マガジンのカバー画像

投機の流儀 セレクション

306
メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
運営しているクリエイター

2023年2月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】黒田日銀から代わる「植田日銀」はどう動くか?

長短金利操作は不自然であって、その副作用を彼はよく認識していると思う。本来、長期金利は市場に委ねるものである。人工的に操作しないのが普通である。植田氏の過去の発言から推察すると、そのことをよく心得ている。 大規模金融緩和の丁寧な修正が必要だと思っているに違いない。彼は日銀審議委員の時代に緩和を長期間続けるというスタンスは長期金利低下圧力を加えるということを主張し、これを理論的支柱とした。そこで2001年3月の量的緩和の導入時には、政策委員会をまとめ上げた実績もあり、その意味

【投機の流儀 セレクション】衰退する日本(続き)

本稿の2月12号の第2部(12)で、この30年間の日本の衰退の諸現象として8項目ほど挙げた。それに対して、少々補足したい。その8番に博士論文の本数、この30年間で激減と述べたが、BIS(ビジネスインテリジェンス研究会)の第180回発表会のBIS会長の話しによれば、論文数の首位は5年間連続で中国科学院であり、日本は11位にも入っていないという。 また、スイスの国際開発研究所IMDの国際競争ランキングによれば、日本は1989年〜92年までの3年間(バブル頂上と下落当初)の国際競争

【投機の流儀 セレクション】この30年間の日本衰退の諸現象

①30年間の日本衰退の諸現象を明らかにし、その原因を明らかにしたい。その問題点を大きく改革する方法も考えたい、その政治意図があって執行の構えが在れば日経平均は4万円、5万円は夢ではない。現に4万円は1989年12月に一度通った道だ。(20世紀の最高値3万8915円)。 大国の衰亡は古代ローマの時代から例外なく経済の衰亡によって起こってきた。古代ローマも中世のヴェネチアも100年前の3つの帝国の崩壊(★註)も全て経済の衰亡によって起こってきた。 (★註)第1次大戦ドイツの第3

【投機の流儀 セレクション】NY株は上向きにトレンド転換したのか?「ダマシ」の可能性

先々週末の状況ではS&P500が上値抵抗線を上抜けた。とは言え、200日線は下向きであり、それをS&P500が下から上抜けたので横長のX字型であり「ゴールデンクロス」とは言えない。60年代後半に日本に輸入されて流行った「グランビルの法則」(移動平均によるテクニカル分析)の言葉で言えば、「短期的・技術的な修正があり得る」というところであり、要は「ダマシ」の可能性だ。 しかもファンダメンタル面での象徴的出来事もある。アメリカで高度成長を続けてきたテクノロジー大手のアップルなどの5