『橘わっこ』feat. 診断メーカー & AIのべりすと
凡例
引用:診断メーカー (冒頭だけ)
太字:橘わっこ 著
その他:AIのべりすとによる自動生成
本編
辺りは深夜らしく、暗くて静かだ。だけど僕は一人じゃない、そう感じた瞬間だった。
―――僕が、君を幸せにするよ。
それは、とあるゲームの中に出てくるセリフで、 とても有名な言葉の一つだった。
そして今、その言葉を目の前にいる彼女が言ったのだ。
ゲームの中にいるはずの彼女が現実にいる?そんなはずはない。
だって彼女はゲームのキャラクターなのだから……。
だが僕の思考とは反対に彼女の手を握る力は強くなる。
僕は彼女を見つめる。すると彼女もこちらを見つめ返してきた。
その表情はとても真剣なものだった。
こんなに近くで見るのは初めてだし、ましてや液晶を介していないのだ。僕と目が合うとすぐに視線をそらす、なんてことは絶対にない。
見慣れているはずの顔だというのに見惚れてしまう。
この気持ちは何なんだろう……? わからない、けどきっと悪いものではないはずだ。
いやむしろ良いものだと信じたい! それにしてもやっぱり可愛いな。連れて帰ってもいいのかな?
…………あれ?なんかおかしくないか? どうして僕は見知らぬ女性と一緒に歩いているんだろう? そもそもここはどこなんだ?周りを見てみるが見たことのない風景だ。
さっきまで会社にいたはずなのに……。
そこでふと思い出す。
そうだ、確か僕は上司に頼まれた仕事をしていて、それから会議に出席して、やっと退勤してエレベーターに乗ったのだ。それで降りようとしたら急に扉が閉まって、そしたらエレベーターが動き出して、そして……気がついたらここにいた。……ということは、これは夢なのか? そうとしか考えられない。夢ならこの状況にも納得できるしね。
でも夢にしてはリアルすぎる気がするんだけどなぁ……。頬をつねる。痛い。じゃあこれって本当に夢なのか? だとすればすごいリアルな夢だなぁ。
いや待てよ、これが夢という可能性はまだあるぞ。
試しにもう一度頬をつねってみよう。……うん、普通に痛いな。
うーん、ますますわからない!エリーさんが待っているから、とにかく帰らねばならない。だがどうやって帰るのかが問題だ。来た道を戻るしかないと思うのだが、来た道が分からない。迷った時は下へ降りるべきだと聞いたことがあるけれど、どうしようか? しばらく考えているうちに、僕はあることを思い出す。
そういえばポケットにスマートフォンが入っていたはずだ。画面を確認すると圏外だった。目の前の彼女に帰り道を訊くしかないようだ。でもどうやって話しかければいいのだろうか?いきなり知らない男に声をかけられたら怖いよね? よし、まずは名前を呼んでみよう。
えっと名前は……名前……あれ?おかしいな……。名前が思い出せない。まあいいか、とりあえず呼び続ければいつか反応してくれるかもしれない。
それではいきますよ、わっこさん!彼女の方はわたしのニックネームを知っているようだ…どうして…。いや、今はそれよりも大事なことがあった。
私は彼女に話しかけた。
―――君は誰ですか? その質問に対して彼女は首を傾げていた。
まるで意味がわからないといった様子で、少し困っているように見える。
だけどそれも当然のことだろう。
初対面の男から突然声をかけられたら、応答に困るが…。彼女は、わたしの名前を知っているのに自分自身の名前は知らないのか…?いや違うな。もしかして記憶喪失とかそういう類のものなのか? それならば、私の名前を訊いても何も答えられないわけだ。……まさかとは思うが、異世界から来たりしないよね?…………そんな馬鹿なことがあってたまるか! さすがにありえないだろう。それはフィクション小説だ。でも、現実として、ゲームの中の彼女が現れて、わたしの名前を呼び、どこへ連れていこうとしている…。やはりここが夢の世界である可能性が高いな。だって現実世界でこんなことが起こってしまったら、もう世界中大混乱だよ。
だとすると、私が見ている夢の中で、彼女は私をどこかに連れて行こうとしている。つまりこれは私の願望なのではないか?そう考えてみると恥ずかしくなるな。
だけど、もしそうだとしたら、全て納得はできる。ここは彼女に任せてみよう。――わかったよ、君についていくことにするよ。
こうして私は彼女と行動を共にすることにした。………………
あれからどのくらい歩いたのだろう? 体感的には1時間ぐらいだと思うけど、実際はもっと短いかもしれない。
その間に会話は一度もなかった。ただ黙々と歩くだけだった。
正直言って、残業上がりのわたしにとっては、苦行でしかなかった。いくら疲れているとはいえ、こんなに長い距離、しかも暗闇の中を歩き続けるのは無理がある。
それに今日は金曜日なのだ。早く帰って休みたい……。
それにしても彼女の体力には驚かされるばかりだ。
一体どこにこんな力が残っているのだろう?不思議でしょうがない。
さらに驚くべきことに、疲れ顔のわたしと対照的に、ゲームの彼女はずっと笑顔だった。とても楽しそうに歩いていた。
その姿を見ているだけで元気が出てくる。
わたしも頑張らないとな。そう思った。……それからしばらく経った。
辺りの風景に変化はない。
相変わらず真っ暗だ。
そして何より恐ろしいのが、この空間がどこまで続いているのかわからない。彼女の笑顔だけが希望だった。
――あとどれくらい歩けばいいんだ? すると彼女がこちらを見て笑った気がした。
なんだか不安になってきた……。
本当に大丈夫なのか? さっきから同じような景色が続いているような気がするんだけど……。
わたしが内心ビクビクしていると、ようやく変化が訪れた。
前方に1つの大きな宝箱が見えてきた。もしかして、ここはゲームの世界なのか?それとも別の何かなのか? どちらにせよ、あれを開ける以外に選択肢は無い。
そう思って近づいてみると、案の定、宝箱は自動的に開いた。
そしてその中から光が溢れ出した。
眩しい!目が開けていられなくなる……。
光は徐々に収まり、やがて視界が元に戻った。
目を開けると、そこにはエリーさんがいた。ああよかった。
やっぱり夢だったんだな。
わたしは安心して息を吐いた。
エリーさんの表情が険しい。
何かあったのだろうか? 心配になって訊いてみた。
するとエリーさんが急に抱きついてきて、耳許で囁いてくる。
―わっこさんのばかぁ……おそかったじゃないですかぁ……。
どうやらすごく寂しかったらしい。
ごめんね、エリーさん。
でもわたしはちゃんと帰ってきたよ。だから泣かないで。よしよし。
しばらく頭を撫でてあげた後、彼女を落ち着かせてから話を聞くことにした。
なんでも、わたしはエレベーターの事故で閉じ込めに遭ったらしい。救出されたときには気を失っていたそうだ。本当に良かった。
こうして無事に戻ってこられたのは奇跡に近いのではないだろうか? ちなみに、事故の原因についてはよくわからなかった。
警察からは、おそらく点検不足による人災ではないかと言われているようだ。……まあそうだろうなと思う。
そして、この事故によって、わたしはしばらくの間入院することになったとさ。めでたしめでたし?
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