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57.読書と営業についてのはなし

現在、我が家の蔵書は約1,500冊あります。

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おそらく多い方だと思いますが、僕は昔から読書家だったわけではありません。
転機は3度ありました。

高校は理数コースで、大学・大学院は工学部。
数学や物理、化学など理工系の本こそ読んでいましたが、読書の習慣はなく、1年に1冊読むか、読まないかぐらいでした。

第1の転機は24歳の時にやって来ました。
メーカーで客先への説明資料を作成するなかで、ちょっとした文章を書くのにも時間を要してしまう自分の文章力のなさを痛感し、文章力をつけることを目的に小説を中心に読書を始めました。
この時は月に1冊読む程度でした。

第2の転機は、26歳の時。
メーカーで仕事の意義や人間関係に思い悩んでいた時に、カーネギーの『道は開ける』と『人を動かす』を読みました。
以降、読書は自己啓発や内省するためのツールとなりました。
この時の読書量も月に1冊程度です。

第3の転機はいまの会社に転職してからです。
第3の転機で、読書はコミュニケーションのために必要な情報を得るためのツールとなりました。

生命保険業界を変えようと意気込んでいたのは良いものの、自分が思うように営業活動を展開できませんでした。
「保険の話を聞いて欲しい」とお願いしても、聞いてもらえないのです。
話を聞いてもらえれば多くの方に自分や会社の考え方に賛同いただけるのに、そのステージに立たせてもらえないことに歯がゆさを感じました。

もちろん、ほとんどの方に断られると聞いてはいました。
そう言われても聞いてもらえるようにするための話法も学びました。
それでも、10人に声をかけて聞いてもらえるのは多くて2~3人で、残りの人には聞いてもらえないし、場合によってはそれ以降距離を置かれるようになりました。

そこで、様々な営業のHow to本を読みました。
本を読んで学んだことを実践しても、そんなに状況は変わりませんでした。

思い悩んで支社長に相談した時に気づきました。
想いが強すぎて、相手の立場になって考えられていなかったことを。
(詳細は49.生命保険の営業の洗礼を受けたはなしを参照ください)
https://note.com/totoro0129/n/nc8ec35e5d5ad

そして、「話を聞いて欲しいとお願いする営業マン」ではなく、「話を聞きたいとお願いされる営業マン」になるための試行錯誤が始まりました。


まずは、聴き方や話し方の本もたくさん読みました。
心理学の本もたくさん読みました。
オーダーメイドの生命保険を設計するにあたって、ファイナンシャルプランナーの最上位とされている資格(CFP)も取りました。
しかし、それでも思ったように話を聞いてくださる方は増えませんでした。

今から7年程前、後にうちの会社で二年連続No.1の成績を上げられる方から
「内藤さん、あなたの知識はお客様のために役に立っていない
と言われました。
確かに、CFPの資格を取得しておきながら、その知識を活かせていたのはほとんどが既契約のお客様に対してで、見込み客のお客様に対しては情報提供ができていませんでした。
それは、お金に対するセミナーを開催してもそれほど集客できていないからで、それは生命保険の話をなかなか聞いてもらえないという構造とほぼ同じでした。

なぜ生命保険の話も、お金に関する話も聞いてもらえないのか?
それは、話の内容に抵抗があるため、信用できる人、信頼できる人でない限り聴こうと思わないからでしょう。

であれば、信用できる人、信頼できる人になればいい。
でもどうやって?

僕が信用・信頼する人は、話をきちんと聴いてくれて、僕のために動いてくれる人です。
であるならば、僕もそう思われる人になればいい。

きちんと話を聴くためには、相手の関心事について対等に話ができる知識があった方が良いだろう。
そう思ってから、読む本のジャンルを拡げました。
自分が読みたい本だけではなく、他の人が読みたいと思うジャンルの本を読むようにしたのです。

今では以下のようなジャンルの本を読んでいます。

●自己啓発
●聴き方、話し方、プレゼンの仕方
●FP関連(税金、年金、不動産、住宅ローン、相続、贈与、信託、保険、iDeCo、NISAなど)
●マーケティング、ライティング
●経営、マネジメント、財務諸表
●伝記
●病気、健康、ダイエット、筋トレ
●経済学、行動経済学、認知心理学、哲学
●数学、物理学、化学、歴史学、人類学
●最新の技術やサービス

今では月平均で10冊、年間120冊以上読むことを自分との約束にしています。

さらに、5年程前からFacebookに書評を投稿するようになりました。
書評を投稿するメリットは主に3つあります。

●書評を書くことで本の知識を整理でき、自分の知識にすることができる。
 いつでも本の内容を話せるようになる。
 また、様々な本の内容が繋がり、体系的な話ができるようになる。

●自分がどんな分野の知識があるか、知ってもらうことができる

●いいねやコメントの状況、お会いした時の会話から、その方の関心事がわかる

自分がいま関心を持っていることは人に聴いてもらいと思うだろうし、詳しい話を聴いてみたいと思うでしょう。
ただ、誰がいま何に関心があるかは、簡単にわかるものではありません。
でもそのヒントは、その方自身に関心を持てば、様々な方法で知ることができます。

その関心事に自分がある程度の知識があることが伝われば、その方との接点は自ずと増えます。
距離は自然に近づき、頼まれごとをするようになります。
その頼まれごとを二つ返事でOKし、その方がビックリするようなスピードで対応したり、想像を超える対応をすると、信用・信頼を得ることができます。

まだまだ道半ばではありますが、これが「話を聞きたいとお願いされる営業マン」になるために有効な手段だと考えています。

ただ、読書をするのは決して営業のためだけではありません。
自分の幅を広げてくれましたし、いろんな気付きを与えてくれました。
読書習慣のない方、今からでも遅くはありません。
読みやすい本から始めて下さい。
必ず良いことがあると思います。

(つづく)


次のはなし

58.大好きな先輩①
https://note.com/totoro0129/n/ndb3a5e650e93


<0.プロローグと目次>
https://note.com/totoro0129/n/n02a6e2bda09f



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