見出し画像

不確実性が高いから…どうする!?[20240311]


随分と「日が長くなった」と感じたら、もう3月も半ばだ。

春分の日もが近く、日も長くなる訳だ。

先週、「構造的な課題を解決しなければ本当の変革は起きない」と話した。

私は、とある研究所で実施されている異業種交流会の講師を務めさせていただいている。

事の発端はその異業種交流会での気がかりな出来事だった。

多くのチームが、少なくとも私は教えていない「VUCA」という言葉を使い「VUCAの時代だ」と声高に発表をしていた。

私がVUCAという言葉を教えないのには理由がある。

VUCAの時代に一切対応していないのに、さも何かをしているようなコトを言うのが嫌いだからだ。

VUCAとは「モノゴトの不確実性が高く、将来の予測が困難な状態」を表しているが、では何をすれば良いのか?

答えは難しく無い。

将来の予測が困難なのだから、将来の予測をした上で計画を立てるのは意味が無いから止めなさいということだ。

中長期だろうが短期だろうが、予測することに全く意味がない。

なのに年次計画をはじめ、中期経営計画を作成することは大半の企業で実行されている。

そして、収入・支出の会計計画を立ててこれを実行すべく各部署が動き出す。

私に言わせれば近い将来も含めて予測が困難なのに、何故計画を立てるのだろうか?

カナダのマギル大学経営大学院のヘンリーミンツバーグ教授、彼はVUCAの時代に則した戦略論を早くから提言していた。

「創発(的)戦略」と呼ばれるものだ。

この戦略は「予算が無いので」という言い訳は通らなくなる。

ミンツバーグは、無計画な経営が良いとは言っておらず、後発的に生み出される経営戦略に影響を及ぼすモノを適宜組み込んでいこうと述べている。

しかし、適宜組み込むのはとても難しい。

恐らく半期に一度とか一年に一度見直す機会を得て、簡単な修正をすることでお茶を濁すだろう。

昨年の2月に中央大学の須藤教授にお目に掛かった際に「昨夜ChatGPTが私たちにも利用解禁になりましてね」と話をしておられた。

そして今年の2月にお目に掛かった際には、ChatGPTなど生成AIの利用ガイドラインをグローバルで制定しなければならないと話されていた。

更に、画像処理の生成AIは恐ろしい速度で進化していて目を見張る。

たった1年で生成AIの技術は恐ろしく進んだ。

こういうコトが起きるのがVUCAの時代なのだ。

ラジカルイノベーションとは「一夜にして業界地図を塗り替えてしまうようなコトが起きてしまう」ことだと言われる。

実際に、幾つかの業界ではラジカルイノベーションは起きている。

3年の中期経営計画を立案して後生大事にこの通りにビジネスを実行し、時代についていけると考えているのなら大問題だと思わないだろうか?

スイス・ローザンヌのIMDではアジリティ、特にデジタルアジリティのケーパビリティを社内に浸透させる施策が急務だと言う。

ちなみに、IMD国際競争力ランキングでは日本は35位にランキングされているが、企業のアジリティの項目では堂々の64位(世界最下位)だ。

今週は、こういう経営が変わらないという話をしてみたい。

合同会社タッチコア 小西一有

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?