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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2019年9月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】消費税について考える

経済学者の間では消費税を支持する声が以前から高かった。 所得に課税するよりも支出に課税した方が効率的で簡素になるからだ。 しかし、ここに二つの見方がある。 米ハーバード大学教授ケネス・ロゴフ氏によれば、高所得者ほど負担が多くなる累進的な消費税を確立せよというのだ。 米国の上位7.5万所帯を対象とする超富裕層に消費税の増税を提案している。 一方、ハーバード大学サマーズ教授(元米財務長官)は、このような見通しは甘すぎるという考え方が。 法人税率を引き上げるとか富裕層の課税逃れ

【投機の流儀 セレクション】「ぶり、ぶり」が続くと目先警戒になる

不動産相場は株式相場にタイムラグを以て遅れて現れるものだが、今回は地方商業地価が28年ぶりに上昇した。 株価は33年ぶりの10日続伸が先週火曜日までであった。2万2000円台を回復したのは5ヶ月ぶりである。騰落レシオが150%になったのは7ヶ月ぶりの高水準である。このように「ぶり、ぶり」が続くと目先警戒になる。 25日移動平均との乖離率は先週前半で5%前後であるから、そんなに驚くほどのことではないが、150%の乖離率というのは「調子に乗って続伸する勢いを示すこともある」が「警

【投機の流儀 セレクション】日産西川社長についての深い疑義

日産自動車の西川社長の進退―-これは「解任」と発表すべきだし退職金は出すべきではない。むろん、不当・不正にとった4700万円は回収するが、その上で懲罰があって然るべきだ 彼は先週9日に退任したが、筆者に言わせれば退任させずに解任すべきだったと思う。彼は「不当」を働いて、かつ「不正」を働いた。普通は、不正は懲戒免職である。 ここで会社員の言葉の使い方として明確にしておきたいと思う。 普通の場合に「不当」というのは法律的・倫理的に顧客や会社に正当でないことをしたことを言う。これに

【投機の流儀 セレクション】説明責任という厄介なもの

個人投資家にはこういうものがない。したがって、一番自由に自在に自分の流儀に従って儲けられるのだ。したがって個人投資家が一番優位なはずだ。 例えば重い説明責任を持つGPIFを例にとろう。GPIFは公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人であるから、国民全体に対する、年金受給者全員に対する説明責任を持つ。これについて実は筆者はあまり関心がないことではあるが、日経ヴェリタスの編集委員が記名入り記事で1ページを費やして論じているので要約して紹介する。 GPIFの運用受注機関名

【投機の流儀 セレクション】「コツンと来た感じ」は全くない

月曜日に大幅安を演じたが出来高は2兆円未満、火曜日に戻ったがその半値戻り未満、しかも売買代金は1.8兆円だった。大量の売買代金を伴って大幅な下げがあった場合にコツンと来た感じが生じて反発も出来高が多く、反発幅も大きいものだ。しかし、今回は超目先的にも市場用語で言うところの「コツンと来た感じ」は全くなかった。 パウエルFRB議長のジャクソンホール会議での23日講演を金融市場は好感したが、直後にトランプが中国の報復関税に対抗措置を打ち出すとツイッターで表明するとNYダウは一時70