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【投機の流儀 セレクション】「金融政策は98%がトークであり、わずか2%がアクションだ」(バーナンキ元FRB議長)

数年前、QE、々々、と盛んに言って株式市場は活性化した。QEとはFRBが行う量的緩和(Quantitative Easing)、要するに量的緩和のことである。
今度は量的引き締めが話題になる。株式市場参加者はFRBのバランスシート縮小による量的引き締めが株価を下落させていると懸念した。2008年秋のリーマンショック以降バーナンキ議長のFRBはQEを数度実施した。つまり市場から長期国債や住宅担保証券などを大規模に買い取って市場に札束を放出した。  
その結果FRBのバランスシートの規模はリーマンショック前の90兆円から450兆円へと膨張した。その後任者となったジャネット・イエレンは保有債券の減額を市場にショックを与えないように、市場に売却せず、償還に拠る消滅で自然現象として少しずつ進める手法を採用した。
このオバサンは用心深くかつ賢明だった。超スローモーションで「償還に拠る消滅」という自然現象を以て量的緩和からの脱出を静かに行った。
FRBの債権が減ることは市場金利に徐々に上昇圧力が加わるということである。しかし市場がその流れを事前に織り込めば市場の動揺は来ない。バーナンキ元議長は退任後、量的緩和の問題は理論的には機能しないはずだが実際には機能したと述べた。しかし、日本では速水元総裁の速すぎた量的緩和解除は大いに市場に影響したことは既述の通りであった。

【今週号の目次】
(1)当面の市況
 ○「所詮は中間反騰」の動き如実
 ○サンバイオ現象
 ○NY市場と比較した日本株
 ○クジラ幕相場の行方
(2)1月相場を振り返れば、定石通りの動きだった
 当面の市況
(3)日米株価の中間反騰の上昇幅の差異について
(4)投資家に弱気心理が生きている
(5)マクロ波乱の中でミクロを見る(凝視するのではなく俯瞰する)
(6)2020年度の企業決算
(7)「金融政策は98%がトークであり、わずか2%がアクションだ」(バーナンキ元FRB議長)
(8)「FRBのここまでの先制的な利上げは実に見事だった」(R・クー、「マンデーミーティング・メモ、1月12日号)
(9)FRB利上げ停止観測、出遅れたECB、苦悩する日銀
(10)FRBが市場を配慮、その結果日米の株価回復に格差が生じ、日本では
(11)米景気の行方に勝る材料はない
(12)米景気の行方が金融市場を攪乱する
(13)景気と株価の関係は昨年11月11日号で既に述べている
(14)「中国経済という巨体が傾けば跨いで先へ進むには苦労する」
(15)米不在のダボス会議で発言力を増した中国
(16)関税引き上げはトランプの「思い付き」ではない
 米政府が予算案でつまずいた「壁」
(17)北方領土について学生時代ゼミの友人N氏との交信
(18)太陽黒点説(★註)から相場を占う
(19)「55年体制」たる自民党の体質と野党連合を組成させる坂本龍馬の不存在
(20)「地方創生戦略」を見直せば日本は活性化する
(21)広島のO様との交信(1月31日)
(22)九州のA様との交信(2月1日)

【お知らせ】
「投機の流儀 セレクション」のアーカイブは、電子書籍の紹介サイト「デンショバ」にてご覧になれます。
デンショバ
http://denshoba.com/writer/ya/yamazakikazukuni/touki/

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
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