承認欲求のお化けに打ち勝つ2つの視点
承認欲求
人は誰しも、承認欲求をもっています。
マズローの欲求五段階説では、自己実現欲求の前段階、社会的欲求の後段階として位置づけられているものです。
自己実現、つまり夢を叶えた後も、承認欲求が高まることはあります。
一方、承認欲求が高まるから、もっと人とつながりたいと思うこともあります。
社会的欲求から自己実現までの間は行ったり来たり。
その中でいつも刺激されるのが承認欲求なのです。
そう考えると、現在のSNSの時代はすごい。
SNSをしているということは、生理的欲求や安全欲求は少なくとも満たされている人がほとんどの世界。
本当に満たされていない人はスマホすら操作している余裕ありませんから。
だからSNS上ではまず、フォロワーとのつながりといった社会的欲求が満たされるようになっています。
その後、フォロワー数に人は関心を向けます。そして、いいねの数にも。
ただつながりをもつだけでなく、自分のことを認めてほしい気持ちになるのです。
これが承認欲求ですね。
やがてインフルエンサーとなり、周りから承認される機会が増えると、夢だったことが叶ったりもします。
それを自己実現欲求が満たされたと勘違いしてしまいそうになるんですよね。
なぜ「勘違い」と表現したかと言うと、すぐまた別の承認欲求が湧いてくるようでは、それは本当の意味で自己実現したとは言えないからです。
自分の努力の成果ではなく、自分の欲求を満たしてくれる人や環境のおかげ。
自己実現ではなく、他者実現の夢だったんです。
そんな偽りの自己実現欲求にも気付かず、社会的欲求との間を行ったり来たり。
SNSの怖いところは、この往復を無限にできてしまうところなんですよね。
いつしか自分の頭の中で、承認欲求のリミッターが外れ、感覚がおかしくなってくる。
もっとフォロワーを増やしたい。
もっといいねがほしい。
もっと、もっと、、、と。
もうそれは、承認欲求のお化けに支配されてしまっている状態です。
そして気付いた時にはもう遅いんです。
心が蝕まれた、自己肯定感の低い人間の出来上がりです。
SNSって怖い。
いや、SNSに振り回される人間の性質って怖い。
脳が欲求で暴走することで、心が不安定になるのです。
こうした最悪の事態を防ぐためには、
「自分は一体誰に認められたいのか」
という問いにとことん向き合い続け、その答えを自分なりにもっておくことが大切ではないでしょうか。
そうして承認欲求をコントロールするのです。
まず大前提に、人は自分で自分のことを認める必要があると私は思います。
自分は、「自」ずと「分」かる人間でなければなりません。
私は私のこんなところを認めていると自然と答えられる人でありたいです。
その上で、他者に目を向けたい。
他認は他人からされるものです。
だからまず、自認することを忘れてはいけないのです。
自分を認める。
それが、自分を信じることにつながる。
だから自信になるのです。
自信のある人は、他者から振り回されない人になれます。
承認欲求のお化けに打ち勝てるのです。
でも、自信のある人だって、自分で自分のことを承認しているだけで生きている訳ではありません。
そこには必ず、信頼できる家族や仲間からの承認があります。
先程の問いに戻ります。
「自分は一体、誰から認めてもらいたいのか」
承認欲求を上手くコントロールしている人と、そうでない人の大きな違い。
それは、「自分が認められる範囲を自覚し、コントロールできているか」だと思います。
あの人にも、この人にも認められたい。
そんなことを繰り返しているようでは、承認欲求をコントロールすることはできません。
いつしか自分で自分のことを認めるのを忘れていきます。
そうではなく、あの人にも、この人にも認められた。という自覚をまずしたいなと思います。
あなたにはいますか?
この人に認められたら、もう自分の承認欲求は十分満たされるという人が。
一人だけでもいいし、何人いてもいい。
ただ、明確に答えられて初めて、自分が認められる範囲を自覚していると言えます。
私は、愛する家族と一緒に働く同僚、そして自分の人生において、このご縁をこれからも大切にし続けたいと本気で思えた仲間たちから認められたら、それで十分だと自覚しています。
具体的に名前を挙げることもできます。
ここまで解像度高く自覚していると、心が安定し、フォロワー数やいいねの数なんかに振り回されずに生きることができます。
また、自分を認めてくれる人は、変化して当然だと思うのです。
自分の人生におけるそれぞれの場面で、この人に認められたいなという人って変わるものです。
もちろん、ずっと変わらない人もいます。
一方で、変えたらダメだという思い込みは捨てたいですよね。
自分を認めてくれる範囲は、狭くても広くても構いません。
大切なのは自分でそれをコントロールしていること。
狭くしすぎて孤独を感じてもいけないし、
広くしすぎて暴走してもいけないのです。
上手くコントロールできるようになると、あることが明確に見えるようになります。
それは、「自分が心から大切にしたい人」です。
自分を認めてくれる範囲に自分で入れた人たちは、あなたが心から大切にしたいと思った人たちなのです。
だってそうじゃないですか?
自分はこの人から認められたいなという人は、この人を自分が認めたいなという人なんですよ。
そうやって人は相互承認の上で生きているのです。
だからもし、今あなたが承認欲求のお化けに支配されそうになっているとしたら、
① まずは自分で自分のことを認める
② 自分を認めてくれる範囲を自覚し、コントロールする
といった2つのことをしてみてはいかがでしょう。
自戒の念も込めて、上手に向き合い、生きていきたいですね。
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