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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、… もっと読む
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2023年11月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】「中国の日本化」について

明治大学教授加藤徹氏は「中国人は日本人とそっくりになる」という見方に対して「いい意味では使われておらず、あまり同意できない。但し、中国の若者は日本の若者と気質が似通ってきている」と述べている(月刊「選択」11月号)。 筆者の勤めている大学でも、大学院まで進む学生はほとんどが中国人である。しかも富裕層から来ている。日本で言えば、東工大のような名門校からも来ている。彼らは余裕があり、満たされている。かつての中国の若者は「自分は五分五分の確率で、政治運動で死ぬ」とか「富豪や高官に

【投機の流儀 セレクション】日本株の相対的優位性

諸先進国に比べて、日本株の相対的な優位性が浮かび上がっている。これが業績そのものであろう。株価というのは売り手と買い手との相対的な力学で決まるが、その根本は業績である。 日本は、その業績が足元で鈍っている欧米とは対照的に伸びている。主要企業の業績見通しは上昇している。 日経平均を構成する225社の通期計画を積み上げると、純利益合計は9月末の36.8兆円から11月10日時点では38.9兆円というように2兆円増えた。下方修正よりも、上方修正が圧倒的に多い。日米欧の株価指数の1株

【投機の流儀 セレクション】言葉に力がなく「ただ喋るだけの男、岸田首相」

岸田首相が、突然のように所得税減税を打ち出した。これを集票の道具として、衆院解散に打って出るつもりかどうかは判らないが、突然のように所得税減税で、政局の潮目は当然変わったと思われる。これで他の重要政策に対して、影響が出ることは確実である。予算の問題である。 首相は今回の臨時国会の所信表明演説で「経済、経済、経済」と3回連呼して、政権の最重要課題を経済に置くと宣言した。 これはクリントンが政権に就いた時に“It’s economy. Stupid!!”と、右手人指し指を高く上

【投機の流儀 セレクション】米株に黄色信号

ニューヨークのダウ輸送株平均(物流など景気敏感株で構成される指数)は低迷が深まり、米経済に対する投資家の懸念が滲んでいる。 一方、小型株指数のラッセル2000株価指数は下げが加速し、S&P500種株価指数に対する比率がITバブル崩壊以来、最低の水準に落ち込んだ。7月高値からの下落率が「調整局面入りとされる10%」を超えた。地合いの弱さを示す指標として、市場参加者が注目するものである。 これは米株の先行指標に黄色信号が灯っていると見て良いし、また米株は米景気に対する先行指標で