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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2019年2月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】筆者が考える「調査の野村」の実力と注意点

「調査の野村」としては創業40周年を期して鎌倉に野村総合研究所を創設し、多くの理系社員を入れて理系科学をも研究させた。これが日本の「総研」の嚆矢である。それは重油を食うバクテリアを培養して四日市の汚れた海を綺麗にするというようなビジネスモデルを作ったが、それ以外にカネになるものは開発されず、ついに総研の名はそのまま残し経済研究所を都心に移した。その経済研究所は当代一級の経済学徒が集結する場となった。 したがってその経済データは信用してよく、特に企業業績などミクロの世界には断然

【投機の流儀 セレクション】景気は循環し、株価は景気循環に先行する

景気に対しては適切な見方と間違った見方がある。それが市場だ。これを客観的に決めるのは内閣府が出す景気動向指数である。しかし我々が取り組む株価はその景気動向指数に先行する。景気動向指数が客観的な正しさを表した時には既に遅い。この問題が筆者が数十年かけてテーマとしてきた戦後15回の景気循環に対する株価の先行性であり、それは正確には31分の25の蓋然性をもって真であると筆者は過去の事実から実証的に検証した。 「経済変動は一方的に発散してしまうものでものでもなく、均衡点に収斂するもの

【投機の流儀 セレクション】「北方領土は一坪も取り返せない」を撤回する

筆者は「外交の安倍」の対プーチンの力を看破して標記の通り述べ続けてきた。しかし、今週号をもって、それを撤回することにしたい。 それは極めて単純な動機による。元外務省主任分析官の佐藤優氏の言い分に従うだけだ。 安倍首相はプーチンと24回会っているが、常に格下の者が座るとされる右側(向かって左)に座っている。しかも悪いことには「プーチン大統領と私とで北方領土問題は解決する」と公言していた。この言は外務省のテクノクラート、特にロシア外務省のラブロフ外相はカチンとくるはずだ。よって実

【投機の流儀 セレクション】「金融政策は98%がトークであり、わずか2%がアクションだ」(バーナンキ元FRB議長)

数年前、QE、々々、と盛んに言って株式市場は活性化した。QEとはFRBが行う量的緩和(Quantitative Easing)、要するに量的緩和のことである。 今度は量的引き締めが話題になる。株式市場参加者はFRBのバランスシート縮小による量的引き締めが株価を下落させていると懸念した。2008年秋のリーマンショック以降バーナンキ議長のFRBはQEを数度実施した。つまり市場から長期国債や住宅担保証券などを大規模に買い取って市場に札束を放出した。   その結果FRBのバランスシー