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序にかえて~「信頼できない情報」には多くの類型がある

「フェイクニュース」や「ポスト真実」という言葉が一般化して久しい。これらの用語は、2016年のアメリカ大統領選挙や、同年のイギリスEU離脱をめぐる国民投票の際に繰り返し使われ、日本でも定着していった。

私は、「フェイクニュース」を「客観的裏付けを欠いたニュース」という意味で使っている。フェイクニュースの訳語は「虚偽報道」となるだろうが、現在各地で飛び交っている情報は、明白な虚偽ばかりではない。「虚偽と言い切れない」よう巧妙に装っているケースも多く、現代社会に生きる私たちは質の悪い情報の類型を学び、対処していかなければならないと考える。

「これがフェイクニュースだ」と短い言葉で説明するのは難しいのだが、はじめに用語の整理はしておきたい。

・虚偽報道…事実と異なる内容を、あたかも事実であるかのように報道すること。

・宣伝・プロパガンダ…主観に基づいた情報発信により(例:○○人は悪だ)、受け手の思想・意見を誘導すること。

・印象操作…ある事実について意図的な改変を加えたり、伝え方を工夫することで、受け手の感じ方を操作すること。

・インフォメーション(information):情報

・ミスインフォメーション(misinformation):間違った情報。虚偽(意図していない場合を含む)。

・ディスインフォメーション(disinformation):故意に流された虚偽の情報。ミスインフォメーションを意図的に流すこと。広義には「偏った情報、操作された情報」を含む。

・ホワイトウォッシュ(whitewash):不都合な情報を省略したり、あいまいにしたりすること。

今後、近代史上に登場した様々な「フェイク」について紹介・検証していきたい。

続きはこちら。


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