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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2022年4月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】ウクライナ侵攻に際してしっかり身に付けておきたいこと

ウクライナ侵攻で世界は「経済の時代から政治の時代に移った」とする議論が出ているが、これは物事を総合的に考えようとしない人たちの愚論であるということだ。 物事を経済・政治・軍事・外交などと分けて科目として独立して考えたがる人達の思考壁である。全て大国の興亡は経済の衰退によって起こった。古代ローマから古代中国の王朝、近世欧州の王朝、近代も現代も全て経済の衰退から国家は衰退し、場合によったら滅びる。ソ連崩壊はイデオロギーに負けたのではなく、やはり内部経済の衰退から来た。戦争と軍事と

【投機の流儀 セレクション】所謂「悪い円安」

2月末は1ドル115円だったものが、1ヶ月半で10円以上の円安となった。2012年安倍内閣成立後、円安が進み翌年4月黒田日銀総裁就任によりまた円安が進み、民主党時代の70円代後半から125円まで行った。その時には所謂「良い円安」であり、輸出立国の日本が儲かる円安であった。今の円安はエネルギー価格が高騰し、穀物価格が高騰し、燃料も食物も多くを輸入に頼る日本にとっては「悪い円安」となり、個人消費への打撃となる恐れがある。 4月13日黒田総裁が「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける

【投機の流儀 セレクション】機関投資家の動きとシタタカな個人投資家

新年度入りは東証システムの不具合もあって不調に始まったが、一番大きな点は、機関投資家が3月の月中値段が簿価となるため、新年度入りで利益が出ているものは取り敢えず利益確定しておこうという売りがあったと思われることである。 それは3月の値上がり幅の大きい銘柄が売られ、逆に足元で株価が低迷していた銘柄ほど売られていない。国内の機関投資家は3月の月中平均株価が簿価となるから、月初にそれよりも高ければ売っておこうという運用者の腹積もりであろう。東証が新方式になって2日目の5日火曜日も

【投機の流儀 セレクション】かつての冷戦と根本的に違う「新冷戦」

かつての冷戦時代は明確なイデオロギー対立であり、グローバリズムという厄介なものがなかった。東と西では輸出入も遮断されていた。旧ソ連が崩壊した後、帝国主義に代わるグローバリズムが盛んになり問題は複雑化した。平和を望まない者などいないが「外敵から身を守るための財政的な余力を残しておくという冷徹な視点なくして、持続可能で公平な発展の道を描くことはできない」(ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授、日経新聞3月26日版読書欄から)。 ウクライナは1994年に核兵器を放棄したが、再び核保有