第17回スキーモ日本選手権Mixed Relay & Sprint
第17回スキーモ日本選手権スキーモ日本選手権白馬八方大会
3月16.17日に白馬村八方尾根スキー場の麓の名木山ゲレンデで行われたスキーモ日本選手権に参戦しました。
1日目はミックスリレーのタイムトライアル。2日目はスプリント日本選手権でした。
1日目ミックスリレータイムトライアル
1日目はミックスリレータイムトライアル。
タイムトライアルといっても来年の強化指定選手、世界選手権のミックスリレー日本代表を決める大事なレース。国内では初となるミックスリレーのレースと、国内のライバルと競えるシーズン唯一のレースということもあり、僕自身とても楽しみにしてました。
ただ本当のことを書いてしまえば、2月25日に開催されたイタリアマルモッタトロフィーワールドカップが選考レースとなり、上位2組は代表に選ばれる選考内容。それもあり田中選手、滝澤選手、遠藤選手と僕の4人は既に決まっており実質出場しなくても良いレース。もし今選ばれている4人より好順位に他の選手が入っても3番手にしかなれない。3組目を決めるだけのレース。
それでも、上記で書いた理由や、世界で戦ってる僕たちが出場することで国内のライバル達、海外に行けない実力者達のおおよその目安になれるよう、そして1人でも多く参戦して国内のレースを盛り上げられるよう、翌日のスプリントの刺激入れ、そんな気持ちもあり参戦しました。日程的には海外遠征期間中でタイトでしたが万全のコンディションで臨むことができました。
コースは比較的急斜面で日射により雪もザクザクで緩んでたが、そんなに難易度も高くなく走りきれるコース。非圧雪斜面に作られたジグを80m+登り、一度下り、圧雪斜面に造られたスプリントコースを同じ高さまで登り同じコースを下るレイアウト。距離は充分ですが、獲得標高が160m以上、スプリントコースは12個ものジグ。それにおいて急なのもありISMFワールドカップと比べてだいぶタフなコースレイアウト。スプリントのいい刺激入れだと思って臨みました。
今シーズンは登りで差を縮めるために、パワーで雑に登っても登れるように長めのポモカレースプログリップ。今シーズンはずっとこれ。もうグライドなんて言ってるレベルではないし、世界はグライドだと置いてかれる。大体世界の選手がグライドでいくようなフラットなところは凍って硬いのでなんでもグライドする。日本の湿雪では毛が長いと水を吸うとか、いろいろあるけど、書いてたら長くなるから直接聞いてください笑笑
1周目はとりあえず走りきれるところまで走って、疲れたら歩いてくらいでマイペースに。シールが長いからトランジットは結構時間かかるけど仕方ない。2周目は歩きで心拍の80〜90%くらいで登る。1番スタートだから目標がおらず最後は自分に甘えてしまったのが反省。でも頑張ってもあと15秒くらい縮められるかどうか。
タイムは8分41秒でそこそこだったけど、僕から10秒差で安里さん。もう少し差が開くかなと思ったけど安里さんのあまりの好タイムに結構びっくり。ワールドカップ来たら普通にいいレースができそうです。そして田中友里恵さんも僕から1分差。驚き。このコースでは世界は男子は8分は普通に切るだろうし、女性も9分は切ると思う。それを彼らは3本できる。それくらい世界はレベルが高い。
今回は1本のみのタイムトライアルではなくて最低でも2本やるべき。日本の合算のタイムで選考で、2本続けて強い選手が選ばれないと世界では戦えない。一本だけ速くても話にならない。
宿にチェックインして今日はゆっくり休む。
2日目スプリント日本選手権
9:00受付10:00コースインスペクション。
9:00に間に合うように会場入り。会場では2日ともスポンサーでお世話になっているdynafitの高橋さんがテントスペースを作ってくださっており、dynafitファミリーのYuiさんが椅子を貸してくださり、たくさんの人が選手のためにいろいろ準備してくださいました!最高にリラックスできました。ありがとうございました。
フォーミングアップは軽めに行い、クオリフィケーションで最終的にアップを終わらせるようにする。
体はとてもコンディションが良くいいレースができそうだ。
出走は19人。クオリフィケーションを行い、上位12名がセミファイナルに進める。
10:30クオリフィケーション。僕は先頭でスタート。
最終のアップを兼ねて、80%程のペースで進む。心拍を煽りきらず足は動かしてセミファイナルをいい状態で臨めるよう調整。
走れるところは走って3'45。クオリフィケーションはほぼ全員が4分台と相当長いスプリントコース。そこまで攻めてはないが予選トップ通過。
セミファイナルが相当動きやすい位置に行くのでトップ通過は素直に嬉しい。ただトップ通過は最低限のやるべき事と思っているので驚かず次に繋げる。
セミファイナルまで1時間。小雨が降ってきて体を冷やさないように動き続ける。セミファイナルの組み分けは遠藤さんと岡さんと一緒。
順当に行けば間違いなく決勝に進める。
クオリフィケーションでは前半走ったが、そんなに変わらないだろうと思いセミファイナルはランを温存するために歩きで進む作戦。
11:30スタート。スタートダッシュで先頭について、ジグから早歩きに切り替え。案の定そこまでペースは変わらず、決勝前の刺激入れでツボ足を強めにダッシュ。滑りは雪の感触を確かめながら最後は余裕を持ってフィニッシュ。
やはりクオリフィケーションとそこまで変わらず、3'47でトップでフィニッシュ。遠藤さん、岡さんと続く。
2組目も順当に安里さん、宮津さん、小寺さん。この6人で決勝へ。
レースが終わって速攻、セミファイナル前に食べ忘れたバナナを2本食べる。2本は多過ぎた。
12:45決勝。
頭の中で描いてたプランは“スタートダッシュで前に出てダイヤモンドはそんなに頑張らず、ツボ手前のジグからスピードを上げて、得意のツボで一気に離して最後に上げて逃げ切る”プラン。
スタートの位置どりが悪いとコースの特徴的に前に出れないため、スタートをいい位置に取ってスタートダッシュから前に行く。その気持ちが前に行き過ぎて昨年に引き続きフライング。はい。やりました。
フライングして1人おぉい!って笑って自分に突っ込むくらい呆れてスタート。
プランなんか全部吹っ飛んで昨年学んだペナルティタイム分を取り返すことだけに頭を切り替えてもうとりあえず全力。
スタートからダッシュ。ダイヤモンドも全力ダッシュ。その上も止まることなく走る。
さすがにツボの手前から足が動かなくなったけど全力を出すしかない。
ある意味自分に甘えることなくワールドカップ並みに自分と向き合え、追い込むことができた。
担ぎのトランジットで既に20秒差。その後も少し離したけど、最後のスキンを取るトランジットで流石に手足が震えていうことを聞かなくてスキンを胸に入れるのに2〜3秒のロス。
下りはなるようになれ、最後もダブルポールでプッシュする。
トップでゴールするも嬉しくもなくすぐさま後ろとのタイム差をチェック。おおよそ20秒前後で安里さん。その1秒もない中で続いて遠藤さん。
ペナルティ分は+20秒。手元で3'28くらい。+20で3'48。コンマ勝負かと思ってたら案の定コンマ勝負。安里さんから0.2秒ないし、遠藤さんと0.4秒ないし。あの2人のデッドヒートの間に入る神業っぷりで2位でした。
その後雨の中フラワーセレモニー、表彰式を行い、無事に終わったかと思うも、その後新たに今シーズンの始まりに改正されたISMFの国際ルールブックに則っていないことがわかり、リザルト変更。旗門不通化とミススタートは+15秒のペナルティになっており、それぞれ該当のある選手は順位が入れ替わることに。
0.何秒の争いで盛り上がったのも虚しく、最終的には3’43で僕が優勝したことになりました。
静かなる優勝、2冠、3連覇することができました。
世界は相当なスピードでレベルが上がっている。
僕のスピードでも予選通過すらできていないのが現実。まだまだ通過すらできていない僕ですが、それでも予選通過にあと数秒のところまで来れている僕の走りを日本の選手に見てもらえたこと、一緒に走って体験してもらえたことが本当に良かったです。世界との差の目安にしてもらえたら嬉しいです。僕だけではなく他の日本代表選手たちの走り、特に田中友里恵さんは男子と走っても競い合えるくらい強い選手。まだ歴は浅いですが、誰よりもスキーモを研究して一気に強くなっています。
世界に負けじと日本選手もシーズンを通して強くなっています。やる気と負けん気で高いレベルでトレーニングしていればすぐにでも世界と戦えると思います。
オリンピックを目指し、世界と戦う人は多い方がいい。選手の団結力も上がるし、1人が強くなればみんな強くなる。
まだまだオリンピックを目指せます!
がんがんこっからだーい!