ペニー・レイン(4章)
4その日あまねは、平成館の中をぐるぐる回るだけのローテーションの真っ只中にあり、倦怠を感じていた。ここ数日可織が旅行で不在にしており退屈なことも手伝って、なおさら強く彼女に迫った。
そんな心境でぼんやりと時代の変遷に沿って歩いていると、無造作に並べられた埴輪コーナーの横で五歳くらいの女の子に出会った。女の子は、そのうちの一番大きいものと背比べをしているらしく、その丸いあごを思い切り突き上げている。
「ねぇ、おねえさん。私よりはにわちゃんの方が大きい?」
あまねの目には明らか