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【ドラマ紹介】「すいか」

2003年放映された小林聡美さん主演の「すいか」は最もおすすめの名作ドラマである。

4人の年齢も職業も違う女性が暮らすシェアハウス。
普通の銀行員である小林聡美、売れない漫画家のともさかりえ、大学教授の浅丘ルリ子、年齢としては最も若い大家でもある市川実日子、と役者陣だけでも何とも個性的な4人でワクワクさせられる。
さらには脇役として、横領事件を引き起こす銀行員で主人公の同僚小泉今日子、主人公の母親役の白石加代子、刑事役の片桐はいり、近くのバーのママ役にもたいまさこが名を連ねるという豪華さだ。

三十路を過ぎた独身の主人公が実家を離れ、独立した中で、結婚、仕事、家族や友人関係、夢、生きる意味とは……。

一見、至ってナチュラルで平凡な設定ながらも、恐らく30歳を過ぎた人間にしか分からない悩みや感情があちらこちらに散りばめられていて、一つ一つの台詞が面白いのにグッとくるものがある。
1話につき2〜3個の台詞は涙させられるものが出てくる。

私がこれを見たのは放送当時ではなかったが、やはり30歳を過ぎた頃だった。30歳ならではの悩みにリンクして、「こんなドラマが欲しかったんだ」と共感度は半端なく、邦画でここまで面白いものがあるのかと驚いた。
アメリカなどの海外ドラマのテンポの良さや話の展開、役者陣の演技力に魅了されていた当時、日本のどこか暗く、テンポの遅い、ゆるいように思えていた。が、このドラマで日本の間合い、テンポはこれなんだ!と、日本のドラマも全然面白いものが作れるんだと偉そうに感心したのを覚えている。

知り合いの40代の女性や50代の男性に紹介したところ、一気に全話見てしまうほどのめり込んだという声も聞いた。

当時視聴率はそれ程高くはなかったらしいが、向田邦子賞を授賞式したことからも名作であることは言わずもがなである。

このドラマの脚本家は神戸市在住の夫婦が「木皿泉」の共同名義で書かれている。旦那さんはやすしきよしの漫才・構成作家をしていた方であるし、奥さんも元から脚本家の最強タッグだ。

友人とはこのドラマを見たくなる時は心が弱っているサインだと言い合うほど、これだけのオリジナルストーリーで泣かせ、心を温めるドラマは他には無いと思う。

ぜひ、そこのあなたにもこのドラマを見ていただきたい。

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