磨き、繕い、整える
おやすみを得た。
いつもよりちょっと長いおやすみ。
たまっていた家事をして、見たかった映画を見て、久しぶりに旅行にも出かけて、思いっきりリフレッシュした。
そして、普段ついつい後回しにしてた色々に手をつけた。
お風呂場の鏡のうろことり。
電子レンジの掃除。
いらなくなった本や服の整理。
あちこちばらばらの引き落とし口座。
「気になるなあ、やだなあ、整理したいなあ」と思ってたことを1個1個片付けるたびに、心が軽くなっていった。
そして、家の中で磨くべき場所が大方なくなった頃、最後に手をつけたのが、服の繕いものだ。
引っ掛けてほつれたり、ボタンが取れたりして、着れなくなってすみっこに寄せてた服をかき集めて、裁縫箱と一緒にいそいそリビングへ移動する。
ソファの日当たりの良い場所に腰かけて、スマホで暮らしのvlog動画をセット。さあて、どこだっけなあと服の布地をたぐりよせ、ああここだここだ、と独り言をいいながら、チクチクぬいぬい。せっせと針を動かして、壊れた金具やボタンをとりかえて、繕い物をひとつ完成させると、そのたびに「よしっ」と満ち足りた気持ちになれた。
お気に入りのものを繕い整えること、元のすてきな姿にかえす営み。それはとってもゆたかで充実した気持ちになれる時間だった。
その感覚があまりにも心地よくって、その日のうちに壊れたアクセサリの修繕にも手をつけた。お気に入りのアクセサリがまた使えるようになって気持ちがほくほく。クローゼットやアクセサリケースに、その子達をおさめると、ああ、すっきり整った、と達成感でいっぱいになった。
その子たちを取り出すたびに、うふふって気持ちが暖かくなるんだろう。
この冬のおしゃれが、ちょっと楽しみだ。