怒れなくなっちゃった。

峠工房は

貧乏

です。
放課後等ディサービスの請求は、間違えると当月は差し戻されてしまい、翌月再提出しないといけません。
つまり、その月にはお金がもらえない。
毎月毎月

ギリギリアウト

で運営している峠工房において、請求は、

絶対に間違えてはいけない作業

なのです。
それだけ細心の注意を払っているというのに4月の請求が1件差し戻されました。
新しく来始めた子がいる時に

よく間違えるので

(細心の注意はどこへ行った?)
またそうかな?と思ったら一番長く来ている子でした。

な、なぜこの子が?!

…思い当たる節は一つ。
それはその子が

19歳で定時制高校四年生だから。

放課後等ディサービスは

放課後

と謳ってるだけあって

学生のための支援事業

です。
普通高校だと三年で卒業するので高校三年生が終わると打ち切りになります。

定時制高校って四年だけどどうなんだ?

と、その子が放課後等ディサービスの支援を受ける前に市役所に確認しました。

学生であれば19歳でも支援は受けられます。
ただし、20歳から成人の支援に変わってしまうので学生であっても20歳からは受けられません。

とのお返事でした。

やったね!一回は留年できるよ!

なんて、その時はその子に軽口を叩いたものです。
そうした流れがあり、

19歳でも安心

と思っていたら差し戻し。

話が違う!

と、すぐに市役所に確認。
当時の担当さんは人事異動されており、別の方とお話しをしました。

19歳でも学生なら支援を継続できるはず。
親御さんが申請をしていないのかもしれない。

とのお返事。
18歳を過ぎてからは、将来、1人でも困らず生きていけるように行政手続きとか銀行などの、所謂

めんどくさい諸手続き

を本人に任せるようにしていました。
だから、こうした話を本人としているので、本人を通じて親御さんに確認しました。
すると、返事は

まだ来てない。

再び

話が違う!

と、区役所に電話。
調べて折り返してもらったところ、

18歳だから卒業だと思い申請書を送らなかった

とのお返事。
いつもならここで

そちらの手違いでこっちは今月食うもんも食えない状況になるんですけど?!
どう責任とってくれるんですか?!

とまくし立てる系女子な私ですが…

そーですよねえ!
定時制高校に通ってる子が放課後等ディサービスにいる例は少ないですものねえ!

とドヤってしまいました。
定時制高校に通ってる子がいる事は、

峠工房ならでは

なのです。

一般的に、小学校で個別級になったら、中学校も個別級、そして高校は特別支援校、支援校、私立の配慮のある学校やインクルーシブ校などになるという、所謂

支援を途切れさせない支援

の流れができると、市の研修で行政の体制の説明を受けました。

それはとても良いことだと思っていますが、反面

それしか選択肢がない

という呪縛を生み出してる場合もあります。

でも、

本当にそれしか選べないのか?

というと、実はそんなことは

ありません。

小中個別級でも

本人が頑張って、周りが支援すれば

定時制高校や全日制の公立高校だって選べるのです。

だから、今回の役所のミスは、

うちの子が頑張って、峠工房も頑張って支援した結果です。

人生で一度も試験を受けたことのない子が、初めてうける試験が人生を左右する受験。

峠工房も

生活塾の制度の外側にあるという

武器を生かし、勉強、面接、心構えなどなど、

必要と思われることはとことん教え、とことん付き合い、

本人、親御さん、学校、その他周りの人の二人三脚、三人四脚、いや、もっともっと…とにかくみんなで頑張って、定時制高校に合格という、泉区内…もしかしたら横浜市?(それは流石に天狗になってる?)では、

あまり例のないような道を開拓した

から起きたミスなのです。

そんなの誇らしくなっちゃうじゃん。

で、怒る気にならなくなっちゃったのでした。

でも今月も火の車…

怒っといた方が良かったかしら…

サポートは峠工房の維持運営費となります! 受け皿のなかった重度障害者の生活・学習・就労訓練から始まり半世紀、近年は増加傾向にあり、対応が追いついていない軽度発達障害、また選択肢の少ない身体障害の人達も住み慣れた地域で生きていけるような自立を支援をしています。よろしくお願いします。