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桃色うさぎ

私は小さい頃から、ぬいぐるみが大好きで
お誕生日プレゼントは、決まってぬいぐるみをおねだりして、部屋には、たくさんのぬいぐるみたちが私の遊び相手、話相手でした。

その中でも1番のお気に入りが『桃色のうさぎ』
だから、名前は『ももうー』
ももうーは、私が9歳の頃、うちにやって来ました。初めて会った時から相思相愛。

寝るときは、必ず、“ももうー”がいて、後は、
可哀想だからと、他の子たちを今日はこの子
と決めて順番に眠っていました。
ももうーを抱いて、おでこをくっつけたりすると、安心して眠りにつけました。

旅行に行く時も、母に「ももうー連れて行っていい?」と聞き、たいてい連れて行きました。

時々、ももうーは、耳がちぎれそうになったり、目が取れそうになったりして、私がベソかいて、母がに言うと、母は「ももうー、少し手術しないとね」と言って繕ってくれました。

そんな、ももうーとの突然の別れが来るなんて
思いもしなかった大事件が起きたのです。

13歳の夏休み、引っ越すことになったのです。
荷造りをする時に、古くなったぬいぐるみを、ある程度処分しようと決めた私は、大きなビニール袋に入れた(処分用)とダンボール箱に詰めた
(持って行く用)に分けていました。
ももうーは、赤いバスケットに入れて別に置いていました。

引越しの当日、どんどん荷物が運び出され、ふと気づくと、ももうーも居なくなっていたのです。

引越し屋さんに、訪ねると「全部積んだから大丈夫だよ」と言うので、“先に母の車に乗せておけばよかった”と後悔しながらも、“大丈夫だろう”と半ば安心していました。

引越しも無事終わり、気づいたのは全てのぬいぐるみがない事に!母は仕事に出ていて、時間も遅かったので引越し屋さんに連絡も出来ない。
私は、連日からの疲れもあり、その夜は、荷物の山の中で、泣きながら寝てしまっていました。

翌日、母が引越し屋さんに連絡をして、聞くところによると、ぬいぐるみは(全て)処分すると、勘違いしていたと言ったらしく、【じゃ、なんで、わざわざ、ビニール袋と、ダンボール箱と、カゴに入れたピンクのうさぎがあるのかな】と思わないのか!と私は怒りと悲しみでいっぱいでしたが、口頭で言っていただけで、証拠もないし、誤ってくれてましたし、それ以上は言えませんでした。母は私をゴミ処理場まだ連れて行ってくれました。まだ、あるかも分からないと少しの間期待を持って見に行きましたが、ありませんでした。

母も慰めてくれましたが、納得出来ず、しばらくふてくされていました。まるで、小さな子供です。

それが、私と桃色うさぎ、“ももうー”とのお別れに、なってしまいました。

 心理カウンセリングの勉強をしていた時
ドールセラピーや、アニマルセラピーについて
教わり知りました。

ぬいぐるみを抱きしめるだけで、どうして癒し効果が得られるのでしょうか? 
それは、あなたが抱きしめているのは、ぬいぐるみの外見をしていてもぬいぐるみではないからです。
あなたの腕の中にいるのは、ぬいぐるみに投影された「自分の心」なのです。ぬいぐるみを抱いているようで、実は自分で自分自身を抱きしめているのと同じこと。
自分自身の存在を認め、優しくすることで癒し効果を得ているというわけです。

ぬいぐるみに気を使う人はいませんよね?
 
ぬいぐるみが好き嫌いに関わらず、
私達は無意識にぬいぐるみに対して、
素の自分をさらけ出してしまいます。
 
普段言えない言葉をつぶやいたり、
抑えていた感情があふれ出したり、
あるいは自分の想いをぶつけたり、
 
悩みを解決するために、
あるいは目標を実現するために、
ぬいぐるみは必要不可欠な存在です。
 
※ちなみに抱き枕も素材的には
ぬいぐるみと同じ分類とされます。

私達はぬいぐるみを生きているかの様に
見立てて関わっているのです。

また臨床心理学の分野では、
赤ちゃんは1歳前後になると
物理的に母親の元を離れられる
と言われています。
 
そして母親の次に愛着を示すのが
ぬいぐるみであると言われています。

※ブランケットや毛布も含みます。

動物も、ぬいぐるみも、言葉を話さないからいいのです。

その後、私は2代目“ももうー”と、16歳の時に出会いました!それは中学校からしていた陸上で、膝を痛めて、手術をした入院することになったのです。次の日、母が桃色うさぎを抱っこして病室に入ってきました。

1代目とそっくりだったので一目で気に入りました。母は、お店を何件も探して良く似た桃色うさぎを買ってきてくれたそうです。その日から、“ももうー”と私の新しい生活が始まりました。

〜時は流れ〜

不思議なことに、私の息子も、娘も、小さい頃から “ももうー”がいつも側にいた為か、すぐにお気に入りになり、一緒に寝て、遊んでました。兄妹で取り合いになる様なこともあり、「順番こね」と、言い聞かせたほどでした。勿論、ももうーの手術は、私が何度もしました。

いまでも、“ももうー”はいます。母が作ってくれた洋服を着て役目を終え、ゆっくりと休んでいます。

おつかれさま。ももうー💖大好きだよ❣️ありがとう


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