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【投機の流儀 セレクション】「この道しかない」――安倍首相のフレーズの危険性

アベノミクスの「この道しかない」「唯一の解決策」と断定するフレーズをプロパガンダにしているのは政策判断や政治選択としてはいかがわしい限りである。これは幅広く選択肢を出してそこから選択しそれを決定しそれを追究するという本来のやり方と全く反する。20年前にカルロス・ゴーンが来日した時、一挙に2万人をクビにして企業城下町を廃止し、「選択肢はこれしかありません」と断言した。私企業の場合はそれでも良いだろう。しかし、国民全体に影響する政治判断は「唯一論」であってはならない。これは独断というものである。鳩山元首相は政治的営為としては落第点であったが、沖縄問題については複数の選択肢を列挙してアメリカに喧嘩を売ったような形になった。その時に元外務官僚の佐藤優氏は、これは思考方法としては極めて健全であるようなことを東洋経済誌に投稿していた。結果的にはオバマ大統領を呆れさせ、アメリカに喧嘩を売った形になり、政治的営為としては不作為時代を過ごした。それとは全く逆に「唯一論」は歯切れがよく聞こえるが極めて危険な道をたどりつつある。

【今週号の目次】
(1)今が一番大切な時だ。そこで読者諸賢に呼びかけたい
 ・この期間の過ごし方が一番大切であり将来を決める
(2)短期相場の小掬いも結構なことではあるが、これは絶対に本義ではないし没頭すべきものでもないということを読者諸賢に呼び掛けたい
(3)当面の市況1:相場上振れに備えコール取引が活況を呈した。相場の上振れに備える動きが広がってきている
(4)当面の市況2:個人投資家が中小型株にシフト
(5)当面の市況3:老年期相場終盤特有の乱調子と膠着状態
(6)「緩やかに縮む」
(7)“Sell in May.”と言うが……
(8)機械が動かす相場と業績を巡る強弱感
(9)部門別トップアナリストの19年の相場の見方
(10)今後の市場の根っこにあるものの一つ、米中貿易協議
(11)平成から令和への代替わり
(12)景気は警戒域に迫っている
(13)中国関連株に短期資金流入
(14)ドイツ銀行株に妙味はあるか
(15)小型ながらトルコショックの再来
(16)基軸通貨米ドルの地位
(17)正統的な経済学のモデルの中には金融システムが入っていないという問題
(18)消費税について考えること
(19)一見30数年間も上昇持続しているNYダウは、ダウ平均の構成銘柄を入れ替えることによって行われてきた
(20)「この道しかない」――安倍首相のフレーズの危険性
(21)佐賀県のHさんとの「景気動向指数」についての交信(4月6日)
蛇足――「世界に悲観の資本主義はない」「厭世家の投資家はいない」

【お知らせ】
「投機の流儀 セレクション」のアーカイブは、電子書籍の紹介サイト「デンショバ」にてご覧になれます。
デンショバ
http://denshoba.com/writer/ya/yamazakikazukuni/touki/

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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