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日本語のコミュニケーションが通じないのは当たり前?中国史から言語学を学ぶ

電子書籍で『世界史とつなげて学ぶ 中国全史』という本を読んでいるんだけど、そこに興味深い一節があった。

全く思考や生活が違う人同士が交わると、お互いに視野が広がる半面、軋轢も絶えません。何をどういう条件で交換するか、交渉や相談が欠かせないはずです。(中略)
そのため、まず自然と言語が発達します。また、紛争解決の手段として、記録を残そうという話にもなるでしょう。(中略)こうした積み重ねによって、遊牧世界と濃厚世界との境界地域を中心に、文字記録ひいては「古代文明」が発達していったと考えられます。(No.263-271)

異民族と交流するときにどうするか衝突が起こらないように記録するために言語が発達したという。

 もともと日本人は狭い列島の中で農耕や漁撈などをして暮らしていたわけですが、異なる種族や集団と交渉や公益をする機会が少なかったため、文字によるコミュニケーションは必要なかったのです。しかし中国から文明が押し寄せるとともに、文字が必要になります。そこで漢字を日本語表記に当てはめて使うようになったわけです。
 これにより、当初の日本語は大きく変容したと考えられています。排列も中国に合わせて縦書きになりました。これは日本語だけではなく、東アジア各地の言語も似たようなプロセスで、漢字の影響を受けています。(No.392-396)

もともとは言語・文字というのは交易交渉とかで他者とのコミュニケーションをとるために発達したものであった。

異民族がたくさんいる大陸では必要だっただろうけど、島国でほぼ同一人種の日本ではもともと特に必要なかったという。

つまり、日本にはかつては文字がなく外国人とのコミュニケーションで輸入使用されたものだから、そもそも文字は同民族同士のコミュニケーションという用途では使われていなかった。

だからなのかな? 私よく言葉にしても自分が思ったことが相手にうまく伝わらないってよく嘆いてるんだけど、もともと文字は交易用のツールでコミュニケーション用のツールじゃなかったらしいし通じないわけだ。

よかった。適当に話せる。(開き直るな)

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そういえば以前大学の講義で、ベトナムや韓国なんかは昔は漢字を使っていたけどもう廃止して独自の言語を使ってる。今漢字をまともに使っているのは中国台湾日本だけだって言ってた。

ある意味漢字は中国以外では合わない文字なのかもしれない。

福沢諭吉だったかな、漢字廃止論を唱えてひらがなだけにしようという意見も出していたし。なんなら日本語廃止にして英語を公用語にしようという意見もあったらしい。笑

(漢字は字自体に意味が含有されている。平仮名は漢字と違ってただの文字であり、意味がないということでアルファベットに近い。欧米のまねするなら同音異義語の勉強するよりもアルファベットのように組み合わせて意味を理解するべきじゃね?ってことかな)

日本は昔から識字率がえぐいほど高いからあえて使用言語を変える案は採用されなかった。漢字様々だね。

いやあしかし、受講した当時は何言ってるのかわからなかったけど、こうして知識がつながるとすごく楽しいね。

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いずれにせよ、言語の歴史もやっぱり長いんだなあと思った。と同時に、中国の歴史と共に学ばなければいけない、中国史を学び日本史を学ぶことが必要なんだなあと感じた。

中国大陸はヨーロッパと大陸続きとか、南北の気候が全く異なるとか、異民族も侵攻してくるとか、日本とはレベルが大きく異なる点も多いけど、大国の中国から学ぶことはたくさんあるのではないか。

皆さんも是非一読をおすすめします。↓


※紹介した文章も筆者が仮説ではっきり実証されておらず、今後の研究が必要としています。


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