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私の詩集

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自作の詩をここに纏めます。 不定期更新です。
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#500字程度

詩「生きる物」

詩「生きる物」

この世には玻璃の箱がある
一見、全て透き通って見えるものの、よく目を凝らすと澱みの泥が顕在する
それは距離によって左右され、近き物には箱が見えず澱みのみ存在すると思い込み、遠き物には泥が見えず麗しき玻璃のみ存在すると思い込む

だから、ある時玻璃の箱が崩れ澱みの泥が露出した時、人はそれを手のひら返しに拒絶する
澱みは金であり
澱みは性であり
澱みは時であり
澱みは力であり
澱みは質である

これは

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詩「僕の旅」

詩「僕の旅」

行き先知らないバスを乗る旅
誰が始めたかは知らない
辿り着いた場所は都会かもしれない
田舎かもしれない
あるいはどちらでもないかもしれない

バスを降りて所持金がない
まだ旅は終わっていないのに
ヒッチハイクをするのか
たまたま見つけた食堂に住み込むのか
あるいはこのまま足を止めないのか

これは夢ではない
夢と思うなら試してごらん
自分の頬がジンジン痛むのが分かる
何故こんな現実にいるんだ
誰も

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