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#78 ハイブリッドカメラマン

「ハイブリッド」ってなんかかっこいいですよね。

元々の意味は…

1.生物学で、異なる種類・品種の動物・植物を人工的にかけ合わせてできた交雑種。「―のバラ」
2.複数の方式を組み合わせた工業製品など。「―車」

とのこと。

異種なものをかけ合せて作るあたりがちょっとSF。でもその語源はラテン語「hybrida ヒュブリダ(豚とイノシシから生まれた子孫)」らしいです。…つまりイノブタ!ハイブリッド車はイノブタ車なのか。ずっと「ハイなブリッド」だろうと思っていたら違うらしいです。そもそもブリッドって何だよって話ですが、「ハイ=High」で上位種みたいなのを想像していました。

世の中には「ハイブリッド」が付く言葉がいくつもありますが、その中でも「ハイブリッドカメラマン」という言葉をご存知でしょうか?Googleで検索検索しても出て来ないので、確証が持てないのですが、写真を撮るカメラ&動画を撮るカメラの両方を使いこなすカメラマンのことを言うようです。

と言うのも、私の勤務先であるデザイン会社のスタジオにもこのハイブリッドカメラマンがいるのです!いわゆる印刷物やウェブに使用するモノ・人・景色などのスチール撮影(静止画)にも、動画撮影にも長けたプロのカメラマンです。

スチール撮影とは、still(静止)から来ている言葉です。 スチール撮影はモノの一瞬だけを切り取ります。逆に動画は、写真1枚ですべてを表現する必要がありません。画の連続を撮るので、より多くの情報量を伝えることができます。

この写真と動画を語るときに必ず出てくる用語して、「3Vの法則」というのがあります。3Vとは「Verbal(言語)」「Vocal(聴覚)」「Visual(視覚)」のことで、3つともユーザーの記憶に影響をもたらすもので、その与える影響の割合を「3Vの法則」と言います。

その割合は、

■ Verbal・・・7%
■ Vocal・・・38%
■ Visual・・・55%

と言われています。

写真が3つのうちでは「Visual(視覚)」にしか影響しないのに対し、動画には「3V」全てにうったえる情報が入っています。そしてその情報量は単純にテキスト&写真だけの場合の5,000倍にもなると言われています。なので動画は伝えたい情報を短い時間で大量に訴求したい場合は有効です。もちろん、一瞬だけを切りとるスチール撮影の良さは、その伝えられる情報量の少なさから来る「見る側の想像で埋められる余白」であったりするわけなんですけども。

「ハイブリッドカメラマン」の話に戻しますと、スチール画も動画も撮れるということは、撮影現場で2種類のカメラを交互に使って、動画を撮影しているときに、ここぞという場面だけをスチール撮影したりすることもできます。たとえば蕎麦を販促する場合、茹でるところから食卓に並ぶところまでを動画で撮影する現場で、「茹でるところ」「ざるに盛るところ」「食卓に並んだところ」などのスチールも抑えることが一人のカメラマンを手配するだけで可能になります。実際発注をいただいた動画の撮影現場で、クライアントに「ここスチールも抑えてください」という要望をいただくこともあります。

どちらも「カメラで撮る」仕事ですが、どちらもプロレベルで撮れることは対外的に大きなアピール要素になりますね。


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