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【投機の流儀 セレクション】大きな金融危機が起きる3つの条件

野村総研のリチャード・クー氏は米国のバランスシート不況と日本のバランスシート不況(「失われた20年」)を両方とも体験し、日本のその処理の方法について時の政権に苦言を呈してきた。
彼は、大きな金融危機が起きる3つの条件として次のことを挙げている。
(「マンデー・ミーティング・メモ」2018年9月18日号)。

筆者が要約する。

大きな危機が発生するには、

①利上げのような金融環境の変化
②評価の定まっていない新金融商品の出現(過去の例で言えば、サブプライムローン、中国のシャドーバイキング、古い例で言えば英国の南海開発会社等々)
③多くの金融機関が同時に同じ問題を抱える

この条件がそろった時に起きる可能性が高いということになる。

先進国の量的緩和が原因で新興国に入ってきた資金は、先進国の量的緩和の解除が動けば出ていくのは当然のことであり、全て予測できた事態に対して新興国の政府当局が何の手も打たなかったというのはむしろ驚きの事態である。

トルコのように中央銀行が手を打っても大統領がそれを妨げたという例もある。

【今週号の目次】
●この半年の上昇幅はバブル後の最大幅、しかも大半は9月に為した。まさしく「二日シンポは(上方に)荒れた」
●当面の市況
●米景気後退の予兆
●日銀が長期金利上昇を容認=大規模緩和の後退
●FRB、ECBは「正常化」への道を進んだ
●9月15日はリーマンショックの日から満10年のその日
●安倍総裁3選、安倍派の議員票圧勝の意味するところ
●日本株を左右する外部要因の重要な一つ、中国株価
●安倍3選で海外の買い安心感を誘う
●老年期相場(第三波動)の天井についての一私見
●大きな金融危機が起きる3つの条件
●資源国とトルコリラの通貨が急反発
●活況の最中に正しく事態を観ていた者と活況相場に飲み込まれた者
●「株価変動は景気変動に先行する」の命題の含意を汲み取ればリーマンショックの兆候は事前に読めたという事実
●景気動向指数——「レベル」でなく「トレンド」こそ重要だ。9月9日号を要約して再現する
●「実体経済を自然科学のような目で見れる民間エコノミスト」と「霞ヶ関文学」(既報で既述)との違い、及び「法学部不況」
●「投資の右も左も解らない私」と自称する読者Tさんとの交信(9月28日)

【お知らせ】
「投機の流儀 セレクション」のアーカイブは、電子書籍の紹介サイト「デンショバ」にてご覧になれます。

デンショバ
http://denshoba.com/writer/ya/yamazakikazukuni/touki/

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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