金は次の好機を待って静観する。ゲリラ戦力の少額で仕手戦や短期勝負には出ることもあるが」と言わねばならない。

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