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【投機の流儀 セレクション】「ぶり、ぶり」が続くと目先警戒になる

不動産相場は株式相場にタイムラグを以て遅れて現れるものだが、今回は地方商業地価が28年ぶりに上昇した。
株価は33年ぶりの10日続伸が先週火曜日までであった。2万2000円台を回復したのは5ヶ月ぶりである。騰落レシオが150%になったのは7ヶ月ぶりの高水準である。このように「ぶり、ぶり」が続くと目先警戒になる。
25日移動平均との乖離率は先週前半で5%前後であるから、そんなに驚くほどのことではないが、150%の乖離率というのは「調子に乗って続伸する勢いを示すこともある」が「警戒ラインに来ていることは事実だ」、この両方の瀬戸際にあることは事実である。
ファンダメンタルに言えば円安進行が相場の支えになってきた。33年ぶりの10か連騰とはいっても、10日連騰の上昇幅は累計1,381円だった。33年前の1万2000円台の10連騰ぶりとは勢いが全く違う。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)週末は売買代金2.8兆円弱で賑わい続伸したが・・・
(2)大証券の年末高の言い分と年末不安の兆候
(3)18日開催のFRB会議、議長は景気先行に警戒
(4)「年初来高値」を慎重に試す展開が指呼の間に迫った。黄金分割比の大なる方を試せば2万2400円、と言ってもあと300円幅だったが難しかろう。
(5)「ぶり、ぶり」が続くと目先警戒になる
(6)9月前半は戻りを試す展開だった
(7)9月前半の市場、4か月半ぶりの高値を回復。10日連騰は86年6月以来の33年ぶり。「何年ぶり」と言う事態は概ね反対現象が起きる。
(8)オイルショックは相場活況の終焉の頃に来た――「天災は忘れられたる頃来る」(寺田寅彦)
(9)欧州中央銀行ECB、12日に3年半ぶりに金融緩和を決めた
(10)9月前半の市況の特色、銀行株など割安株に買いが入った
(11)金融緩和頼みの世界の金融市場
(12)今週のイベントはFRB17~18日、ECB同日、日銀18日~19日、
(13)再び11日の内閣改造について
第2部 被追尾国アメリカと追尾国中国の宿命――トランプ劇場の終焉はいつか?
(1)トランプ流の「株価操作」はいつまで効力があるか
(2)「ヤラセ」を「ホンモノ」と見たがるプロレス・ファンを想定したトランプ劇場の終焉はいつ来るか?
(3)米中貿易協議、「暫定合意」か?
  被追尾国アメリカと追尾国中国の宿命
(4)「安全保障カード」を乱発するトランプ流―-日本自動車を標的にするか為替介入してくるか、その可能性は大いにある
第3部 中長期の見方
(1)好機は必ず来る――「天井売らず底買わず」
(2)「天災は忘れられたる頃来る」
(3)市場はリスク慣れし、リスクは「風化」していく
(4)企業の内部留保(利益剰余金)は463兆円---ジョージ・ソロスの「可謬論」(ファラビリズム)からすればアベノミクスの期間の数年間を逆境にさらされてきた銀行株は一番早く大底を付ける可能性もある、と既報で何度も述べてきた。「今回が大底から立ち上がった」とは考えないが、「一番底を付けた可能性」はある。
(5)潜在的に厳存する持ち合い解消の売り
(6)日本の金融の行方
第4部 ふたたび日産西川廣人について――やはり気になる日産のガバナンス意識
第5部 余談――ラジオ日経のアンケートに答えて
①米中貿易戦争は30年続く。
②世界景気の悪化。世界同時不況の恐れ。
③世界の債務は2京円あります。2000兆円の10倍です。
④アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア、日本という先進経済
大国がポピュリズム化しているという長期的なリスク。
第6部 読者との交信
大学時代のゼミの友人N氏と「今回の内閣改造について」の交信(9月16日)
―ラジオ日経のアンケートに答えて

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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