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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2019年4月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】野村證券、10年ぶりの赤字、前期1004億円赤字――「野村が野村でなくなった」

野村は昨年の18年3月期決算では約2200億円の利益を計上したが、19年3月期は1004億円の赤字に転落したと発表した。 大和証券も最終利益は638億円黒字だが42%減、日興証券は347億円黒字だが45%減。 野村の悪決算が目立った。 次からは筆者の私見である。 ひとくちで言えば、野村は構造改革と意識改革が全くできなかった。08年の金融危機後に買収した米リーマンの暖簾代を減価償却したことが赤字の大きな要因だった。筆者に言わせればこんなことは今さら遅きに失した。 また、周辺を

【投機の流儀 セレクション】10連休への用心に対して、かえって10日連休後の上昇の可能性を考えて「持たざるリスク」を意識する海外勢が買っている

小幅ながら日経平均は5営業日続伸した。昨年12月3日以来の4ヶ月ぶりの高値レベルとなり、今年の高値を更新し続けた。 日経平均の連騰ぶりを見ると、一部の銘柄が先導していることが判る。16日の「日経平均52円高」はファストリ・KDDI・ソフトバンクGrの3銘柄で「日経平均96円」を押し上げた結果となった(日経新聞4月17日号証券記事による)。この3銘柄がなければ日経平均は16日はマイナスになったことになる。 10日連休を本稿が「魔の10連休」と言ったように市場がそれを警戒し、個

【投機の流儀 セレクション】黄昏ゆく株式市場

この項目と似たようなことは先週も述べた。今週は具体的な事実から述べよう。個人向けの金融商品である投資信託の新規設定が激減しているという。昨年よりも2割以上も減った。これは民主党時代の3年間の長期低迷時代、1万円±2,000円の長期低迷時代から10年ぶりのことだという。 これが良いことなのか悪いことなのかはまた別問題である。東証は出来高売買金額が多ければ収入が多い仕組みになっているから東証にとっては良くないことであろうが、投資家にとって良いことか悪いことかはまた別である。 こ

【投機の流儀 セレクション】「この道しかない」――安倍首相のフレーズの危険性

アベノミクスの「この道しかない」「唯一の解決策」と断定するフレーズをプロパガンダにしているのは政策判断や政治選択としてはいかがわしい限りである。これは幅広く選択肢を出してそこから選択しそれを決定しそれを追究するという本来のやり方と全く反する。20年前にカルロス・ゴーンが来日した時、一挙に2万人をクビにして企業城下町を廃止し、「選択肢はこれしかありません」と断言した。私企業の場合はそれでも良いだろう。しかし、国民全体に影響する政治判断は「唯一論」であってはならない。これは独断と