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【投機の流儀 セレクション】宇宙開発関連株、日本に勝機

アストロスケールホールディングスは世界に先駆けて、宇宙開発の三分野のうちの一つに成功した。日本に勝機はある。宇宙開発を三分野に分けると以下のようになる。

  1.  第1の分野は人工衛星。市場規模は大きい。稲の発育管理や魚群探知のためにも使われる。上場予備軍と言われる日本企業がいくつかある。東証は22年12月から宇宙などの新市場開拓を目指す企業の上場を支援する姿勢である。

  2. 第2の分野はデブリと呼ばれる宇宙ゴミの除去技術である。6月5日上場予定のアストロスケールホールディングスは世界初のデブリ(宇宙ゴミ)の接近撮影に成功した。このアストロスケールの存在感は大きい。世界初のスペースデブリへの接近撮影に成功し、接続可能な宇宙開発を支える成長産業として日本の宇宙産業の強みとなる可能性がある。
    宇宙空間に存在するスペースデブリ(宇宙ゴミ)は1ミリメートル以上のもので1億個を超 えるという。こんな小さなもので小さな粒であっても、超光速で移動するから宇宙衛星などの損傷にもつながりかねない。これを避けるための計算や燃料のコストは大きな負担となるという。宇宙ゴミの放置に対して罰金を科す案も上がってきている。宇宙分野での実績のある日本企業では川崎重工業(7012)とIHI(7013)、これらがスペースデブリ除去銘柄だ。川重はスペースデブリ捕獲用衛星を開発した。IHIはスペースデブリ監視サービスを提供する。

  3.  第3の分野は月面開発だ。月面着陸船を手掛けるスタートアップのアイスペース(ispace)(9348)はこの冬に月面着陸に再挑戦する。昨年民間初の月面着陸に挑戦したが、着陸寸前で失敗した。再挑戦に向けて準備を進めている。アイスペースは月面に荷物を届ける着陸船の開発に強みを持つ。「足元で事業モデルが最も明確になっているのが輸送分野だ」(三菱総研首席研究員)。
    三菱重工(7011)は国際宇宙ステーションの日本実験棟の建設や補修で蓄積した技術などで協力する。月面探査車ではスタートアップ、ダイモンが開発する無人探査車YAOKIが今年の冬に計画されている月面探査プロジェクトに搭載される予定である。

日本に勝機がある宇宙株について、次々と上場が相次ぐ。そして、着陸の成否や今後の増資によって乱高下するであろう。

【今週号の目次】
第1部;当面の市況

(1)先週は、こうだった。
(2)38500円を超えると、短期筋の手じまい売りが出る?
(3)上場日本企業は3年連続で最高益だが、25年3月期は減益か?
(4)根本的に、中長期的には弱気相場に入ったとは言えないであろう。
(5)「海底のプレートの移動による地殻変動」が、いよいよ起こり始めたのか?
(6)「覆面介入」の効果
(7)円ドル相場について
(8)安易な「悪い円安論」を駁す。
(9)中国経済が復調する方が、ファンダメンタルとしてはずっと望ましい。
(10)バリュー株とグロース株に分けて、銘柄を決める方法には限界がある。
(11)日本製鉄(5401)青春期相場とは、そういうものだと割り切った方が良い。

第2部;中長期の見方
(1)「動画」では詳しく述べたが、日経平均で見ることは重要だ。
(2)日経平均で語れる相場では、なくなったのか?
(3)「日経平均では語れない相場だ」「日経平均を見ていても判らない」ということに拘泥すると、大きな潮目の変化を見失うことになる。どんなに銘柄を選んでも、大きな潮目の変化には逆らえない。
(4)物価と賃金の好循環は、実現できるのか?
(5)「成長と分配の好循環」の内、「分配」は始まった。
(6)設備投資33年ぶり、過去最高(インフレも賃上げも33年ぶり)
(7)市場が予想していたよりも、米景気が堅調
(8)中国経済の停滞は、株式需給面から言えばプラス面があったが、中国は日本を魅力ある市場として安売りをかけてきて、せっかくのインフレへの目覚めをぶち壊す恐れもある。
(9)再び「中国売り・日本株買い」という局面が到来する可能性
(10)成長力を高めて、強い経済にする。そして、人口減少による経済縮小を解決する方法を考える。
(11)今は、根強い円安の傾向だが、嘗ては覆面介入と覆面通貨外交
(12)宇宙開発関連株、日本に勝機
(13)PBR1倍割れの解消はゴールではない。
(14)「ケインズ革命」から90年、新自由主義と政府介入
(15)イラン対イスラエルの問題は、本質的に対パレスチナに対する戦闘と違う。
(16)「今は、景気循環サイクルの初期・中間・後期のどこにいるか?」というような考え方は、時代遅れのモデルに基づいている?─衛星は着陸しないのだという主張がある。

第3部;読者との交信蘭  古代史研究家O様との交信

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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