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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2024年6月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】NYダウの長期の見方──10万ドルに達するのは、あながち荒唐無稽な話しではない

筆者が社命により4人でウォール街を訪れた1972年の秋、キーストーンファンドというファンドを日本国内で売ろうということでキーストーン社に行った。歓迎を受けたが、その時にNYダウの創始以来のグラフを見せられてびっくりした。創始以来と言っても1972年の話しだから、創始以来76年間である。長期的にはずっと右肩上がりであった。今、これを創始以来128年の流れで見てみると次のようなことになる。 中期的に見ると、こうなる。 1. NYダウの2万ドル超えが2017年1月 2.

【投機の流儀 セレクション】政局と株価──「丸呑み」に観る厭な既視感

政治資金問題で岸田首相が公明党と日本維新の会の案をそっくり受け入れた。つまり「丸呑み」した。丸呑みについて、筆者には非常に嫌な既視感がある。もちろん、株式相場に影響する話しだ。 1997年の日本の金融危機とは、11月の1ヶ月で国際的な二大証券会社と大都銀1社であった北海道拓殖銀行と数社の地銀がいっぺんに破綻した。その翌年、小渕内閣は発券銀行であった日本長銀を野党の一時国有化案を丸呑みして、バブル崩壊後の金融再生に一応の道筋を付けた。 その数年前の与野党の党首会談で、細川政

【投機の流儀 セレクション】日本国衰退の最大の問題である人口減少について、本稿はこう考える

長期的に見ると、日本国衰退の最大の問題は人口減少である。この現象は働き手が減って、老人が増える(つまり、支え手が減って、支えてもらう側が増える)ことである。 古代ローマ以来、人口が減って栄えた国は一つもない。この問題は、税制改革や子育て問題の改善などでは解決できない。人口が減っても、1人当たりの生産性が増え、1人当たりのGDPが増えれば、それはそれで幸せではないかという意見も大いにあるが、それは根本的に縮小均衡の考え方であって正しくはない。 国際通貨研究所理事長の渡辺博史氏