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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2024年5月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】現状では「失敗する可能性もないことはない万博」に見られる日本の政治・社会の特質

日本社会では、一旦物事を決めるとそれに固執し、状況が変わっても変化することができず、中止することもできないという特色がある。第二次世界大戦に踏み切ったこととその後の日本の態度はその典型であり、大きな歴史的教訓である。このことについては40年程前、筆者が組織の指導者としての基礎的教養として精読した「失敗の本質:日本軍の組織論的研究」(戸部良一・寺本義也・鎌田伸一・杉之尾孝生・村井友秀、中央公論新社 、1991年刊)に詳しい。 やってはいけない戦争を何故やったのか?とか、物流や

【投機の流儀 セレクション】宇宙開発関連株、日本に勝機

アストロスケールホールディングスは世界に先駆けて、宇宙開発の三分野のうちの一つに成功した。日本に勝機はある。宇宙開発を三分野に分けると以下のようになる。 第1の分野は人工衛星。市場規模は大きい。稲の発育管理や魚群探知のためにも使われる。上場予備軍と言われる日本企業がいくつかある。東証は22年12月から宇宙などの新市場開拓を目指す企業の上場を支援する姿勢である。 第2の分野はデブリと呼ばれる宇宙ゴミの除去技術である。6月5日上場予定のアストロスケールホールディ

【投機の流儀 セレクション】基調は弱含み往来相場であり、調整中であるが、資金は潤沢

4月は日本株投信に資金の流入が6年ぶりの高水準となったという。6年前の2018年は「つみたてNISA」が始まった年であり、個人投資家による投信の積み立てが増えた年だ。それ以来、6年2ヶ月ぶりの資金純増となった。日本株が調整局面に入ったタイミングで、押し目買いが入ったようである。 2018年は指数に連動するタイプの投資信託が次々とでき、日本株投信には1月から8ヶ月連続で資金が流入したという経緯がある。今回も5ヶ月連続して、資金が流入した。基調はやはり往来相場であり、調整中であ

【投機の流儀 セレクション】「悪い円安」論のレベルに一旦は入った

円安騒動の陰で、植田総裁は連続利上げに向けた布石を着実に打っていると思う。円安に追い込まれたフリをしながら、金融政策の正常化への脱出の舞台を整えるというタヌキ植田総裁の高等戦術が透けて見える。 「2%インフレ」が2023年に実現して、アベノミクス時代から10年間の力投で達成できなかったものが海外要因からのマグレで成立し、これを「基調的な物価上昇率」という表現を植田総裁はするが、この言葉は分かりにくい。 「2%目標」が達成された喜びなのか、将来の不安を宿し、異常金利の脱出とし

【投機の流儀 セレクション】今の相場の基本的なトレンド

2020年3月19日に大底を付けた「コロナショックの大暴落」から1年強で1.8倍になった相場は、1万円の大台を2度超えて1.8倍だったから、或る意味で「大相場」だった。これはコロナショックを収めるために多くの流動性を世の中に出した、このコロナ流動性の相場である。故に、仮称「コロナショック流動性相場」としておこう。これが約1.8倍になって30700円でダブルトップを突いた後、約2年強の往来相場があり、2023年5月から28000円どころを起点として、新しい相場が始まったと見る。