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【投機の流儀 セレクション】霞が関文学の見抜き方

8月5日号の「焦らずとも買い場は来る」の項目でに述べたが、これについて今のうちから申し上げておかねばならない。

「内閣府が景気は『拡大期』から『後退期』に入り『収縮期』に入ったということを発表してから(つまり後手に出る)景気が『谷』を付けて景気先行性を持つ株価が猛烈な反発を始める。
その前に買う。
つまり先手をとる。
下降中、反発前に買い下がって行くのだ、という意味で「後の先」と言った。
このことはセミナーで詳しく述べた。

ところが、実は内閣府は『拡大期』から『後退期』に入った、とは直接には直ぐには表現しない。
経済月例報告は必ず閣議を通すから、露骨な景気の陰りを表現するのを政権が嫌うからだと思う。
そこで「拡大期から後退期に入った」と言わずに「緩やかに拡大基調をたどりながら調整に入った可能性がある」と表現する。
そして次には「可能性がある」の文言を消す。
これは「拡大期は終わった」の意であり従って「後退期に入った」の意である。
こういう表現を「霞が関文学」という(むろん、揶揄を込めて)。

従って、霞が関文学の真意を知らないと、買い場に備えて身構えることを気付かないで過ごす。
そして事後になってから「あの時が経済指標は後退期に入っていた」と発表する。
これまた「霞が関文学」の神髄だ。


【今週号の目次】
●当面の市況
●長期の趨勢を示す200日線が下落に転ずる
●財政出動という手がある!
●トルコの通貨安・債券安の悪循環、世界の金融市場の神経機能に激震を与えた
●トルコ通貨、新安値、2割急落
●DJ-【コラム】トルコ通貨危機、世界が進む「金融戦争」への道(出所:ダウ・ジョーンズ、2018年8月16日)要約文責:山﨑和邦
●人民元安、2015年の切り下げ後の安値圏
●「高校野球が始まると相場は留守になる」というアノマリーについて
●NY株高は続くか
●景気変動について:次の景気後退を考える「後(ご)の先(せん)」について
●景気と株価(大勢的に大底圏内を見逃さないための確認事項)
●今のうちに老婆心ながら一言ご注意—-「霞が関文学」を見抜こう
●DJ-【焦点】ハイテク株に広がる暗雲、テンセントが震源地に(出所:ダウ・ジョーンズ、2018年8月17日)文責:山崎和邦

【来週以降に掲載予定の項目】
●中国の諜報戦

【お知らせ】
「投機の流儀 セレクション」のアーカイブは、電子書籍の紹介サイト「デンショバ」にてご覧になれます。

デンショバ
http://denshoba.com/writer/ya/yamazakikazukuni/touki/

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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