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似合うに慣れる

スギサキさんのカラーレッスンを受けてガサッとコスメをまとめ買いした。このうん年間、最低限の衣服(ファッション以前の服)を買い、最低限のメイクでよぼよぼ過ごして来たので、ファッション筋もメイク筋も衰えまくりだ。数年分のコスメを買ったような気持ちだった。

今までの私の好みの色では顔のくすみが目立つことを教えて頂いた。そして、以前の私は「大人っぽさ(年上感)」を求めてくすみを使っていたことにも気がついたので、自分の求めるメイクは出来てたことも分かった。でも、今は明るさが欲しい。若いときには若さという明るさがあったけど、今は明るさを補助してくれるメイクをしたかった。それにはパーソナルカラーにあった色が適切だ。


お勧め全買い



しかし、ここまで一気に「好き」ではなく「似合うを揃える」買い物をしたことがなかったので、買うと決めていたのに一瞬躊躇した。まだ「好き」ではない物をこんなに買っていいものだろうか…。
背中を押したのは夏の制服を1セット買ったときのことだった。上下同じ日に揃えて買った。あきやさんの教えの通りに。そして、揃えて買わないければ見えない世界が見えた。
メイクも同じではないかと思ったのだ。一気に揃えなければ分からない世界があるのではないかと。


だが、買ったコスメを次々試すも、しっくり来なかった。使い方や組み合わせが悪いのか?と主に目元を捏ねくり回したが、しばらくして分かった。似合う色に目が慣れてないのだ。せっかくの似合うに振り切ったクリアなアイシャドウ達を重ね合わせて色を濁らせてしまったりもした。
これじゃあ駄目だ、と12月中旬から「似合う」色を「単色」で使うことに振り切った。今振り返ると無意識に30日チャレンジをしていたようだ。計画ではお正月には似合う色に目が慣れ、コスメを使いこなせている筈、だった。

そうは簡単に行かなかった。

クリスマス頃から妙に長引く風邪を引いたのもあり、感覚がずっとぼやぼやしていた。1月も中旬、参った、中々目が慣れないぞ…と弱りながら服を見ていたら、平置きされているサーモンピンクのニットが目につき、おや?これは私と調和する色では…と手を置くとthe似合う色、だった。欲しいような商品ではなかったが、こんなに調和した服は他になかったので試着させて貰う。顔から体の全体がフアァァァと明るいオーラを纏ってるようだった。どハマリする似合う色の服ってこれかーと面白かった。

それからしばらくすると、突然メイクも色の乗せ方が分かるようになった。外でパッと鏡を見たときに顔が明るい。そうそう、この明るさが欲しかった!似合う、が分かり、もうコスメは当分買わないでいいやーとウキウキしながら、前から気になっていたコスメをタッチアップしたら、絶対に似合うと確信出来るアイライナーを見つけてしまい、ついでに「似合う」かは不安だけど「好き」な色のマスカラにも出会って買ってしまった。必要最低限しか買う気が起きなかった数年を思うと、必要ではない余分な楽しみの買い物をしている自分にいちいち感慨深くなる。


私は地道に模索するやり方が好きだなあと思う。達成したときに、愚直に続けて来た道を振り返るのが好きなのだ。達成までが偶然ではないと自信がつく。あきやさんの「地層」を積み上げるのと同じ感覚だろう。


そして、つくづく素直な性格をしてるなとも思った。
おそらく素直でなかったら「似合う色に目が慣れてない」という結論には至らないだろう。「杉崎さんのレッスン、見当違いだったんじゃない?」となる気がする。
教わったことは、とりあえず倣ってみるのが常だ。疑問に思うことがあっても、とりあえずはひと通り倣う。それは私よりずっと長く真剣に向き合って来た人たちからの知識だからだ。私が表面だけさらって疑問に思うようなことなど、とっくに乗り越えているのだ。だが、その上で疑問も聞く。私としては「なぜなぜ坊や」と同じ純粋な疑問なのだが、世の中捻くれた人の方が多いので、「こいつも自分と同じ捻くれ者だから面倒くさい質問をしてくるんだな!」と判定をされることも多い。度々あるので、聞き方や空気作りを気を付けなければなあと常々自戒している。

話が脱線した。

まあそんなこんなでスギサキさんのカラーレッスンから約二ヶ月、目を肥やすことが出来たかなと思う。ちょうど新たに出来た「なりたい」イメージが「似合う」とは相性がいい。気持ちもワクワクしているから、「好き」にもなり始めてるのかも知れない。

若いときに、好きだけど似合わない色をたくさん着て、メイクしておいて良かったなあと心から思う。若いときは肌の艶と張りが補ってくれていたんだろう。そのパワーがなくなる頃合いに「似合う」を知って、「好き」にもなれたのは幸運だ。そう、私は運が良い方なのだ。

この調子で、上手い具合に流れて行きたい。


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