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【投機の流儀 セレクション】基調は弱含み往来相場であり、調整中であるが、資金は潤沢

4月は日本株投信に資金の流入が6年ぶりの高水準となったという。6年前の2018年は「つみたてNISA」が始まった年であり、個人投資家による投信の積み立てが増えた年だ。それ以来、6年2ヶ月ぶりの資金純増となった。日本株が調整局面に入ったタイミングで、押し目買いが入ったようである。

2018年は指数に連動するタイプの投資信託が次々とでき、日本株投信には1月から8ヶ月連続で資金が流入したという経緯がある。今回も5ヶ月連続して、資金が流入した。基調はやはり往来相場であり、調整中であるが、資金は潤沢だ。

週末は3日ぶりに、わずかながら155円反発した。日経平均は、前日までの2日間で700円余り下落したため、自律反発を狙った買いが入ったと思われる。午前中には約600円幅を上昇したが、上値では利益確定売りや戻り待ちの売りがあり、やはり調整期間中だという現象を示した。

NYは7日続伸し、昨年12月以来の長期連騰記録となった。東証プライム市場の売買金額は5.3兆円で、極めて活況の部類に入るが、基調はあくまでも調整であり、往来相場であろう。

【今週号の目次】
第1部;当面の市況
(1)基調は弱含み往来相場であり、調整中であるが、資金は潤沢
(2)上値追いに慎重になっている個人投資家は、信用取引の買い残高を2週間連続して減らした。
(3)製造業の純利益は過去最高を更新した→大手製造業と中小企業とともに、25年春の賃上げが続く可能性→「分配」と「成長」の好循環
(4)日本製鉄(5401)が大幅減益を9日(木)の引け後に発表、これの意味するところ
(5)「米大統領選に翻弄される 日鉄(5401)のUSスチール買収」
(6)日銀に早期追加利上げ論が台頭─円安を牽制するためという視点
(7)昨年春の東証の要請は大いに効いた。

第2部;中長期の見方
(1)「失われた30年」の間に着々と増やしていった個人金融資産2100兆円が確実に動き始めた。
(2)「30年間のデフレマインドからインフレマインドへの変化」これを買う相場が昨年春から始まったという見方が、本稿の基本であった。
(3)「賃金・物価の好循環に必要な3条件」
(4)9月の自民党総裁選の成否にかかっている改憲と原発再稼働
(5)「僕たちはまだインフレのことを何も知らない デフレしか経験していない人のための物価上昇2000年史」
(6)米金利の「逆イールド現象」が戦後最長→景気後退の予兆か?

第3部;読者との交信蘭 2024年5月7日(火)受信

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
https://amzn.to/2AebYBH
『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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